タンデンっていう響きだけですでに気持ちいい

この間、お手伝いをしているフリーの編集者さんが言った言葉。
「本当に忙しい。息が浅くなる感じ」
…さすが、なんと的確な。忙しいときって、確かに呼吸が浅くなる。脳に酸素がいかなくて、目が冴えてるのにぼんやりとしてくる変な感じ。

おかしいなあ、つい2週間くらい前は、「仕事…ない…？」なんて不安になって半泣きだったように思うけど、気がついたら「仕事…終わらない…？」なんて半泣きになっている。ありがたいことだが、気がつくと吸う息が肺まで届いていないような気がして、苦しい。

「丹田呼吸法」というのがある。ヘソの下あたりに丹田という自律神経に効くツボがあり、そこを凹ませるように深ーく息を吐ききる。そしてお腹いっぱいに息を吸う。酸素が手足の指先まで行き渡るような感覚。気持ちがいい。1人でアワアワしそうな時はいつもこうして心を落ち着かせる。

最近呼吸が浅いなあと思って、ヘソのあたりに手を当てながら深呼吸。ゆっくりと腹を膨らましながら、今しなければならない仕事をひとつひとつ思い出す。あれ、そこまで負担じゃないなあ。思うに、私はどこか別のところに意識がいっていた。人からの評価とか叱責とか自惚れとか、魂がフワフワとさ迷っていて、自分の呼吸まで気が向いていなかったのだ。

なんとなく、私の場合は、呼吸が浅いから忙しなくなっていたようで。解決方法は腹式呼吸。すうはあすうはあしてたら、ぼんやりしていた視界はクリアに。自分で自分の首をしめるとはこのことか。嘘のように呼吸が楽だ。