本好き同士のあーだこーだ。
「パーシー・ジャクソンシリーズって知ってる?」画廊で事務作業をしていたら、唐突に社員さんに聞かれた。「いや、知らないですけど、本ですか」「児童書で、この間読んだんだけど、発達障害の子にスポットを当てていて……」彼女から聞いたあらすじはとても面白そうだった。調べたら映画化もしている。仕事が落ち着いたら読もうとAmazonでポチっと。
昔から、本を読むひとが好きだ。というより、好きな本の話をしているひとが好きだ。なんだかよく分からないけど、「この人のことをもっと知りたい」と思ってしまう。ジャンル問わず。小説を好きなひとが好きだ。何故だろう、と思っていた。
ひとしきりあらすじを話し終わった彼女に聞いた。「忙しそうなのに、意外とたくさん本読んでますよね」「そうね、本を読んでると色々と忘れて没頭できるでしょう。漫画もいいけど、行間を読みたいから本なの」ああ、そうか、そうだな。
行間を読むというのは、その人自身の解釈、その人自身の言葉で世界を生きているということだ。私は、たぶんそういう生き方自体に惹かれて仕方ないのだろう。真っ白なカンバスに自分の絵の具を塗りつけていく勇気。私は私だという存在へのこだわり。私はそういう人と互いにカンバスを見せ合ってあーだこーだ言うのが、楽しくて仕方ないのだ。本を好きなひとが好きだ。
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