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2021年とかん味処

 2021年を振り返って、かん味処で学んだ内容でよく使わせてもらったのが「商品PR」や「POP講座」「トレンド・情報分析」など、生産者さんが産直ECでどうしたらより売れるかの部分だった。

 かん味処が始まった2021年3月。まだ、いち消費者だった自分にとって、このおもしろい講座での学びをどう行動に移すのかが、受講後の頭痛の種のひとつだった。
 4月に産直ECの会社へ入社し、生産者さん・ユーザーさんからの問い合わせ対応の仕事を始めると、ときどき「なかなか販売が伸びないんだけど、なにかアドバイスありませんか?」という問合せをいただくようになった。それ、まさにかん味処で学んでます!!ということで、その都度受講メモやレポートを何度も読み返しながら、その生産者さんの商品ページを見て、自分なりに思うことをお伝えしていた。

 お伝えする時に大切にしているのは「ここをこうすると、いいですよ」という具体的な内容と共に、「なぜそれをするのか」を伝えること。
特に、次の2つを中心に説明をすることが多い。

【おかれた場所で、どう見えるか】
 かん味処初回のPOP講座で出てきた「3メートルと30センチ」の話。お客さんと商品との距離によって、情報が購入意思決定プロセスのどこにどう作用しているかが変わるという話。
 産直ECでいえば、例えばユーザーさんが「りんご」で検索したとき、いろんな生産者さんのりんご商品が並んでいる中で、あなたのトップ写真・商品タイトルで、どんな商品かがパッと伝わるかどうか。(2秒の壁、ワンフレーズでつたえること)
あるいは、あなたの商品一覧のページを開いた時に、同じ写真と似たような商品名が並んでいて、お客さんが迷いなく買えるかを考えましょう、ということを説明している。

【生産者の考える「魅力」と、ユーザーが感じる「魅力」は一緒か】
 生産者さんがアピールとして説明文に記載している内容、あるいは自明だと思って説明を省いていることが、はたしてユーザーさんにとっても同じものなのかを考えるようにしている。
 例えば、「肥料は○○を使っている」「栽培方法は○○」等のアピールとして書かれていたり、それが何かわからないけど品種名だけが書かれていたり。これはユーザーさんに伝わっていないんじゃないかなと思ったときは、(もちろん自分が無知なだけの場合もあるので)「あくまで私の場合ですが」と断ったうえで、「ユーザーが直接体感できる魅力をワンフレーズで追加するとわかりやすく感じますよ」とお伝えしている。具体的には、「肥料は○○をつかっている。だから、甘みが強い。」「栽培数が少なく、あまり市場に出回らない○○」のような書き方を提案している。(商品の魅力の言語化ってとても難しい)

 上記のような説明を交えながら、もっと具体的なイメージが湧くように他の生産者さんの「この人説明がうまいな」「よく売れているな」というページのリンクを(なるべく複数人)つけるようにしている。
人によっては、もうすこし踏み込んで具体的な文章例や、写真、商品の分量や構成なども思ったことをお伝えしている。

上記の2つは、特にかん味処を受講して自分のなかでハッとした部分だった。
・全体の中での見え方を考える。
・購入までのお客さんのプロセスを考える。
・相手の知識・常識・理解に寄り添って対応する。
などなど言われてみれば当然だけど、受講時に視野が開けたと感じた内容だったので、できるだけ生産者さんにもプラスになる形でお伝えしたいと思っている。
 総じて言うと、自分だけの視点で見ていた商品ページを、想像力を働かせてお客さんの視点やより広い視点で見れるようになることが、大切だと考えている。

 ただ、2022年の課題でもあるのだが、アドバイスをお伝えしてそれを実行してくださる生産者さんはだいたい5人に1人くらいなのだ。「これをすれば、売上が増えますよ」なんて魔法は無いので、より一層考えるポイントなどを丁寧にお伝えしたうえでいろんな方法を提案するが、あまり回りくどすぎると「やってみよう」という意欲が失われてしまうのかもしれない。私の伝え方次第で「じゃあまず、これをやってみよう!」という行動意欲が起きるかどうかが変わるのだと思う。そして、これも私に「生産者さんの視点」という想像力がまだまだ欠けているという証拠だ。
 私自身の想像力、そして伝え方が、今年の大きな課題だ。

 最後に、今回のレポートを作成するにあたって、改めて昨年の受講メモやレポートを見直すと、忘れてしまっていた大切な情報がたくさん出てきた。やはり、定期的な振り返りは大事だなと痛感した。菅さん、一緒に受講した皆さん、ふりかえりの機会をありがとうございました!!
今年もよろしくお願いいたします。

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