ウィル・スミスの件を外国人夫に聞いてみた

クリス・ロックがウィル・スミスの妻のジェイダさんの脱毛症の髪型をジョークにしてウィル・スミスが壇上に上がって平手打ちをした件、日本と海外で評価が真逆で驚いたので、なんで真逆になってるのか私なりに考察して書いてみます。

私が最初このニュースを見たのはTwitter、衝撃的なビンタしてる写真とともに、妻を侮辱されたウィル・スミスがコメディアンに平手打ち!みたいなタイトルだったと思う。
私も最初見た時は、妻を侮辱されて許さないウィル・スミスかっこいい!言葉の暴力反対!!って思った。日本だとこんな風に妻のことをかばってくれる夫ってあんまりいないよねーって。

でも帰ってきた夫にこの話題を振ったら「どんな理由であれ暴力はダメだよ。下手な冗談と暴力だったら暴力の方が悪いに決まってる」っていう答え。
まぁ暴力はダメだけど、あんな風にかばってもらったら嬉しいけどなーって話してこの時はおしまい。

その後ネットを見てたら日本はウィル・スミス礼賛、やっぱり暴力も時には必要、クリス・ロックはなぜ謝罪をしないのか。っていう意見一色に。
でも謝罪したのはウィル・スミスで、日本だと称賛されてる彼の行動を彼は恥じて謝罪してる。
アメリカだと彼の謝罪は当然って感じで日本との温度差に疑問が湧いた。

その夜夫とまた話してみた。
「日本だとクリス・ロックは謝るべきだって風潮が強いし、日本で同じことが起きたら謹慎とかになると思うんだけど、クリス・ロックは謝罪しないの?」
って聞いてみたら夫は
「クリスがなんて言ったかちゃんと見た?クリスはウィル・スミスの妻の髪型見て『GI ジェーン2楽しみにしてるよ』って言った。まぁジョークとして出来はよくなかったけど、ウィル・スミスも笑ってたし殴られるほど悪いジョークじゃない。クリス自身、ジェイダが病気のせいであの髪型にしてるっていうのは知らなかったって言ってる。それにジェイダは年下の男と浮気したりしてあんまりイメージも良くないし、後から自分で抗議することもできる。ウィル・スミスなんて後からいくらでも抗議する機会がある。アカデミー賞は家族で見るショーなのにブチ切れて殴るなんて本当に恥ずべきことだし、今後何かあったら殴ってもいいんだって悪い見本を示すことになる」
って言われた。

なるほどねー。
笑いたくなくても笑わなきゃかなって笑うことだってあるし、本人の素行と悪いジョークは関係ないんじゃ?って思うけど、たとえば日本でゴールデンタイム生放送で木下優樹菜が坊主にしてて、誰か芸人が「次尼さん役やるの?」ってネタにしてフジモンがその人を殴ったとしたら(まぁもう離婚してるけど)やり過ぎじゃない?とはなる気がする。

日本にいるからアカデミー賞のことってそんなよくわからないけど、ああいう系のブラックジョークはアカデミー賞の恒例らしいし(それもどうかと思うけど)、あのくらい言われるのって別に予想外ってこともないらしい。

夫もスタンダップコメディ好きだから、何回かNetflixとかで見たことあるんだけど、けっこう見た目とか性的嗜好とかをネタにして下ネタ満載、みたいな感じ。私は全然笑いどころわからなかったけどめちゃくちゃウケてたし、夫も楽しんでた。
ちょっと違うかもしれないけど、ラップバトルみたいな、スタンダップコメディの中だから普段言っちゃいけないことを言って笑っちゃいけないことを笑えるっていう面があるのかも?

日本の笑いはどんどん人を傷つけない方向に向かってるし、攻撃的であっても相方とか自虐に向かうから、観客を攻撃的にいじるってことはあんまりない。私は日本のお笑いの方が好きだけど、欧米の文化は知らないからクリス・ロックがものすごく悪い冗談言ったのかの判断はできない。

日本だとあんまり暴力を見かけることってないし、反撃できなくて泣き寝入りしちゃう人の方が多いと思う。だからウィル・スミスみたいにすぐに反撃できる人に憧れちゃうし、誰かが自分のためにああやって戦ってくれたら嬉しいっていう気持ちがある。私にも。
反対に欧米だと暴力がもっと問題になってるし、きちんと言い返せる人も多い。(夫も突然歩いてて知らない人と口論し出してびっくりしたことあるし)だからこそ、言い返すんじゃなく暴力に訴えたっていうのは完全に間違いで恥ずべきことなんだと思う。

日本が良い、アメリカの対応が悪い、とかそういう問題じゃなく、日本とアメリカだといろいろ文化も違うから日本の基準でアメリカのこと判断する前に、何がどう違うのか考えてみるといいんじゃないのかなっていうことでした。

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