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「イマーシブ」なエンタメが今、求められる理由

今回は、店員が友だちとして接してくれるカフェ「友だちがやってるカフェ」に、なんぼーさんとりさちゃんで遊びに行ってきました。

店員:おつかれー。今日は何にする?

なんぼー:じゃあ、僕は「いつも飲んでるやつ」で。

りさ:私も。

店員:おっけー。あ、ていうかさ、髪型変えた?

りさ:えっ。うん、ちょっと前に……。

店員:可愛いじゃん、似合ってる!俺もそろそろ髪型変えよっかな〜。あ、ごめんごめん、ドリンク作ってくるね。ちょっとまっててね!

りさ:あ、うん……。

なんぼー:りさちゃん、楽しんでる?

りさ:人見知りが出ちゃいました。だけど、噂に聞いていた「友だちがやってるカフェ」面白いですね!

なんぼー:いやー面白いね。

りさ:なんぼーさんはすごく楽しんでますね。さっきも店員さんと雑談してましたし。

なんぼー:僕は、人と話すの好きだからね。スナックとかも好きだし。「友だちがやってるカフェ」って、スナックの再発明だと思うんだよね。

りさ:あー!確かに!ドリンクやフードを頼んで楽しみながら、店員さんと友だちみたいに喋る…これって、スナックと同じようなシステムだ!スナックに比べると、お店も若者向けでオシャレな感じだけど…。

なんぼー:本当のスナックは、常連さん中心で敷居高いしね。だけど、実際にコミュニケーションに飢えている人は若い人やスナックに行きづらい人でもいると思うんだよね。

りさ:さっき常連っぽい人もいましたけど、スナックにはなかなか行けなさそうな雰囲気の人でしたもん。

なんぼー:「友だちがやってるカフェ」は、コミュニケーションしたいニーズを満たしつつ、スナックにないオープン感、ウェルカム感があるのが素晴らしいね。

りさ:そうですね。私は人見知りだし、普段から店員さんと話したいニーズはないけれど、なんぼーさんや常連さんみたいに、気にいる人がいるのも納得です。

なんぼー:僕はまた来たいもん。「友だちがやってるカフェ」は、コンセプトを使って、うまく “共犯関係” をつくってるなあ。

りさ:実際に来てみると、新たな発見があって面白いですね!

なんぼー:最近「イマーシブ」って言葉がよく使われていて、ここもその1つだと思って来てみたけど、やっぱり現場に来てみるのは大事だね。

りさ:最近「イマーシブ」って言葉、よく見かけます!3月には新しく『イマーシブ・フォート東京』もできましたよね!

なんぼー:去年には『イマーシブ・ミュージアム』も実施されていたしね。

りさ:なんぼーさんは、「友だちがやってるカフェ」以外に何か体験されましたか?

なんぼー:僕は、イマーシブの最高峰は「スリープ・ノー・モア」だと思っているんだよね。

りさ:調べてみたら英語で読めませんでした(笑)

なんぼー:ニューヨークを中心に公演を行っていた演劇で、終了が発表されているけど、イマーシブシアターの代表作と言われているんだよね。ノンバーバルな劇だから、本編は英語ができなくても楽しめるはず。

りさ:なんぼーさんは見たんですね!羨ましい!

なんぼー:内容を説明すると、ビルそのものが会場になっていて、演劇が同時多発的にいたるところで行われているんだよね。会場に入ったら、どこを見るかは自分次第。

りさ:えー!すごい!新しい!

なんぼー:「どこを見ても良い」「体験を強制されていない」から、どこに入り込むかも自分次第なんだよね。

りさ:世界観全体を作らないと成立しないですよね。すごい。

なんぼー:そうそう。異空間そのものを作り上げているんだけど、それだけの空間を保つのは大変だと思う。その点、「友だちがやってるカフェ」は日常に近い非日常を切り出しているから、そこまで大きな設備はいらないところも素晴らしいよね。

りさ:それにしても、「スリープ・ノー・モア」も「友だちがやってるカフェ」も “イマーシブ” として語られるの面白いですね。

なんぼー:「イマーシブ」で大事なのは現実と非現実を溶け込ませることだと思っていて。その上で “技術力によって、非現実を現実に寄せてくる” タイプと “自分が世界観に参加しに行くことで、非現実に入り込む” タイプがあると思うんだよね。

りさ:わー!面白い!それぞれ例えばどんなのがありますかね。

なんぼー:例えば、イマーシブアートの『ゴッホ・アライブ』とか、漫画が迫ってくる『マンガダイブ』は、技術力によって非現実を現実に寄せてきているよね。

なんぼー:一方で、「友だちがやってるカフェ」は自分が稼働して、非現実に近づいていっているんだよね。

りさ:なるほどー!確かに!「スリープ・ノー・モア」は……。

なんぼー:自分でビルの中を動き回るから自分から非現実に参加していく方かなと思う。この “自分が世界観に参加しに行くことで、非現実に入り込む” 方は、コミュニケーションが発生するものとそうでないもので、さらに分岐すると思っていてさ。

りさ:「友だちがやってるカフェ」は、すごくコミュニケーションしますよね。

なんぼー:最近は、自分が役割を担ってコミュニケーションする “イマーシブ” なエンタメが人気になっているイメージがあるよね。マーダー・ミステリーとか、謎解き、脱出ゲームとかさ。

りさ:マダミス大好きです!「スリープ・ノー・モア」は、会場内をウロウロしていると、役割を与えられることあるんですか?

なんぼー:「スリープ・ノー・モア」では最初に仮面を被らされて、それを被っている間は周りから見えないっていう設定があるんだよね。だから、基本は役割がない状態。時々、演者に手を引かれて歩く、みたいなイベントは発生するんだけど。

りさ:舞台上にはいるけど、役割が無いパターンと、役割を持てるパターンがあるんですね!

なんぼー:役割が求められているのは新しいよね。 “1億総役者時代” だ。

りさ:面白いですね!でも、どうしてこんなに「イマーシブ」が持て囃されているんだろ。

なんぼー:「コト化」が求められている時代だからじゃないかな。その流れで臨場感をさらにあげていきたいニーズがあるんじゃないかと思うけどね。

りさ:臨場感。

なんぼー:その臨場感の高め方が、技術によるものもあるし、自分から参加して世界観に入り込んでいく方法もあるし。

りさ:コロナが明けて、オフラインでの体験がどんどん進化しているのも感じます。

なんぼー:そうだね。オフラインの体験は、「リッチ化」「非日常化」「役者化」が進んでいると思う。

りさ:ふむふむ。どういうことだろう。

なんぼー:「リッチ化」はつまり、より「すごい」「激しい」体験を求めていて。

りさ:それは理解できます。どんどん技術やコンテンツの進化で、体験できるアクティビティは立地になってますよね。

なんぼー:あとは日常からの距離感を求められているよね。チームラボのようなイマーシブ空間にしろ、マダミスにしろ。

りさ:そうですね。

なんぼー:最後に、人狼や自撮りアプリでのフィルタの普及などを通して、自分が役割のある出役になることに抵抗が無い人も増えていると思っていて。それによって、役者になるエンタメも楽しまれ始めていると思うね。

りさ:確かに!ちょっと前は、人狼するにしてもマダミスやるにしても、誰かになりきるの恥ずかしいって人もいたけど、最近は聞かなくなりました。

なんぼー:そういう「リッチ化」「非日常化」「役者化」によって、オフラインの体験が進化していて、その方向性の中にある1つの解として、イマーシブコンテンツが流行しているんじゃないかと思ってるんだよね。

りさ:今流行ってるコンテンツへの理解が深まった気がします。私がミーハーだからか、どれも私が楽しめそう!これからどんなコンテンツがでてくるんだろう。

なんぼー:一方で、お客さんに「役者」になってもらって、非日常に来てもらう難しさもあるよね。少しでも冷めると、一気に満足度が低くなっちゃいそうだし。

りさ:確かに……!リッチになればなるほど、非日常が強くなればなるほど、日常を飛び越えるのが大変そう。

なんぼー:そのために日常に近い非日常を切り取ったり、強いコンセプトにして参加するモチベーションをもたせたり、いろんな工夫もでてきそうだよね。そのあたりの進化も気になるなあ。

りさ:コンテンツで魅せる部分だけではなくて、没入させる工夫も必要ってことですね!色々実際に行ってみて体感したいですね…!これからの進化が楽しみです!

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