映画「SISUシス 不死身の男」を観て来ました
第二次世界大戦の末期のフィンランドで黄金を見つけた主人公が、侵攻してきたナチスとの死闘を繰り広げるマッドエンターテイメント
普通は見ないジャンルでためらっていたのだが、フィンランドの映画というのとワンコの可愛さに惹かれて観に行った。
フィンランドと言えば思い浮かぶのは、森・トナカイ・サウナ・ニシンにかもめ食堂のシナモンロール・ムーミン・マリメッコというところだろうか。
でも、この映画にはどれも出てこない。
見渡す限り続く大地と、シスという翻訳できないフィンランド語で表現される不死身の主人公とナチスと犬、そして強い女達。
でも、ある意味、これもフィンランドなんだろうなと思った。
以前、トーベ・ヤンソンさんが、スウェーデン系フィンランド人で、ムーミンはフィンランド語ではなくスウェーデン語で書かれているというのに驚いたことがある。
それを知ったとき、可愛いキャラや派手な色合いの花柄の裏に、さまざまな歴史があるのだろうなと思った。
映画でも、主人公が特殊部隊の隊員だったという少しずるい設定はあるにしても、その肉体と精神の力強さは、あながち嘘ではないように感じられる。
ともかく、大地も広いけれど、人も馬もデカい。
そして、イッヌもデカい。
予告編で観たときは小さく見えたのだけれど、思った以上にワンコが大きかったのが衝撃だった。(でも可愛い)
そして、ナチスのやさぐれっぷりがなかなか凄い。
インディ・ジョーンズに出てくるような、ぱりっと軍服を着こなしたきりっとしたイメージはどこにもない。
戦車も幌のついたトラックもお約束のようなサイドカー付きのバイクも出てくるけれど、今まで観たことがないようなくたびれた感じだった。
まあ、随分遠くまで侵攻してきたのだから、そんなものかもしれない。
確かにバイオレンスもので、血や肉の塊が空を飛ぶシーンも多いが、観た後の印象も良く、むしろ爽快感すら感じられた。
思い切って観に行ってよかったと思える作品だった。
「ロスト・キング」に続いて、これも生きることを諦めない主人公の話だった。
ちなみに犬(ウッコ)は、監督のワンコだったもよう。