事務職は本当にコミュ障に向いている仕事? 元事務職が解説
事務職は人との関わりが少ない仕事だと思っていませんか? 筆者自身、「コミュ障だから事務職をやりたい……」と思って、事務職を志望していた時期がありました。
実はその逆で、事務職は社内、社外問わず、さまざまな人とのやり取りをする機会が多い仕事です。
一般事務を1年と、病院の事務を2年してきた筆者が、コミュニケーション能力の有無が事務職とどのように関係するかを踏まえてお伝えします。
この記事を読めば、事務職がご自身に合っているかどうかを確認できるのでぜひ読んでくださいね。
事務職は人との会話が多い仕事
事務職をパソコンに向かって黙々と作業する仕事だと思っている人は少なくありません。
実際は電話も含めて、人との会話がかなり多い仕事です。
まず、事務職は他の社員のサポートをする仕事なので、社内社外問わず人と関わらなくてはいけません。
あらゆる事務職が求められる人とのやり取りは、社内の人との連携、外部からの電話対応、来客対応などがあります。
他にも事務職の種類によってはクレーム対応、取引先との打ち合わせの日程調整をする場合もあります。
業務連絡で自分から話しかけなくてはならない場合もあり、例え苦手な人でも「苦手だから話したくない」というのは通用しません。
他にも職場で電話を取るのは主に事務職のため、電話を含めても人との会話は避けられません。
また、在宅ワークが認められていない職場だと、勤務時間中はずっと社内にいなくてはなりません。そのため、営業職以上に社内の人達と上手くやっていく能力を求められます。
事務職に求められるスキルといえば、PCスキル、正確に事務処理をするスキルが真っ先に浮かぶでしょう。
先ほどあげた2つのスキル以外にも高いスケジュール管理能力、臨機応変に対応できる能力、コミュニケーション能力も重要です。
寧ろ、他の4つのスキルが十分あってもコミュニケーション能力が低いと仕事に支障が出てしまいます。
事務職に求められるコミュニケーション能力とは「人と意思疎通する」ための能力
これから職場が求めるコミュニケーション能力について説明します。
職場が求めるコミュニケーション能力とは「人と意思疎通する」ための能力です。
最低限でも、言葉を用いて自分の要件を「わかりやすく正確に伝達する」能力と相手の話を聞き、相手の意図を「正確に理解する」能力が求められます。
相手の意図を正確に理解するためにも、受け身の姿勢のままではなく、自ら質問をし、相手が発する情報を取りに行くのも必要です。
他にも表情や声のトーン、ジェスチャー、話す速さなどの言葉以外の情報もコミュニケーションに用いられます。
言葉以外の情報を用いて、自分の感情や思考を伝える能力、相手の感情や思考を読み取る能力も高いとよりスムーズに意思疎通ができます。
コミュ障でも事務職ができる人もいる
コミュニケーション能力といっても、事務職に必要なのは雑談をしたり、場を盛り上げたりする能力ではありません。
事務職に必要なコミュニケーション能力とは「わかりやすく伝達する」「正確に理解する」能力であって、業務連絡が主となります。
そのため、業務連絡が問題なくできれば、意外とコミュ障の人でも事務職が務まるのです。
実際、コミュ障の自覚がある人で事務職として働いている人はいます。
そういった人は、人に何かを伝える前に、伝える内容をメモに書いてまとめておくなど自分なりにやりやすいよう工夫をしています。
逆に言えば、人と話すのが好きでも何を言いたいのかがわからない人、相手の話を理解しようとしない人には事務職は向いていません。
人との会話自体がムリというのでなければ、口数が少ない人でも事務職はできるでしょう。
電話対応が苦になる場合、事務職の仕事をするのは厳しい
先ほどの項目と重複しますが、他の社員との意思疎通ができれば、コミュ障でも問題なく事務職ができるとお伝えしました。
ただし、電話対応を仕事として割り切れて、電話対応がさほど苦にならない人の場合です。
電話を置いていない職場はまずないため、電話対応がない事務職はほとんどありません。
人によっては、いつ、どのような要件で電話がかかってくるか分からない状況に対して不安を感じる人もいます。
電話がかかってくるのは、いきなり強制的に会話をさせられるのと同じです。
電話対応の場合、回線の問題や周囲の騒音などにより、対面時よりも聞き取りづらい傾向があります。
つまり、お互いに対面時よりも正確に伝えること、正確に理解することが難しいのです。
まず、対面時よりも聞き取りづらい中、何を言いたいのか要領得ない相手からも必要な情報を上手く聞き出し、内容を正確に理解しなくてはなりません。
そのため、電話対応1つでも電話が苦手な人にとってはかなり気を遣います。
電話対応をすることや、電話の着信音、電話の存在が大きなストレスになる場合、事務職の仕事をするのは厳しいでしょう。
事務職のメリットとデメリット
続いて事務職のメリットとデメリットを見ていきます。
ぜひ、事務職のメリットとデメリットを踏まえて、ご自身に事務職はあっていそうか考えてみてください。
事務職のメリット
専門的な知識はそこまで求められないため、未経験でも挑戦できる
残業が少なく、休みの日が決まっていることが多く、プライベートと両立しやすい
パソコンスキルや事務処理能力が身につく
肉体的な疲労はそこまで多くない
ノルマに追われることが少ない
歳をとったり生活環境が変わったりしても続けやすい
事務職は専門的な知識はそこまで求められないため、未経験でも挑戦できます。
原則、残業が少なく、休みの日が決まっているのでプライベートと両立しやすい傾向があります。
書類の提出などの締切はあるものの、ノルマに追われることはまずありません。
職場によって異なりますが、基本的に座り作業をして動き回ることはあまりないので肉体の疲労を感じにくいです。
事務職のデメリット
周りの人に気を遣う
努力や実績が認められにくい
マルチタスクを求められる
ルーティンワークが多く、飽きてしまう可能性がある
座っている時間が長く、眠気との戦いになる
給与が低い傾向がある
一方、仕事ができていて当たり前と思われていることが多いため、頑張っても評価されにくいです。むしろミスがあると注意されることも少なくありません。減点式の評価のため、モチベーションが下がりやすいです。
マルチタスクは事務職の宿命と言っても過言ではありません。
指示をされた書類作成などをしていると、より優先順位の高い書類の処理の依頼などのタスク、電話やメール対応などのタスクが次々に重なってきます。
優先順位を意識しながら次々に仕事をこなす必要があるため、マルチタスクが不得意な人とは相性が良くないでしょう。
「自分はコミュ障だから、人と関わりたくない」と思う人に向いている仕事3選
中には、「やはり、人と極力関わりたくない」という人もいるかもしれません。
そこで人と関わる機会が少ない仕事を、それぞれの作業内容、関係する資格、メリット·デメリットを踏まえて3つ紹介します。
トラック運転手
作業員
清掃員
トラック運転手
一般的なトラック運転手というと、宅配便や長距離輸送のイメージが強いでしょう。
実際には仕事内容や所属する企業によって、4種類に分かれています。
仕事内容
長距離輸送
荷主から請け負った荷物を所定の配送先まで届ける
ルート配送
特定の荷主から特定の配送先へ荷物を届ける
宅配便
個人宅や会社・店舗などへ請け負った荷物を届ける
引越し
荷物の運び出し・搬入・設置・梱包・輸送を行う
作業員
工場作業員の仕事と、倉庫作業員の仕事内容は多少異なりますが共通点が多いです。
また、職場によって仕事内容や職場の環境が異なります。
なので、とある倉庫の仕事内容には検査や出荷作業はあるけどピッキング作業は仕事内容に含まれていない。一方で別の倉庫の仕事内容にはピッキング作業と検査があるけど、出荷作業は含まれていない場合もあります。
仕事内容
ライン作業(流れ作業)
生産、工程管理
検品
品質管理
オペレーター(機械を操作する)
組立・加工 など
ピッキング(商品を取りに行く仕事)
仕分け作業
梱包
ラベル張り
出荷作業
箱詰め作業
フォークリフト作業(※要免許) など
清掃員
清掃員の現場は清掃を専門とする会社に勤務している場合と、ホテルやレジャー施設などで清掃員として勤務している場合で異なります。
清掃を専門とする会社に勤務している場合、その会社と契約している会社を巡回しながら働くのがメインです。そのため清掃現場が頻繁に変わるのはよくあることです。
一方、ホテルやレジャー施設などで働いている場合、特定の現場で清掃を担当します。
仕事内容
担当箇所を掃除してきれいにする
物品の整理整頓やゴミ回収
まとめ
事務職は室内で黙々と作業していればよい仕事ではありません。
むしろ、人とのやり取りをしながら業務を進める仕事です。
職場が求めるコミュニケーション能力は「相手に自分の言いたいことを正確に伝える力」と「相手の話を聞き、正確に理解する力」。
この2点を踏まえたコミュニケーションが取れて、且つ電話対応ができればコミュ障の人でも事務職はできるでしょう。
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