腸内ガスのこと
オナラは、腸内の老廃物です。それが順調に排出されなければ、腸内に滞ったガスは、腸管の周辺の血管や神経を圧迫し、それこそ万病の原因ともいうべき作用をするのです。生活習慣病の初期にも、ガンの末期にも腸内にはガスが著しく充満しています。
心身ともに健康な方は、消化吸収が完全になされ、余分なガスはつくられず腸内にガスがたまることがありません。オナラの状態は自分の体の変調をつかむ何よりの゛警報器”といえるのです。
胃の中にたまるガスの組成は空気によく似ており、食事の時に空気が相当量胃の中に飲み込まれるようです。
腸内ガスの場合は、一般的には窒素、炭酸ガス、水素、メタン、酸素で構成されていて、腸内細菌によって作り出されたアンモニア、硫化水素、インドール、スカトール、揮発性アミン、揮発性脂肪酸といった悪臭のガスが含まれている場合があり、それがいわゆる゛臭いオナラ“になるわけです。
オナラの研究で、腸内にさまざまなガスを作り出す腸内細菌の種類や作用が分かってきており、悪臭性のガスを作る腸内細菌が、発がん物質の作用を強める物質を作り出すことがわかっています。
また、老化に伴ってウェルシュ菌と呼ばれる細菌、つまり悪玉菌が腸内に増加することもわかっています。胃腸の内部にたまるガスは、オナラとして排出されない限り、私たちに害をなすばかりなのです。
本来、腸内にできたガスは、腸壁からかなりの量が吸収され、血液に溶けて運搬され、あるものは肺を経て口から体外へ放出され、あるものは肝臓で処理され、尿中に出ます。
オナラが多い人の場合、腸管の吸収能力が低下していることが考えられます。ビールや炭酸飲料をよく飲む場合や、食事中のおしゃべりによって、口から相当な量の空気を飲み込んでいるかもしれません。精神的なストレスもまた、胃腸運動を低下させ、ガスを長時間とどこおらせます。
体にガスを溜めない
早起きして散歩をし、朝食をたっぷり食べ、仕事が終わった後は、入浴して疲れを取り、夕食を軽く済ませて眠る。これが、ガスを溜めない理想的な生活スタイルです。でも、現代では極めて難しいことではあるのですが。
ではどうするかですが、
①電車の中ではスマホを見ない、本を読まない
②食事中は食べることに専念する
③入浴は夕食前にすませる
腸内ガスがつくられる要因の中で、もっとも問題となるのは、やはりストレスなのです。まずは、体にストレスをかけない生活が大切です。
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