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12.ぶっちゃけ、展示制作費ってどのくらいお金がいるの?

バナー画像は2010年撮影の解離性ミチコさん。

みんな気になる、けど聞くこともできない展示予算。お金をかけた方が偉い、ということもないのはわかっているけれど、撮影にも機材にも出費がかさむ制作活動。情報は多いにこしたことはないですよね。

私の場合は、1回の展示あたり20万円~25万円(会場費除く)で制作するようにしていて、これにはプリント代、インク代、マット代、額代、搬入出交通費が含まれています。

以前出展していたポートレート専科という合同写真展は壁面が150cm前後なのに対して今回は3000cm。展示面積は20倍ですが、予算は一緒です 笑

予算があれば額に投資したりいろんな紙を試し、そうでないときは紙のグレードを少し下げるなどして調整してきました。

こちら、5年前のポートレート専科用にプリントと額装をアフロアトリエさんにお願いしたときの内容です。ざっくり24万円で、一瞬高めと思うかもしれませんが、フルオーダーであることを考えたらむしろ安いかな、と。

担当者さんがすばらしい職人肌の方で、何度も打合せに付き合ってくださったおかげで、期待以上の出来になりました。
この時制作した額は、今も展示のたびにメイン作品用として活用しています。

そして、今回の「女装の自由宣言」現時点での制作費はこちらです。
展示作品はA室、B室併せて150点くらいで13万円。

展示点数が多くなるので、手持ちのマットや額をフル活用して足りないものを発注したり、紙を最高級のものからグレードを下げるなどして、バランスをとるようにしていました。

今振り返ると、もっと大判印刷を増やしてもよかったですね。大判印刷はマット代とあわせるとだいたい12000円~15000円/点。ちょっとひるんだのが数字に出てます。

表に出ていない分としては、アシスタントさんへの作業料があります。お手伝いなしでは無理です無理無理!本当に感謝しています。

そんなこんなで、これからかかる運搬費用やアシスタントさん報酬を入れると、20万円ちょっとかな、という感じです。

私は普段の作品撮りは多くなく、展示があるから撮るぞー!とエンジンがかかるタイプ。ここ数年ずっと1年に1回くらい展示をしているのですが、インプット/アウトプットを集中して行うことで、それまでの活動を振り返り未来に向けて何を手掛けていくか、と考える機会を持てて、とてもいい投資だと思っています。

それに、自分が何をしているのか自分はわかるけれど、人からは見えにくいものなので、展示を作ることで「わたしはこういう人間ですよ!」と伝えていくのはとても大切なことだな、って。SNSで随時作品を公開するのは今の時代欠かせないけれど、展示も大事にしていきたいです。

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