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いろいろな声のかたち

日向ぼっこをしていると、いろいろな声が聴こえてくる

片方の耳をこっそり向けて

僕はその声を聴いていた

優しい

優しい声だった

僕はその声がどんなかたちをしているのかが気になって、ゆっくりと顔を向けた

太陽のように眩しい人だった

僕は眩しくて眼を細めた

僕とは世界の違う人

そんな印象なのに、何故か眼が離せなかった

だけど、僕は声をかけない

気にならないフリをする

相手にされなかったら悲しいから

優しい声の人の周りには、たくさんの人が集まっている

優しい声の人は、たくさんの人の真ん中で、太陽のようにあたたかく微笑んでいる

周りを囲む人たちは

いろんな声のかたちををしている

ふわふわしたり

トゲトゲしたり

キラキラしたり

僕はそんな声のかたちをを聴きながら

気にならないフリをして近づこうかどうか迷っていた

しばらくは、あたたかく優しい声のかたちをを感じながら、少し離れて様子をうかがうことにした

近づいても大丈夫かどうか、ゆっくり考えながら

それにしてもあたたかくて優しい声はなんて安らぐんだろう

住む世界の違う人なのに

なんでこんなに気になるんだろう

不安はひとまずおいておいて

だだこの心地良さに疲れた心を休めよう

ゆっくりとまぶたを閉じて


最後まで読んでくれてありがとう


名前のない猫(仮)

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