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見えない悪モノ

毎日毎日楽しいことや悲しいこと、腹が立つことで満たされている。その日によって感情の割合が違う。

最近よくあるのはすごく腹が立つことが起こったのに、少しするといいことが起こる。

腹が立っている時や悲しい時はいつも「なんで僕がこんな気持ちさせられないといけないんだ」とか、「だからお前のこと嫌いなんだよ」とかネガティブなことを考えてしまう。

でも少しすると、僕を負の感情にした奴が、僕にとっていい奴になって、「こいつ本当はいい奴だな」と簡単に思ってしまう。

この自分に負けているような気持ちがまた腹立たしい。「すぐに意見を変えるな」と腹が立っていた時の自分に言われる気がする。

なのに僕は後から起きたことがいいことなら、比較的簡単に過去に起きた嫌なことは忘れられるらしい。

そんな自分がどこか憎くて、あっさりしてていいことなのかもなと思ったりもする。

人間は耐えられないほどの辛い思い出や、嫌な思い出を勝手に忘させる機能があるとかどっかで聞いたことがある。

とても大切な機能だとは思うが、なんて逃げ腰の機能なのだろう。嫌なことを体験した事実は消せないけど、その記憶を忘れさせようとする。

僕は勝手に何かを悪モノにして「今回は自分が悪い」「今回はそいつが悪い」と言ったように善悪をつけようとする。これはいつもだ。

でも本当に悪いモノなんてその時は見えない。
だから過去のことを恨む行為は意味のないことだと思う。後からならいくらでも言い訳ができる。

「前を見なきゃ」といつも思うがこれは簡単にできることではない。「過去を思い出せる」と言うめんどくさい機能がついてるからだ。

だから過去ばっか見ちゃうんだ僕たちは。
本当の悪モノが見えないから。

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