人気Vtuberの前世を推していた人の話


※Vtuberの中身について話しているので苦手な方や嫌な気持ちになる方は見ないでください。


Vtuberの中身について語ること、発言することはタブーとされていることは知っている。この業界に入ってまだまだ浅く、どの発言がタブーになるかもわからないのでコメントもリプライも新しい彼女にはしていない。

私がVtuberを見出したのはつい最近、Twitterに流れてきた一つのツイートからだった。その内容はかつて私が大好きだった投稿者がVtuberになっているというもの。
目を疑った。
TLをスクロールする手が止まった。
息が止まった。
都合のいいデマなんじゃないかとその名を検索してみた。
沢山の人がかつての彼女の名前と新しい彼女の名前を並べてツイートしていた。それを見てもなお疑った。似ているだけなんじゃないのか?と。新しい彼女の名を検索し動画を聞いてみた。

彼女だ。

またもや息が止まった。頭が真っ白になって大好きなあの声が耳に入ってこない。気がつけば涙が溢れて止まらなかった。

ああ、彼女だ。彼女の声だ。帰ってきた。

そんな感覚だった。別の動画で一緒に話している相手も見知った声で、二人のコンビが大好きだった私は泣きながら笑った。面白さや彼女らしさはかつてのままで新しい姿に生まれ変わっていた。

彼女は私の生きがいだった。昔高校生だった頃友達からモラルハラスメントのようなものを受けていた。「ブス」「デブ」「お前にほかわいい服もおしゃれな服も似合わない」「存在価値がミジンコ以下」そんな言葉を毎日投げかけられていた。私を弄るその空気が面白いものだと当たり前に思う部室は嫌いだったし嫌だと言えない自分も嫌いだった。かといってクラスの中に馴染める友達はおらず、部活に依存するしかなかった。毎朝部活の子と一緒に登校するのも憂鬱で学校を休んでしまいたかった日もあり休みがちになった。
その時彼女の動画を見つけた。面白くて面白くて夢中になった。猛スピードで見てしまったので見る動画はすぐに尽きてしまった。
学校に行くのが嫌で今日も休もうかとスマホをいじる朝、彼女の動画が投稿されたと通知が来た。まだ見たことのない新作のゲーム実況だった。動画がおもしろくておもしろくて気がついたら笑っていた。支度をきちんと済ませ友人を待った。朝からこんなに笑ったのは久しぶりだった。

彼女は朝方に動画を投稿してくれる投稿者だった。毎朝あげてくれるので毎朝彼女の新作を見ながら身支度をして家を出ることが日課になった。彼女が動画を投稿してくれたおかげで学校を卒業できたと言っても過言ではないくらい彼女は私の支えだった。

ある時彼女の投稿が途絶えた。Twitterの更新も止まってしまった。どうなっているのか理解ができなかった。彼女はゲーム実況が大好きで何かあればツイートをしてくれて急に途絶えるのはおかしいと思った。それでも過去の動画は残されていた状態だったので動画を見て日々を過ごしていた。

大好きなその彼女がVtuberでゲーム実況をやっている。
その事実がたまらなく嬉しかった。動画投稿をやめてしまったのかと思っていたから、また彼女のゲームプレイを見られることも嬉しかったしゲーム実況を続けてくれているという事実も嬉しかった。

彼女のプレイスタイルは変わらない。面白いことを面白いと笑い、キャラクターに深い愛情を注ぎ、時には涙しながらプレイに臨む。あの頃と変わらない彼女の姿に感動すら覚えた。
私は今も昔も彼女の動画を見続けている。あの時あのツイートを見つけなければ見つけられなかった世界だった。私はあのツイートに感謝したい。少なからず私のようなケースは存在するはずだ。前世の話をするのがこの世界で否定的なことだとはわかっているがこのようなファンにとってはとてもありがたいことで、推奨するわけではないがこういう人もいるんだなと知っていて欲しいと思い筆を取った次第である。

やめないでいてくれてありがとう。これからも大好きです。

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