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学習理論② 古典的条件づけ2

前回は古典的条件付けの超基本について学習しました。今回からもう少し踏み込んだ内容に入ります。もし、大学院受験などを考えるのであれば今回以降の内容もしっかり学習しておきましょう。

今回学ぶのは「自発的回復」と「二次条件づけ」です。この言葉を見て説明できない場合は、今回の記事を熟読することをお勧めします。

消去

前回学んだように、古典的条件付けとはベル(CS)とよだれ(CR)の関係を作ることでした。犬がベルでよだれを流すのは、当然ながらお肉(UCS)の出現を予測しているからです。

では、ベルだけ鳴らしてお肉を上げない試行を繰り返すとどうなるでしょうか。当然のことながら、やがて犬はよだれをたらさなくなります。このように一度学習したCRを出現しないようにする試行を消去といいます。

では、消去とは以前学習したCS-CRのつながりが切れることなのでしょうか?これは実は誤りです。消去とは新しいCS-CRを上書きしているのです。

犬はお肉が出ればよだれをたらします。これは正常な反応ですね。では、お肉が出ないときの正常な反応はなんでしょうか。そう、無反応です。つまり、ベルと無反応を新たなCS-CRとして学習させているのです。

自発的回復

犬とお肉の例を使ってさらに説明をしていきます。最初にベルとよだれに対して古典的条件づけを行います。その後、ベルを鳴らしてお肉を与えないという消去を行います。

今この時点でCS(ベル)-CR(よだれ)の上に、CS(ベル)-CR(無反応)というつながりが上書きされている状態です。この後、何もせず時間がたつとどうなるでしょうか。

時間がたつと上書きされているCS(ベル)-CR(無反応)のつながりが薄れてきて、犬は再びベルを鳴らすとよだれをたらすようになります。このように、時間経過によって以前の条件づけが復活することを自発的回復といいます。

二次条件づけ

これはそんなに難しくありません。

今、CS1(ベル)-CR(よだれ)のつながりがあったとしましょう。ベルの前に犬の目の前でライトをちかちかさせてみましょう。

ライト→ベル→お肉の順番です。このようにすると、ライトをちかちささせただけで犬はよだれをたらすようになります。このような条件づけを二次条件づけといいます。

さて、古典的条件づけの話はまだまだ続きますが、今日はここまでにしておきましょう。

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