春は誤解と傲慢でできている

ここ数日、ずっと咳が止まらない。日に何度も発作がおきるから、仕事どころじゃないので病院に行った。しかし、医者曰く「喉も心臓の音も綺麗」だそうで、血液検査だけして、来週結果が出るまでにと4種類の薬をいただいた。

いただいた薬を飲んで3日ほど経つけど、思ったほど効果はない。やっぱり咳は止まらない。ただ、不思議なことに、あれだけ花粉だ花粉だと苦しんでいたくしゃみと鼻づまりの方が、嘘のように消え去った。風邪薬で治ったのだ。

何が嘘で何が本当かわからない。それが、春という季節だと思う。

昨日、つい八つ当たりをしてしまったことを悔いている。そこまで親しい関係でもなかった。ちょうど体調も機嫌も悪かったときに、悪気はないだろうが、嫌なことを言われた。

心のシャッターが閉じた音がした。ありありと顔に出ていたのだろう。結果、相手が慌てて譲歩してくれたおかげで不穏な空気は解消した。

タチが悪いのは、私はその言われたことに怒っているというポーズをとっていた、ということだ。実質何に怒っていたかといえば、コンディションが最悪なときに追い討ちをかけられたというタイミングの悪さ。本質ではなく、相対的なもの。普段だったらテキトーに聞き流していただろうに。

こういう、貧相な感性とはもうオサラバしたい。

咳は止まらないし、どうオサラバすればいいのかもわからない。何が嘘で何が本当かもわからない。鼻づまりばかりが治って、生きづらさはまだ健在なのだ。春という季節は、全てをぼんやりとさせるから好きじゃない。

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