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書を捨てよ、町に怪文書を剥がしに行こう(名古屋大須編)
いつの間にやら秋の陽気になってしまった今日この頃ですが、皆様いかがお過ごしでしょうか。
こちらは時勢で骨董市や業者市の中止が増え、趣味に費やす時間がまあ増えてしまっている毎日です。
じゃああんま金の掛からんライフワークでも考えるか・・・と思い立ったのがこれ、スクラップブックです。貼り方とかキャプション考えるのが楽しいんですよね。
去年から作ってるスクラップブック2冊(2020~)
中身は一体何を貼るのかと言えば、せっかく令和のご時世ですので時勢柄の強いもの(コロナ関係など)、その辺で配布されてるチラシの類、また路上に勝手に貼られているブツとか。
まあとにかく意図して残されなさそうなモノや、多くの人の記憶には残っているけど実物は残らないモノなんかを貼り込んでいる次第です。
中身はこんな感じ。
西成で貼られていたコロナ関係の文書と写真。
最近珍しいピンクチラシ、ステッカー。
路上のステッカーと貼られていた現場写真など。
多くは路上観察に伴う産物ですね。採集する際に気をつけていることは、残されていた現場の写真と、場所や採集日時の記録です。モノはモノのみだけでなく、付随する情報があってこそ真価を発揮するので・・・。
とまあそんな感じで採集たまに貰ったりしているんですが、避けては通れないのがやっぱりこれ!
怪文書ですね。
怪文書、ググると思った以上に解説文が出て来ますね。
数々の解説の通り、総じて発信者が不明で何かしらを主張している奇怪な文書たち。常人の理解の範疇をはるかに超えたそれは謎に満ちており、時には文法も行間も関係なく縦横無尽に書かれたりしています。書き手が何かしらの情念に突き動かされ、何者にも憚られることなく脳みそからひり出された文章たちなんです。そんな魂のこもった文章なので、そりゃあ魅力的で集めたくなるんですよ。何書いてあるかマジで分かんないけど。
上前津駅10番出口に貼られていた怪文書(2021.4.28撮影・採集)
上にあげたのは、名古屋市営地下鉄の上前津駅10番出口に貼られていた怪文書です。怪文書と言われて想像するものに最も近いんじゃないでしょうか。
文章というより単語の羅列に近く、しかも縦にも横にも行間にも文章らしきものが紙片に書き殴られている。なんか読めそうな気がするのに全く読めない、これぞ生の怪文書ですね。オウム真理教、警察、殺人、医者に精神病と怪文書の定番な文言が並んでいるので陰謀論系なんでしょうか。
この怪文書は、数年前より上前津駅出口の各所に貼り付けられているようです。
上前津駅出口周辺は大須でも有数の怪文書・ステッカーのスポットですね。こういう所に貼るのを見ると、やはり不特定多数の人々に見てもらうことが目的なんでしょうね。
ここでは他にもこんなものを採集したことがあります。
上前津駅9番出口に貼られていたDEATH PENALTY 2点(2021.3.4撮影・採集)
怪文書というより怪チラシですが・・・。
テープで雑に貼られていたハングマンたちは一体何者か。これ、写真では修正してるんですが実名が書いてあるんですよ。さらにはその人物の顔写真まで貼ってある呪われそうなブツですが、あながち間違ってもない代物のようで。
彼らの人名をググると、そこには共通点のあるニュースが引っかかります。
どちらも人を殺めているんですよ。
詳しくは伏せますが、ここ数年で起こった交通死亡事故や殺人事件の犯人たちです。交通死亡事故の犯人なんかは、免許更新の講話で話が出るほどの有名な事件ですね。
貼り手は果たして私怨なのか、それとも正義の晒し目的なのか。目的は全くもって不明ですが、現代にも呪符はあるのだなとしみじみ思いながら剥がしてました。
大須の著名?な怪文書・ステッカースポットと言えばもうここも外せない、大須第1アメ横ビル前の自販機付近です。
ここも更新頻度が高いですね。ステッカーは行くたびに増えてます。アメ横前のアーケード街と言えば常に人でごった返す道筋、やっぱり多くの人に見せる目的で貼ってんだろうな。
ここは裏手もスポットですね。ただし表とは少し様子が違い、裏にはグラフィティと怪文書が多いようです。界隈同士の暗黙の了解でもあって棲み分けられてるんでしょうか。謎。
貼られていた怪文書はこんな感じです。
中央の柱の上部にご注目。
Tカードは諜報注意!(2021.3.4撮影・採集)
これ、主張してる内容は最悪だけどデザインめちゃくちゃ秀逸ですね。画像の上下にはニュースサイトのURLが記載(上 https://japan.cnet.com/article/35131549 )されており、Tカードの会員情報が裁判所の令状なしで捜査当局に提供されていたことが問題になった2019年のニュースサイトに繋がります。
まあ、Tカードの危険性を主張したいのは分かるのですが、Tの字から覗く泥棒が良すぎてどうでもよくなっちゃう。しかしまあこんな裏手に貼って意味あるんか・・・。
もう一つあったのがこれ。同じくラミネートしてあり、分厚い両面テープで貼ってある辺り同一作者なんでしょうね。
24時間、働けますか?(2021.3.4撮影・採集)
しかしこれは意味が分からない。24時間働けるかの問いに答えかけるかのような覚醒剤(caffeine)配合飲料の文字。トイレ無きdrink barも何を示すんだ?極め付けはアリと目の挿絵、すべて繋がりそうな気がするけど分からないんです。と言うかすべて繋げたらおぞましい情報にたどり着きそう、何かの暗号でしょ。正直怖いです。文句なしの怪文書ですね。
とまあ割とガチめな怪文書ばかり紹介してきたので、最後にユルめなのを一つ。
まん○だらけ(2021.9.28撮影・採集)
見ての通りしょーもない怪文書ですね。2枚も貼られましたよこれ。ここから100メートルも離れてないところにまんだらけ名古屋店あるんですよ、随分挑戦的で直情的な怪文書なので喜んで剥がしてきました。一生資料として残してやるからな。
ちなみに上端に上端に貼られているのは"オークス XOコミックス 尚たかみ「精液中毒少女」(2012.4)"の色を反転したもの。下端は"バンダイスピリッツ S.H.フィギュアーツ ルパン三世 峰不二子(2016)"のようです。
エロマンガとフィギュアがてきとうに添えられてるのポイント高いですね。文章で終わらない作者の心意気に感激して泣きそう。
とまあ最近名古屋で見かけた怪文書はこんな感じです。この手の怪文書は都会の街中だけでなく、時にはポストに投函されたりばら撒かれたりするようで。ツイッターでも時々報告があったりしますよね。
案外身近に潜んでいる怪文書たちですが、きっと後世に残されることは少ないでしょう。でもこういう残されないモノにこそ時代は反映されるんです。
皆さんも後の人類のために怪文書を残しませんか・・・?
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