長崎から島原へ〜軽い気持ちで路線バス旅〜車内でほっこり逸話も(上)

第102回

難聴ソルのゆんたくTime

2019年(令和元年)12月6日 島原新聞掲載


(上)

のんびりゆったり路線バスの旅(?)

普段私は長崎市内に住んでおり、実家のある島原には自家用車で帰ります。いつもは同じルートで一時間半ぐらい。ところがたまたま、今回はちょっと変わったルートで島原まで帰ろうと思い立ちました。

長崎市内のバスや電車で使うために持っていた長崎スマートカードが12月までに使えなくなるということ。これはなるべく使ってしまおうと思い、島原までバスで帰ることにしました。乗り継げばなんとか帰り着くだろうと軽い気持ちで、午前11時ごろ長崎の自宅前から長崎駅行きのバスに乗りました。これが長い旅の始まりだったのです。

諫早のバスセンターまでは、とてもスムーズにいきました。これだったらいつもと変わりないくらいで着くかなと思い、島原行きの時刻表を見ると次は1時間後。ちょうど昼時だったのでランチを済ませて、のんびりバスを待ちました。もうすぐバスが来るので確認のため窓口に行き、「次のバスは島原まで行きますか?スマートカードは使えますか?」と尋ねたところ、「スマートカードは使えますよ。ただ…」と、ちょっと複雑な顔。「このバスは雲仙回りなので、列車を使った方がよいですよ」との答え。雲仙もそんなに遠くないだろうと別に深く考えずに、とにかくスマートカードの残高を減らしたい一心でバスに乗ったのです。結構沢山の乗客がいました。私の近くには3人の若い外国人が座りました。私はいつもと違ってワクワクしていたので、ツーリスト感覚でこの方達とおしゃべりを楽しみました。

何語でしゃべっていたと思いますか?実はUDトークの姉妹アプリ「スマイリンガル」の外国語翻訳機能を使ってやり取りをしていたのです。画面に様々な国の国旗が出てくるので、相手に自分の国の国旗を選んで押してタップしてもらうと、その国の言語でやり取りができるのです。スマートフォンを使った国際交流を楽しみました。この3人は雲仙の旅館で働いているとのこと。身近なところで楽しく活用できるのだなと改めてこのアプリの良さを感じました。愛野あたりまでは、いつも見慣れた国道沿いの光景が続きました。3人には「雲仙に着いたら教えるね。休んでいて」と言ったりして、すっかり仲良くなりました。

愛野を過ぎたあたりから、バスは千々石の方へ向かいます。ここから先は、バスで行ったことのない私の未知の領域です。さらに旅行気分も高まってきました。すぐに雲仙へ登るのかと思っていたら、なんと小浜バスターミナルまで、半島を回っていきます。島原から遠ざかるばかり…。ちょっと不安になってきました。小浜バスターミナルで、バスの乗客は半分になっていました。私は何気なく乗りましたが、小浜や雲仙に行く方にとっては大事なの公共交通機関なのです。

(つづく)

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