日記
病院の採血室で、息が苦しくて泣いてしまった。
「どうしたんですか」って聞かれたから、「注射が怖いんです」って答えた。看護師さんは優しい顔で「これから採血が必要な時は、予め先生と相談して体調が大丈夫な時にしましょうか」って言ってくれたけど、本当は注射が怖いんじゃなくて、全部が怖いんです。
毎月毎月熱を出して頭がぐるぐるすることも、寝ているうちに身体が衰えて若い時間が失われていくことも、みんながキラキラ前に進んでいるのに嫉妬することも、連絡を返せなくて約束もできなくて信頼も大切な友達も失ってしまうことも、なくなっていくお金も、頭の後ろから冷たい声が聞こえてくることも、一歩踏み出してしまいそうなことも、全部、全部が怖いんです。
この世界に楽しいことも幸せなことも美味しい食べ物も美しい音楽もたくさんあるはずなのに、私だけ痛みの中に閉じ込められていることが怖いんです。
私は、いつもどんなに苦しくても「未来は必ず良くなるはず」って希望を持ち続けていた。その希望だけで生き延びてきた。どんな状態でだって必ず希望を書けた。でも今は何も書けない。ただすべてが怖い。怖くて怖くてたまらない。
先生、私のこと助けてくれますか。暖かい日差しの中で、また安心して笑い合える日は来ますか。
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