補聴器が聞こえない理由

前回は難聴の障害受容について書きましたが、
今回は、補聴器について思っていることを書きました。

結論

補聴器は聞こえないといわれる理由は、
補聴器さえすれば昔のように完璧に聞こえると思っているから。

補聴器は道具なので、聴こえているふりの癖や気配を感じ取るなど
聴こえにリンクする能力は低いままで、今でも困っています。

それでも聞こえる幅が広がり、補聴器を使うようになって
よかったと思っています。


補聴器が聞こえないと言われてしまう理由

「補聴器、聴こえないんだよね」

よく耳にする言葉です。
なぜ聞こえないといわれてしまうのかと言えば、

補聴器に機能を求めすぎているからです。

補聴器をつければ、「以前の様に聞こえるようになる」
という幻想を持っているからです。

低下した聴力をある程度も底上げしているので、
聞こえる音は増えます。

でも、聞きたい音だけではなく、雑音、物を落とした音、
あらゆる音が大きくなります。(多少は機能で制御されますが)

外を歩いている時に聞こえる車の音は雑音ですが、
この音を消した時、屋外を歩く際に危険を察知できなくなります。

雑音にも必要な音もあるんです。

そして、
健常な人の聞こえは、脳の中で必要な音を取捨選択しているので
補聴器を使っているときは補聴器で補った音を、
自分の脳で処理する必要があります。
今までやってきた処理では追いつかなくなっているので
雑音が耳障りに聞こえます。



補聴器の聞こえ方

補聴器の聞こえ方を説明するときに、

「ラジオ番組の波長をわざと数Hzずらして、音量をあげて聞く感じ」

と伝えています。

聞こえにくいからといって音量をあげても、うまく聞こえません。
雑音(ノイズ)が邪魔ですよね。
ちょっとこのイラッとした感じが「聴こえない」ではないかと
私は思っています。


補聴器で聞こえるようになるには

私が思う2種類の方法ですが

①何度も調整する(コミュニケーションが相当大事です)
②自分にあったメーカーを選ぶ
③丁寧な対応の補聴器屋さんか
④ある程度は妥協する

①何度も調整する
  補聴器屋さんで、どういう環境で、どんな音が聞こえない。
  どういう状況で、どうしたいか。
  何度も何度も、納得できるまで調整してもらう必要があります。

②自分にあったメーカーを選ぶ 
  メーカーによっていろいろ特徴があります。
  雑音を抑制して静かな方がいいか、しっかり聞こえる方がいいか、
  集音機能が良いか、どこがマイクになっているか?

  色々な特徴がありますので、面倒でも視聴は大事だと思います。
  2週間ほどのレンタル無料なところが多いので、
  試した方がいいと思います。 

③丁寧な対応の補聴器屋さんか
  今まで色々なところで試してきましたが、本当に対応は色々です(汗)
  街の眼鏡屋さんは安い機器を扱っていなかったり、
  メーカーが偏っていることが多いです。

そして、
希望を無視して高い機械をレンタルさせられたことがあります( ;∀;))

  補聴器を買う時は、耳鼻科から紹介してもらうと、
  あまり悪い対応ができないから、おススメと聞きました。

  希望を言って、妥当な提案をしてもらえるか、
  嫌だったらお店を変えるのは自由なので、
  気に入ったお店で購入されてください。
  (修理や調整など長い付き合いになるので)  

  これから買われる方、参考に(笑

④ある程度は妥協する
  補聴器は完璧ではないので、ある程度は妥協して、
  ここでいいかという所で機械を決めてください。

  完璧に聞こえる補聴器はないので。  


補聴器メーカーの特徴(個人的な感想)

SIMENS(シーメンス)
雑音抑制強めで、柔らかく聞こえます。高齢者におススメ

WIDEX(ワイデックス)
 雑音を含めよく聞こえます。若い人におススメ

GNResound(リサウンド)
聞き取りは中間くらい。スマートフォンで調整できるシステム
があるので、細かく調整したい人にはいいかも。

PHONAK(フォナック)
雑音を含めよく聞こえます。若い人におススメ

Oticon(オーティコン)
雑音抑制強め。柔らかく聞こえます。高齢者におススメ

番外編(笑)
コストコのカークランドシグネチャー
バージョンによって、中を作っているメーカーが違うので、
どちらとも取れないです。そこそこいい機能で、
両耳16万円位なので比較的良心的な価格です。

これまでいくつかのメーカーを使ったり、試聴してきましたが
私が使っているのはフォナックです。

最初に使ったら、雑音強めでないと物足りない感じがして
買い替えの際に色々なメーカーを視聴はしますが、
最終的に同じメーカーに収まってしまう感じです(^^;



補聴器の選び方

他のサイトでも補聴器の選び方が載っていましたが

「予算」「使い方・機能」「形」

が選択の際の要点だと思います。

①「予算」
大事です。私は出せて25万円が限界です。
5年程経てば、買い替えが視野に入ってくるので、
(福祉用具としても買い替えは5年経過後です)
5年で買い替えるとして、いくら出せますか?

②「使い方・機能」
どこで使いますか?室内?屋外で活動しますか?
どんな場面ですか?会議?工事現場?

マイクの指向性や、雑音抑制、静音機能など
補聴器の機能がどの程度必要ですか?(予算とリンクします)

③形
耳かけ式ですか?耳穴式ですか?

耳穴式は、目立たない。
本当に、目立ちません。気になる人にはいいと思います。
あとは耳の形に合わせて作るので、形が合わないことはないです。
(予算の都合で使ったことがないので、この位しかわかりません)

耳かけ式は、案外目立ちませんでした。
カラフルなものを使えば別ですが、
ベージュの私は気付かれたことがほぼないです(笑)

耳かけ式の場合、耳栓で密閉感を選べるので自由度が高く、
耳の中を密閉するのが苦手な人は調整しやすいです。

私はWIDEXは好きなのですが、
予算の都合でPHONAKをセレクトしていることが多いです。

最初に使った補聴器の使用感が、その先の補聴器のセレクトに
大きくかかわってくるので、一番最初は慎重にセレクトしてほしい
と思います。

本当に、個人的意見ですが、
子供の場合は雑音もしっかり入る方が、
周囲の環境から得られる情報が増えるので良いのではないかと
思っています。

今になって思えば、集音器でもいいから、
子供の頃に使えていたら、気配などに敏感になれていたのではないかと
少し思っています。(多分つけなかったと思いますけど(^^;)


補聴器では補えないこと

今でも時々指摘されてしまうことがあるのですが、

聴こえているふりしてしまう事(自分では聞こえているつもりなんです)

今でも無意識にやっている事が良くあります。
聴こえているつもりなので難しいのですが気を付けています。

そして、

気配を読むこと。

普通は人の気配だったりとかを感じることができるみたいです。
これ、私にはまったく出来ません(^^;

どこかで読みましたが、
難聴のプロ野球選手の山田遥楓選手は気配を感じるために、
相当練習されたそうです。

私は最近になってこの気配を読む必要を感じ、
練習してますが、全くもってできる感じがしないです。
山田選手、尊敬します。

まとめ

ここまで、補聴器についていろいろ書きましたが、
補聴器だけではすべてが解決するわけではなく、
補聴器は道具だと知っていただけると嬉しいです。



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