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笛の楽しみ方 七曜工房

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七曜工房は滋賀大津湖西にある笛工房です。 音の出し易さ、音程の正確さ、操作性を踏まえて, 気軽に楽しめる笛を目指し、本漆で仕上げた竹製や木製の本格的なオリジナル横笛や尺八を 製作… もっと読む
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#実音

5 実音で吹かない

管の長さごとに運指を覚えるのは大変だから、いろんな長さの管を持つのはやめよう。C管なら運指を変えずに吹けるからC管だけを吹こう。実音を吹きたいならこれも方法です。 反対に実音で吹かない方法もあります。実音にこだわらずに原曲の音高よりも高い音で、又は低い音で鳴らして、原曲とは違う変化を楽しむ。絶対音感に敏感ではない人にとっては少しぐらい音が高かろうが低かろうが同じ曲に聴こえて全く問題はありません。 これならどの長さの笛も下からドレミの運指を覚えておくだけで、色んな曲が自由に吹け

6 でも やっぱり実音で吹きたい(移調)

実音じゃないから何だか雰囲気がちがうなあ。やっぱり楽譜通りの音高で吹きたい。下からドレミの運指で易しく実音で鳴らせないの?この場合は楽器じゃなくて楽譜の方を替えてしまう方法があります。これが移調法です。 笛の指使いは変えずに、譜の方を替えて(移調して)吹く時、この笛は移調管(移調楽器)と呼ばれます。理屈は簡単です。C管以外の笛は音程が高かったり低かったりします。F管なら2音半高く、D管なら1音高くなります。ですからF管で吹く時には楽譜の方を2音半低く、D管で吹くなら1音低くす

7 笛の二重奏がしたい~その1

ちがう笛で同一の音を出す 自分の持っている笛を一人で吹く場合は、実音であろうとなかろうと何も問題ないのですが、他の人の笛と合奏する場合はどうでしょうか。長さのちがう笛で合奏するとします。それには、二人の笛の音があってないといけません。ここでは同一の音を鳴らすこととします。音が合うとは、先ず双方の笛のA音が同じ周波数なのかどうか。一応440Hzで合っているとします。 次に音律は、平均律であるとします。そして次に笛の吹き方が実音吹きなのか、ちがうのか。実音吹きであれば、双方が同

7 笛の二重奏がしたい ~その2

ちがう笛で協和する音を出す 前述の合奏法は、長さのちがう笛で相対ドレミ吹きをした時、同一の音を鳴らす方法です。音を合わせると言った時、同一の音を鳴らすこととは別に協和する音を鳴らすということもあります。 長さのちがう笛で同じ楽譜を吹いた時、音程はずれていてもそれぞれの音が協和して美しく聴こえるということです。ここではどの笛とどの笛が協和するかを見つけます。二つの音が心地よく響く(協和する、ハモる)のは、一番は同一の音程とオクターブのちがいの音程、その次は完全4度と完全5度の