明日は冬至だ。

 我が家の裏に柚子がある。ピンポン玉くらいの姫柚子だ。実が小さいから数は多い。毎年、ご近所さんや知り合いに柚子風呂にでもと配っている。
 今朝、明日が冬至と気が付いて奥さんに知らせると、「柚子をとらなきゃ」と私を見上げる。これは「採ってくれる?」と言っているのだ。「そうだな」私は曖昧に答えた。朝から風と雪混じりの雨が断続的に続いている。積極的には協力したくない。
 午後、晴れ間を見つけ意を決し、防寒着に身を包み外へ出た。「寒い」。空には小さな雲間があり青空が見えている。「今の間に」と高枝はさみで梢の柚子を取っていると、着ぶくれした奥さんも出てきた。私が枝を切り落とし、奥さんが実を切り取る分業体制で能率が上がる。
 雪と風が出始めた。お互い「もう、止そう」とは言わない。相手が言い出すのを待つ。が、動いているからか、寒さを感じない。
 小ぶりのダンボ-ル箱に二箱収穫できた。それを、大きさ、見た目、傷の有無など仕分けして、奥さんは配りに出かけた。
 みなさん、喜んでくれるといいな。

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