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「耕作放棄地」から耕地に変わっていく土の変化。ほんの一部の一部を紹介。最終的には耕地生態系の極相を目指す。土壌奥の頑固な「かちこち」の破壊は根野菜に任せよう。

かちこちで支柱がまったく刺さらない、支柱が立たない状態だった土。
表面はカラカラに乾いてひび割れているのに、奥のほうは過湿。発芽した双葉も酸欠になる土からスタート。

緑肥ソルゴーがメヒシバ、オヒシバよりも小さい丈で生長を止め、あっという間に黄色くなって枯れた土です。

「栽培(播種や苗の定植)しよう」と思うとダメな土、難しい土、そのような状態でしたが、播種後すぐにとう立ちしたダイコンをそのままにして、こぼれた種が勝手に育ち、そこから土が変わっていく様子で、さまざまなヒントを得ることができました。

農学博士の木嶋利男先生から、耕作放棄地再生直後におすすめと教えてもらったのが、ダイコン・ニンジン・サツマイモです。ほかにもマメを教わりましたが、わたしの担当農園の場合、マメはダメでした。マメは土との相性がめちゃくちゃあると個人的に思っています。この件はもう少し観察を続けます。

👆最近のこぼれ種の抽苔は日長ですが。(6/16撮影)

👇去年の冬撮影。まだ雑草もまともに出ない区画(アレチノギク、ヒメムカシヨモギ系だけ出る区画)に根をおろしたこぼれ種の亀戸大根。(去年の11月頃撮影)

根野菜、ダイコンが土を耕してくれるたびに、土が変わっていきます。

👆こぼれ種で育ったニンジン。ダイコンと同じ区画です。撮影も同時期。

なかなかいらっしゃれない利用者さん(無施肥、自然栽培志向)のための代理作業&区画の進化について報告のかわりにわたしも一緒に観察させてもらっています。


こぼれ種のダイコンが土に落ちて刺さり、鞘のなかで水分(雨)を含んで発芽し、根を下ろし、かたい土を耕してきました。
ダイコン(ニンジンもそうなのですが、いまのところの体感、経験則ではダイコンのほうが根張りが強い印象を持っています。今後も観察します。)


👆別の区画の利用者さんが収穫した直後に撮影させてもらったこぼれ種ニンジン。(去年の秋撮影)

盛大に種がこぼれたため、時季をずらして発芽&生育して、結果、ほぼ一年間ずっと収穫できていました。

耕作放棄地から開園半年程度でようやく育つようになった作物がこぼれ種ダイコン、こぼれ種ニンジンなど。

土を変えるために使った資材は雑草です。あとは生ゴミたい肥、米ぬかなどでテコ入れ。メインはやはり雑草を生やすこと、残す雑草を選別すること、土のなかに雑草の根を残すこと、雑草をたい肥にすることです。

👆利用者さんがわたしにもニンジンを分けてくださったのですが、美味しかったです。

そして現在。あまり改良が進んでいない利用者さんの区画(たい肥も入れていない。)も、こぼれ種が徐々に変えています。

雑草や野菜の葉が朽ちて、土のなかに根が残り、分解者たちが自然と集まってきて分解されという。