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読書「ビック4」を読みました

アガサ・クリスティーの〈名探偵ポワロ〉シリーズ(早川書房)
久しぶりにロンドンに戻ってきたヘイスティングはポワロと再会し、謎の組織「ビック4」と対峙する

TV版(吹替え)では、犯人の妄想というお茶を濁したような結末になっていた記憶があるのだが、原作の方はがっつり世界を支配しようとする謎の組織との勝負が繰り広げられるので驚いた。
ロンドンや英国の片田舎だけでなく、イタリアやベルギーなども舞台になっていて、お馴染みのスコットランド・ヤードだけでなく政府の高官や海軍の駆逐艦まで登場する。
ポワロが密かに思いを寄せる伯爵夫人も登場し、さらにはポワロの双子の弟まで出て来て、登場人物も華やかだ。
殺人事件のミステリというよりも国際問題を扱った大がかりなスパイ物という感じで、比較的短いと思われる作品の中に、ぎゅぎゅっと多くのものが詰まっている印象を受けた。
以前、アガサ本人と作品の関係をテーマにした創作ドラマ「アガサ」で、米の情報機関エージェントに機密入手の疑いをかけられるエピソードがあったが、こういう話を書いていたら、それもありそうな話だなと思えた。