お好み焼き屋

 数日前娘が手土産に持ってきた長芋を使って、お好み焼きを作ろうと思い台所に立った。
 長芋はすりおろさずに叩いて粉砕し、歯ごたえが残るように使った。
 一枚目を焼き終わり、二枚目を焼きながら味見をしていたら、奥さんが外出から帰って「いいにおい」と顔をだしたので、さっそく味見をしてもらった。
 「おいしい、私この歯ごたえのあるの大好き」
 してやったり、長い付き合いだ。あんたの好みは先刻ご承知だと、内心呟いた。

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