生粋の猫舌なので。

実はこっそりと、「毎日書く」という最初に決めたルールを、さぼりさぼりしている。

ブログを書こうと決めて、あまり縛りすぎると続かないからと、最低限設定したルールは二つ。「毎日書く」と「断言する」だ。私はすぐに逡巡してしまうタイプで、煮え切らない。「〜かもしれない」と言いがちの人間で、しかし、そういった逃げ場を作った文章がつまらないということも承知している。だから、あえてルールとして自分に強制してみた。

3ヶ月、毎日書き続けて、なるべく「〜である」と、断言できることだけを選んで書いてきた。そして、今。私の脳内には、「〜かもしれない」という仮説ばかりで、どうも大して言い切れるものがないのだった。

つらいことがあった人に対する慰めの言葉で、「いつか笑い話になるよ」という代表的なものがある。私もなんどもその言葉を投げかけられてきて、そして事実、どれも笑い話として話せるようになった。

昔から小説を書くのが趣味なのだが、十何年書き続けて気づいたのはたった一つのことで、「渦中にいると書けない」ということだった。以前ある人に片思いをしていた時に、「恋愛話を書こう」と思ったけど、どうもつまらないものばかりが出来上がる。熱々のものを食べると、味よりもまず先に温度ばかりが気になってしまうように、熱量ばかりで書いた小説は、熱いのは伝わるけど後には何も残らない、虚しいものである。

人は、面白いものを書くとなると、どうしても過去から選別しなければならないらしい、と常々思っていた。しかし、それは少し違ったようだ。必要なのは、「笑い話にできる」くらいの距離感らしい。

明日から、新しい年度が始まる。それと同時に、私も色々と新しいことに挑戦しようとしている。

どうも、温度が熱すぎるらしい。毎日毎日、思うことは色々とあるのに、言葉にしようとすると「うgはうgふろいあいjgち;fpg」みたいな感じになってしまうのだ。諦めて、パソコンを閉じる。

仕方ない。フーフーと息を吹きかけたり、手で扇いだりしても、所詮、焼け石に水。笑える話として話せるまでは、多少沈黙してみてもいいのかもしれない。

さぼる理由です。

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