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「第1回15秒以下音MAD晒しイベント」とは何だったのか

まず

まずはWikipediaでも見てみましょう。

音MAD(おとマッド)、音系MAD(おとけいマッド)、音声MAD(おんせいマッド)とは、音声を有するメディアソースを音楽を基盤として用いる、MADムービーのジャンルである。

音MADはニコニコ動画が中心になって発展したジャンルではあるが、それ以前の2000年頃から同様の制作物が同人サークルなどで作られていた。その後ニコニコ動画で広がりを見せ、現在ではYouTubeなどの動画共有サイトでも多く見られる。

YoutubeではYouTube Poopという起源を別としたMADムービーが作成されており、音MADと同種の動画はYTPMVと呼称されている。近年では日本だけでなく世界各地でも広がりを見せている。特に中国の動画共有サイト、BiliBiliでは「鬼畜」として公式からも一つのジャンルとして扱われている。

しかし、違法アップロード素材を使用し著作権を侵害した音MADや、音MADで他人を煽る「煽りMAD」が近年問題になっている。

音MAD -wikipedia-

結局音MADってなんなんでしょう。
人によって考え方は色々あると思いますが、僕は面白さが重要だと思っています。
面白いという感情。それはゲラゲラと、もしくはクスッと笑えるようなものや見た後に感心させられ満足感を得られるようなもの。理解の範疇を超えて何故か笑ってしまうものなど多くあると思います。
今の3つのうち最後に出した理解の範疇を超えるという概念。ここにフォーカスを当てようとしたのがこのイベントの始まりでした。

ジャンル

まず、3つに音MADにおける面白さを大別したわけですが、これを最近の動画を例を出しながら、主観的な話にはなりますが説明してみたいと思います。
まず笑えるものとしてはこちらです。

笑えるMAD

ギリギリ理解が追いついてるけど範疇からははみ出してないラインを攻めてみました。
この動画は開幕の爆音とダンスで視聴者を魅了し不意に口角が上がってしまうような爆音。サビの歌詞改変がただの朝青龍のツイッターの羅列でしかないゴリ押し具合など面白い要素しかありません。
Funnyに近い面白さ。テレビ番組で言えばお茶の間を沸かすタイプのバラエティだと思います。

こちらは合作になりますが技術力を笑わせることに全力を注いでるタイプだと思います。
別にワンピースを見たことない人でも笑えるネタ構成と無駄に丁寧な作り。それらがシュールな笑い自体を生み出し次のパートを見たくなるようになっています。

これらに共通する点は緩急です。元の曲の勢いの中でも原曲のテンポを崩したり、関係ない素材を出すことによって笑いどころを多く作っていると思います。この緩急は音MADの基本でもあり昔から使われてきた技法です。
つまり、緩急がない音MADはつまらないとも言えます。
いや…本当にそうなのでしょうか?
音MADは原曲と素材を合わせることによって初めて生まれる存在でもあります。
つまり本来であればその原曲である理由が必要なはずです。その曲の構成に則ることこそがその発想を音MADにする意味でもあります。
そうなると以上の動画は関係ない歌詞改変メドレー先行での合作でもあり、発想はあとから付いてきたことになります。
この発想の起点が作者側においてどのタイミングで顕れ始めたのか。これがこの大別した3つを解説する分かりやすい部分だと思っています。
次の説明に行きます。

満足感を得られるようなMAD

この合作は発想先行で企画、メドレー制作が行われているパターンです。
名作音MADのリメイク。現代的表現との融合。それらを具現化するために時間をかけて構成されているとも言えます。
オリジナルメドレーである以上、緩急の部分に関しては構成要件に含まれていますが、各々のパートとしては唐突に関係ない素材を入れたりシュールな笑いを狙う方向性ではありません。

この動画はわたぴーさんの動画の中でも新しいものになりますが、この曲でやる意味や動画で表現したいことがしっかりある例だと思います。
素材でしか無かったスネ夫が自慢話をするときに流れている曲を転生林檎の歌詞にもある、生まれ変わりの表現として意味不明な機械を創作し、サビのアニメーションなどのやりたかったことを視聴者側が受け取りやすくなっています。
これも理解がギリギリ追いついてるラインを攻めたつもりですが、動画を確認していたら自信がなくなってきてきました。しかし、本当に理解の範疇を超える作品は音MAD界隈には存在するのです。

理解の範疇を超えて笑えてくるMAD

そして、やっとこの説明にたどり着くのです。
今までの音MADの構成や笑わせ方とは違う音MADが近年台頭してきた。その恐ろしさを僕はひしひしと感じつつも、その面白さを伝える術を持っていなかったのです。
話は先日の放送で以下の動画を見たことがきっかけです。

2秒という短さとやりたいことをやって逃げているような動画。
面白いのか面白くないのかはさておき見終わった後に「やられた…」と悔しさまで湧き出てきました。
構成もシュールさも取り払った面白さがまだそこには存在していたのです。
そして、以下のような動画を巡回していきます。
順に動画時間が長くなっていくので暇な人だけ見てください。

音MADタグは外した方がいいですよ

神動画

どうでしょうか。音MADと言えるのか微妙なものもあると思いますが、当記事内ではこれらを音MADとして紹介します。
これらはその曲である意味を持ちながら発想先行でありつつ、構成自体を曲に則らせている新しい技法と言えます。
これらの面白い部分をもっと見たいと思い「第1回15秒以下音MAD晒しイベント」を開催しました。
本来であれば2分から4分ほど惹きつけてから素材をぶち込んで欲しかったのですが、分かりづらいと思い時間で縛らせてもらった次第です。
結果としては400件を超える投稿(何故か開催後も増えていますが)をしていただき盛り上がりました。

前後1年は遅刻OKらしい

そして、いい意味で本来予想しなかった方向へと進み始めます。

開催した結果

まず、この企画の動画が短いことにより今の時代にあった面白い部分だけを享受できる状態になりました。
作る側も同じく、工程が少なく済むので企画が成功した要因のひとつとも考えられます。
初投稿の人もTwitterでは見受けられ、制作自体のハードルを下げたこのイベントは新規参入にも少なからず貢献できていると思います。
脳内に存在したmad_ideaのような概念の具現化。
それは多くの人に伝播し普段投稿しないような作者の人も上げてくれたりしました。
瞬発的な面白さが人に与える力。眼の前で大爆発を食らっても「まあ面白いからいいか」と納得できてしまう理由。それらが短いから許せたのかもしれません。
そういう前提があるからこそ、15秒以下で逆にくだらなくない音MADが面白く見えてくる。そんな不思議な状況も起きました。
普通4分近く原曲を聞かされて音MAD部分が1秒にも満たなかったらその場でキレだす人もいるかもしれないですからね。
いるかなぁ。
いないかもしれないですね。
そんな人にオススメのマイリストも貼っておきます。

今回の企画のような動画を対象に10選も行っているのでぜひ参加してください。
「第1回15秒以下音MAD晒しイベント」のタグが付いていなくても動画時間が15秒以下ならなんでも構いません。

結論

正直な話をすると、本来ならばこの10選の企画を生放送で先にやろうとしたのですが、視聴者から「そんな10本も選べねえよ」「ふざけんな」「おい」「死ね」「アホ」「くたばれ」などと言われてしまったので、選択肢を増やすためにイベントを開催した経緯もあります。そんな企画でしたが多くの人に参加、視聴していただき音MADの新たな可能性を見出すことができました。
オモシロに向き合う気持ちは人それぞれですが、自分の思うオモシロを発揮できる場所こそが音MADだと思うし、醍醐味だとも感じています。
言ってしまえば面白くない音MADなど存在しません。
音MADは自由ですから。
なので皆さんどんどん投稿しましょう。

問題点
親ジャンルであるMADムービーと同様、既存のメディアソースを使用することによる著作権問題が指摘されている。実際、ニコニコ動画では著作者から申請を受けた音MADに対して削除する方針を固めており、2013年には東京地裁がISPに対し創価学会が権利を持つビデオを使用した音MADを投稿した人物の情報開示を命じている。しかし、著作者がMAD動画を視聴しポジティブな感想を残す例や、角川の認定MADや「おいでよっ!MADコンテスト」、「邪神ちゃんMAD&動画投稿祭」など著作者の公認の元、動画を公開する機会も存在する。

また、音MADはインターネットミーム文化と密接な関係が見られ社会現象となる一方で、一般に嫌悪感を持たれるコンテンツを扱う例も存在する。

音MAD -wikipedia-

上げすぎないほうがいいかもしれません。
おわり。

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