人名(心理学者・医者)について
大学院入試や公認心理師試験、臨床心理士試験において人名というのは重要です。用語解説においては的確に提唱者名を挙げる必要がありますし、資格試験においては人名さえ知っていれば即答できる問題が多々あります。
心理学検定においては、非常にマイナーな名前が出てくることも少なくありませんが、公認心理師試験・臨床心理士試験に出てくる人名は基本的なことである場合が多いので確実に知っておく必要があります。
覚え方について
覚え方ですが、よく人名と中核概念をセットにして丸暗記している方がいます。例えば「フロイトー精神分析学」のように。これではあまり効果はありません。もちろん、機械的に暗記することが必要な場面もありますが、それは資格試験直前に根本的な知識を引き出すためのカギとして覚えるくらいでしょう。
まず、人名における根本的な知識をインプットしておく必要があります。心理学においては、ヴントが非常に重要であることがよく言われます。というのも、ヴントの実験心理学から多くの学者がインスピレーションを受けて発展してきたともいえるからです。
現存する学者も、もとをたどればヴントへと行きつくのです。例えば、ヴントとゲシュタルト心理学におけるウェルトハイマーらの関係を見てみましょう。
ヴントの構成主義心理学とウェルトハイマーらのゲシュタルト心理学
構成主義と言われるとなんだか難しそうですが、すべてはバラバラにできるというイメージです。人間の身体は細胞という器官の集まりであって、器官は組織の集まりで、組織は細胞の集まりです。このようにある事象が分解できるという考え方が構成主義に他なりません。
この構成主義に立った心理学が構成主義心理学です。つまり「人の心は何らかの要素に分解できる」という考え方です。それをヴントは内省と実験によって示そうとしたのです。
これに反旗を翻したのが、ウェルトハイマーらのベルリン学派です。
「心はバラバラになんかできなきよ。心という一つのものなんだよ」ということを追求していきます。ゲシュタルトというのは全体のまとまりのことであって、バラバラにはできない一つのものと考えるのが良いでしょう。このゲシュタルト心理学から認知心理学は発展していきます。
人名は歴史的背景と絡めて覚える
このように、人名はその前後の人や、歴史的な流れと絡めて覚えると知識の幅が広がっていきます。個人的な意見ですが、心理学は流れで覚えることが重要だと思っています。三大心理療法においても、最後に出てきたのは来談者中心療法になりますが、それが歴史的などのような流れのなかで出てきたのかを理解すると「受容・共感・自己一致」と機械的に覚えるよりもずっと深い学びができます。
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