哀しいめぐりあわせ 『ハツカネズミと人間』
ジョン・スタインベックの作品の中でも一際短い、わずか150ページほどの作品です。初スタインベック。これなら読めるだろうと手に取りました。
初めはいかにも"翻訳"されている文章に硬さを感じましたが、次第に登場人物それぞれの人柄や顔形が浮かび上がってきて、愛着が湧いてきます。
小柄で鋭く口は悪いけれど面倒見の良いジョージ。純粋なのだけど頭の回転のひどく悪い大男のラリー。昔のアメリカ映画に出てきそうな短気でガサツなカーリー。片腕の老人キャンディと老犬。馬に蹴られたせいで背中の曲