好きなボカロ曲『ひみつのともだち』(ちゃおちぇんちあさん)感想メモ
タイトル: ひみつのともだち / 初音ミク
作者: ちゃおちぇんちあ さん
再生数: 2,597
https://www.nicovideo.jp/watch/sm42368213
イントロからいきなり「全開だぜ」って感じのピアノの音が大好き。
ものすごく軽やかで、ダカダカとステップ踏んでおどってる、それも洗練されたダンスみたいなものじゃなくって、もっと根源的な、心のおもむくままに体が動いた結果がおどりになっているようなイメージが湧いてきて「あ~やっぱピアノの音はいいっすねぇ~」って気もちになる。
調声もすごく曲に合っていて好き。
エコーがかかったような、といったらいいのか、どこか膜がかかったような声が、こどものころにはたしかにそこにあった幻想(ひみつのともだち)、という曲の世界観とうまく合っているように思う。
最後に「また出会える時まで!」とどこか晴れやかに別れを告げて、声をのばして歌いあげるところがまた最高に好き。
「ひみつのともだち」と別れるということは、大人への第一歩を踏み出しているっていうことだと思うんだけど、よくある悲劇じみた悲壮感ではなくて、この高らかな歌声から成長していくことを明るく肯定してくれているような印象を受ける。
それでいて、きっともう出会えないであろうともだちと「また出会える時」を信じているわけで、この純真さを失ってしまった、汚れっちまった大人の自分としてはまぶしくて目をほそめてしまう。
音楽の知識があればもっといろいろな表現ができるんだろうけど、知識がないために好き好き言うことしかできない。もどかしい。
ただ、聴いているときにこういういろんな「言葉にならない感情」が湧いてくるところもまた、「ひみつのともだち」がいたあの幼いころ、言葉をうまく扱えなかった、自分の感情を適切に出力できなかったころの追体験ができている、ということなのかもしれないとふと思った。
そういう大好きな曲。