大丈夫だよ、と心をもみほぐす存在

コラムを連載させていただくことになった。テレビを見ていて思ったことや感じたことを、私の視点と言葉で書かせていただく機会を得たのだ。ありがたいことである。

【コラム】「ももいろクローバーZ」マネージャー、川上アキラ氏に学ぶ”編集者の姿”

同番組内、川上氏が「”できない”という言葉で入らせたくないんです」という旨を言った。

何を話しても、否定で入る人間というのはいる。「でも……」「そうは言うけどさ……」「そうじゃなくて……」これって、確固たる強い意見があるように見えて、実は脆弱な価値観しかないという現れでもある。つまりは、相手の思想、生き方を飲み込む喉の力もない。異質なものを受け入れられずに吐き出してしまう。

何も相手の意見を鵜呑みにしなければならないというわけではない。

「できるかもしれない」「正しいかもしれない」「そういう考え方もできるかもしれない」

世界を好意的に、肯定的に、その可能性をもってみることができれば、途端に生きやすいものになるのではないだろうか。しかし、それは、そういう外部の意見を飲み込んでも染まりきってしまわない強さが必要で、一人でその境地に行くというのは、ずいぶんと酷なことなのかもしれない、とも思う。

編集者とはあくまで便宜的な呼称であって、私はあらゆる人は、こういった「でも……」と否定ではいる、頭カチコチな自分を溶かしてくれる存在が必要だと思うのだ。友人でも恋人でも家族でも、もちろん人ではなくて、書籍やアート作品でも。硬く小さく縮こまっていく脳を揉みほぐしてくれる存在が必要だし、そんな存在であれたら良い。

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