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映画「ロスト・キング」を観て来ました

英国王リチャードⅢ世の遺骨を探した女性の実話

副題に「500年越しの運命」とあるが、主人公のフリッパは500年間行方不明だった王の遺骨を発見しようと考え、その過程で、伝承されていた人物像も実は違うのではないかと疑問を抱き始める。

人生と生活に疲れ果ていた主人公が、遺骨探しに没頭して行く間に、どんどん変化して、途中、まるで夢を追いかける少年に見えるところが凄かった。
遺骨を探したい目的が、名誉やお金の為で無く(むしろ持ち出しやクラウドファンディング)遺骨を見つけてただ純粋に王に相応しい埋葬をしてあげたいというのもいい。
残虐な性格と伝えられていたリチャードⅢ世が、けっこうお茶目な性格に描かれているのもいい。
さらに、白い馬に乗って走るリチャードⅢ世がすごく格好よかった。
王が、俳優さんの役で出てくるシーン、威厳のある王とは違って普通の人に見えるのもすごいし、エピソードの処理としても上手いなと思った。
(王役の俳優さんは、ディケンズの5世代後の子孫だそう)
メインの遺骨探しの謎解きも、背筋がゾクゾクする。
遺骨探しに没頭していく中、しがみついた物を手放し、新しい人たちと出会い、家族との関係も変化し、闘うべきときには闘い、自分を信じたフリッパの姿がさりげなく描かれていくのもよかった。
最後にフリッパが人間として成熟した、とてもきれいな人に見えた。

何かを実現するのは大変な事だが、あきらめないということと、今現在伝えられていることが本当のことなのか実際にはわからないというのも心に残った。