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女子高生が光って見える

ボールペンの替え芯を買いに、文房具コーナーに立ち寄ったときのこと。お会計を済ませてさっさと帰ろうとしたところを、女子高生とすれ違いました。どうやらノートを吟味中の様子。わたしも文房具コーナーに長居する娘だったので、なんとなく親近感を感じてちらっと顔を見たら、信じられない美少女。冗談抜きで光って見えた。あまり見つめすぎて怖がらせてもいけないので早々に去ったのですが、もっと見ていたかったよ。

年々女子高生が好きになっていきます。まぶしい。見かけるだけでちょっとうれしい。かわいいなぁ、瑞々しいなぁ、とつい目で追っている自分に気付くたびに、女で良かったと胸をなで下ろします。男だったら、間違いなく変態のおじさんになっている。でも、おじさんたちが女子高生に惹かれる気持ちが少しわかるのです。彼女たちはとてもパワフルだから。

あの年頃特有の万能感を覚えていますか?わたしにも、少し気恥ずかしい思い出として残っています。自分には無限の可能性があって、なんだってできると信じて疑わなかった。日々、感情を全力投球していました。どう考えても厄介な自分に大人たちがやさしく接してくれたのは、自分にもあったはずのその生命力に、親しみを覚えてくれていたからかもしれないと思いました。変に大人ぶっても、まわりの大人にはすべてお見通しだったんですよね。自分は大人だと思い込んで、かっこつけて。かわいいな。そんなことを考えながら、無邪気に、それでも全力で生きる彼女たちに、心の中でエールを贈ってしまうのです。そうすることで、なんだか元気をもらえる気がする。

制服ではしゃぐ女子高生に惹かれるのは、あの頃の自分とはちがう姿だからなのかもしれません。彼女たちを見ていると、その時しか味わえない経験とか感情とか葛藤を飛び級するように達観していた自分の過去を、少しもったいなく感じます。同級生たちがいくら子どもに見えても、その場を楽しむために悪戦苦闘していたら、どうだったろう。わたしはさっさと見切って、居心地のいいコミュニティを外側に開拓していた。ツーブロックの髪を派手な色に染めて、ポスカでカバンに自己主張を書きなぐり、変な風に制服を着崩した過去の自分と並べると、黒髪すっぴんで参考書片手にはしゃぐ彼女たちが眩しいのです。

また明日。

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