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日常に着地するまでの2週間で考えたことー個展を終えてー

展示が5月24日に終了しました。今は6月8日。ゆうに2週間が経とうとしています。まずは感謝と安堵感に身を浸し、そのあとはひたすらに自省を重ねる日々でした。

楽しかったです!ありがとう!またがんばります!という気持ちもありつつ、今回はじったりと自分のために反省を連ねていこうと思います。

会期中はたくさんの知人にお越しいただくことができてとても嬉しかったです。直接お会いした方から感想をいただいた他にも、コメントノートの方でも、自分が伝えたかったことが届いたと実感できるコメントがいくつもあり、目的の1つは達成させた手応えがありました。

反省としては、ここ4、5年はひたすらにタレントマネジメントに注力していて、自分自身のブランディングや作品のプロモーションをほとんど行えていなかったこと。海外行脚したりイベント主催したりと常日頃から動いている感じを見せていくことはできていたものの、結局自分がなんの人か伝えられていなかったように思います。

来場に結びつくのは昔からの知り合いか、女装界隈にアンテナの高い人か、当事者の方々、そして画廊自体のファンの方々に限られ、画廊が期待したほどの新規集客をできたかは疑問が残るところだと感じています。画廊側は女装文化を取り上げること自体に意義を見出してくれてはいますが、商業ベースである以上、ある程度は数字で報いたかったな。

モデルの方々は持てる力と時間を投げ打って作品にあたってくれて、本当にありがたくて。そこで自分にもっと力があれば、皆が次の活動につなげるためのもっと大きいチャンスにしてあげられたかな、としばらくの間自らを苛んでいて、その気持ちにを落ち着かせるのに、ゆうに2週間かかってしまいました。本当はなんでも自分が背負うことはないとどこかでわかってはいても、自分の手幅よりも多く抱えようとするのはよろしくない癖ですね。

作品を通じて女装における過去と現在をつなぐことはできたけれど、未来を紡ぐこと、つまり自分が写真を通じて<次に>やりたいことがまだ見いだせていなかった以上、先に向けたアプローチもとりにくかったと後で気づきました。やはりこれが今の私の限界だったのでしょう。


自分で思っていたよりも自分がずっと欲張りだった、ということに気づけたのは良かったと思います。

あとは、個人的な問題として「あまり知らない人に届けたくない」という矛盾したものが根っこにありました。悪意のある人に嫌がらせをされたり、曲解したがる人に心ない言葉を投げつけられる経験が私にそうさせていたのだと思います。足を引っ張る人は無視すればいい、というけれど、その対処コストって結構私には重たくて、そうなるくらいなら知られなくていい、とどこかで思っていました。気づいてみると、そんな人のせいで自分のやりたいことをセーブするのは全く筋が悪いので、ここは直していきたいです。

頑張るのは好き。表現することも好き。働くのも好き。
熱中できる何か好きなことに出会えるように、また気持ちを新たに歩みを進めていきます。
大きな流れを一つ終えて、次に自分がどこに向かうのかまだまだ模索中ですが、見つかったらものすごい勢いで突き進むのが私。それまではじっくりと内面に向き合い、力をためておこうと思っています。

最後になりますが、展示に際して皆様にお力添えいただき、見守っていただき、本当にありがとうございました。おかげさまで、盛況に会期を無事に終えることができました。いただいたお気持ちを糧に、これからも一歩一歩、歩みを進めてまいります。これからもどうぞよろしくお願いいたします。

2019年6月8日 立花奈央子 拝

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