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アイドルグループの価値

アイドルネッサンスの解散ライブの配信を観た。

名曲ルネッサンスと銘打ち、カバーのみで活動するという珍しいコンセプトの、
良くも悪くもSMAという大人の看板を背負ったグループだった。

しかしその特殊性が武器となり、アイドル界トップクラスまで高められた歌唱力で快進撃を続けた。
そして昨年、縁の深い小出祐介によるオリジナル・ミニアルバム『前髪が揺れる』をリリース。殻を破り、次のステージに進んだタイミングでの、突然の解散発表だった。

最近の曲のカバーが増えていたことを考えると、アイドルを聴く世代以外には思ったようにファン層を拡大できなかったのかもしれない。新しいビジネスモデルとして、限界がきてしまったのかもしれない。

これからの活動に関する言及はなかったが、願わくば、メンバーには今後も歌い続けてほしい。
彼女たちの歌声は、たやすく埋もれさせてはいけない。

だが、それと同時に、一人の人間として幸せになってほしいという気持ちがある。僕らは今の彼女たちしか目撃できないけれど、アイドルという称号を背負っていようがいまいが、彼女たちはこれからを生きていく。その道中で、昔アイドルだったという経験が、誇れる勲章であってほしい。
これは、小出さんが、1st EPに込めた思いとして、言語化してくれていることでもある。
https://natalie.mu/music/pp/idolrenaissance02

最近、アイドルの脱退や卒業や解散が発表されるたびに
「アイドルになりやすくなったけど、続けにくくなったな」と思う。

アイドル戦国時代といわれる中で、瞬間の光量が求められているからこそ、そこで戦う人たちには、自分の中の物語を大事にしてほしい。大人に負けずに、自分のための時間にしてほしい。
アイドルには、憧れ、理想、願望、評価。様々な思いがぶつけられる。アイドルグループという枠組みの価値はそれを受け止める傘としての役割にあると思う。
逆に、グループの物語性は、メンバー自身の物語からしか生まれない。

小泉今日子が今でもキョンキョンでいられるのはなぜだ。
松田聖子が今でも歌っていられるのはなぜだ。
アイドルという枠ではなく、その人を、その生き方を、みんなが愛していたからではないのか。

だから僕は、殊更に解散を悲しむのはやめる。
ありがとう、元・アイドルネッサンスのみなさん。かっこよかったよ。



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