八つ手の花

 小春日和に誘われて庭に出てみた。八つ手の花が咲いている。
 一本の軸から、何本も枝分かれした先ごとにネギ坊主より少し小さいはなである。1ミリくらいの花が集まってネギ坊主状態になっている。大の字に広がった5枚の花弁の中央にこんもりとしためしべ群があり、そのめしべの真ん中から一本と花弁と花弁の間から4本、合計5本のおしべがひょろ長くのびている。
 冬至過ぎのこの時期、咲いている花がないと見えて、ハナアブが集まっている。3種か4種、大きさも形も違うハナアブが、小さな花から花へと忙しく飛び回っている。こんな小さな花に蜜などあるのだろうか、今日は少し暖かいが、寒い時はこのハナアブたちは何処で寒さをしのぐのだろう。懸命に生きているんだなとハナアブたちがいとおしくなった。
 匂いを嗅いでみたがゴムの焼けたような、決していい匂いではなかった。
 

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