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Don't Look Upで、"ガチョウの丸焼きが大切な私"を発見したのだ

ナナシノユキサンはSF系が苦手なのだが

それは、若き日に目指した映画オタクをもう一度、と思いたって、NetflixのホラーとSF系以外ほぼすべての作品をマイリストに登録してしまったほど、SF系は苦手なのだが。ただただ興味がないのだが。

今夜は一緒に何か見よーっと、と自分の中で勝手に予定していた日の夜に、相方が、Don't Look Upをスタートしたものだから、「うーむ、カテゴリにSFとあるが、なんか映像よさそうだし、出てる人よさそうだし見てみるか。わからなそうだったら、途中退散しよう」と思って見始めたのだ。

面白かったー。Don't Look Up。面白かったー!

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映画そのものも面白かったのだ。あの、話の通じない感じとか。あるよねー。「うわぁーーー!」と頭がおかしくなって全身に蕁麻疹でてくるんじゃないかと思うほど相手に話が通じないあの感じ。

でも、面白かったのは、図らずも、自分がわかってしまったのが面白かったのだ。

最初に地球が破壊されるらしいと聞いた瞬間に、自分の中に興奮に近い安堵の感覚を覚えたのをナナシノユキサンは見逃さなかった。

そして、こんな風に最後を迎えるんだったら、その時にどうしていたいか、というのもはっきりとわかって、つまり自分にとって一番大事なもの、がはっきりと分かった

その時を迎える彼らを見ていて、ちょっと、ちょっと、そんなに話してたら、せっかく美味しそうなお料理を食べる前に迎えることになるわよ、の焦りが、見ているナナシノユキサンの中に大きくあって、自分なら、こんな風にその時を迎えるならば、おいしーいガチョウのお肉を口いっぱいにほおばっていたい、と強く思った(クリスマスの夜に、おいしーいガチョウの丸焼きを食べた後に観たせいだと思う)。そして、世界一愛している黒猫息子のオモチ・フィットチーネくんを大事に大事に、嫌がって暴れたとしても絶対に手放さないように強く抱きながら迎えるのだ。一番大事なものがこのふたつ。その中に相方が入っていなかったのだが、オモチ・フィットチーネくんを抱くナナシノユキサンを、温かく強く包み込んでくれていたら尚良し、と思った。ということで、良しとしましょう。

引っかかるのは、やはり最初の方で感じた、安堵の方であって。

ナナシノユキサン、元々、「いつか終わると思わなかったら、こわくて生きてなんていられないよ」と感じているタイプではあったのだけど、地球があと6か月で終わると聞いて、こんな安堵を感じてしまうほど、生きていくことにプレッシャーを感じていたとは、少し驚いた。何にそんなプレッシャーを感じているのだろう、と、も少し思案してみた。

ここまでくると、映画の感想でもなんでもなくて(元々違うが)、ただただ自分探索語りなのだが、結果、ナナシノユキサンは、例えば、社会を"上の方"と"下の方"に分けることができるとして、"下の方から上の方の人々の悪口を言っている下の方の人"になることを強烈に恐れている人、らしいということが分かった。

鬱でも、絶望しているわけでもないのだが、恵まれた環境に育ったくせに、その環境の普通に染まらずに「自由に生きるのが魅力的でしょ?」とふらふらブラブラ生きてきてしまったナナシノユキサンにとって、その環境をキープするのは、ほぼほぼ無理ゲーというやつで、しかも皮肉なことに、その環境の枠の中でちゃんと生きてきた友を見上げては、自分の今と勝手に比較して、バレませんようにと冷や冷やして、決定的に落ちてしまう前になんとか逃げ切りたい、という考えがなんとなく常にあるのだ(つまり、まだ"下の方"にいることを認める覚悟ができていないわけだが)。なんか脚が痛いな、とか、このところ体重が落ちるな、とかある度に、もしやこりゃ逃げ切れるサインか!?と密かに興奮するも、逃げ切ったとしても、ナナシノユキサンの少し早めの終わりを悲しんでくれる友たちに、実はこんな状況だったのね、がばれて、可哀そうに、と思われてしまったらなぁ、とここでまた冷や冷やする。そんなナナシノユキサンとしては、地球が一気に、みんな一緒に破滅する!っていうのは、もうなんとも安堵してしまうわけである。喜んでごめんなさい、みなさん。

ちなみに、興奮に近い安堵だったんだけれど、なんで興奮だったかって言うと、6か月で確実に世界が終わりだったら、そりゃあもう、その6か月どんなにやりたい放題して過ごそうかしら、っていう興奮ですよね、単純に。


と、なんの期待もせずにDon't Look Up観ただけだったのに、自分の一番大切なモノと、どす暗いところ発見してしまった、というお話でした。もう少しがんばって明るめに生きていこーっと。

あら、ひとつ目の投稿だというのに、なんだか重苦しさが混じった文になってしまった。ところどころでお察しの通り、頭は少し軽めにできているので、楽しく続けていきたいなと思っております。はい。




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