今日、空を見上げたくなるわけ。

余命一ヶ月との宣告を受けてから数日後。

ママからまた連絡が来た。


じいちゃんが個室に移ったって。




その翌日には、

「今日か明日だって。会いたい人は呼んでって言われたらしい。」

と。


月曜日と火曜日、携帯電話の通知が鳴るたびにビクビクしていた。


待ちたくもない連絡を待っているようで、すごく気分が悪かった。




今日か明日と言われたどちらの日にも何の連絡もない。


今日か明日と言われた、その翌日。


じいちゃんは、天国へ旅立ちました。



じいちゃん、頑張ったね。お疲れさま。ゆっくり休んでね。

ありがとう。




じいちゃんはしあわせだと思う。

入院する前の日には、ママとママの妹、わたしの妹たちといとこ、そしてその子ども…つまりじいちゃんにとって娘、孫、ひ孫たちが、じいちゃんの家に大集合した。


みんな笑顔のその写真からは、じいちゃんがその数日後に天国へ行くだなんて想像出来ないほどにに幸せそうなんだ。


だからね、じいちゃんはきっと幸せなんだよ。




ママから、いつも急にかけてこない電話がかかってきたとき、わたしは一瞬で覚悟を決めたと同時にママを心配した。



ママはハッキリとした口調で「じいちゃんが今日、お亡くなりになりました」と述べた。



「それとね、今日ちい(4日前に第二子を出産した妹)が退院して帰ってきたよ。」って。



ああ…命って、こうやって受け継いでいくんだなぁ…なんて思った。


そう思って現実納得させる感じ。

じいちゃんの旅立ち。新たな生命の誕生。


じいちゃんと赤ちゃんは、4日間同じ世界を生きた。


この4日間できっとじいちゃんは赤ちゃんにたくさんの思いを託したんじゃないかなと思う。



そして、ママから電話を受取った甥っ子が言う。


「じいちゃん、ねんねしてた。」

「じいちゃんに、チョコビあげたよ。」


二歳になる甥っ子は、最後に「また遊ぼうね」と久しぶりに声を聞いたわたしに言った。


ママはすぐにじいちゃんの家に向かうからってことで、電話は短く終わった。



そうか…じいちゃん、天国へ旅立って行ったのか…。



先月にはパートナーのおじいちゃんが天国へ旅立った。

そして今日はわたしのおじいちゃん。


わたしたちの年齢はそういうことと向き合う時期だね。と言いながら、

ドイツ語しか話せないおじいちゃんと日本語しか話せないおじいちゃんが、天国でわたしたちのことを見守りながら宴でもしてくれていたら良いね。

と話した。



じいちゃん、ありがとう。

ゆっくり休んでね。

わたし、今までよりもっと、空を見上げるからね。



with LOVE, nana

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