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バスで隣の女の子からじろじろ見られた件

イスラエルを始め、外国に滞在中は、まるで自分が日本国の代弁者かのように、日本国内では思いもしないようなことをいろいろ聞かれます。

それに即答できるように知識武装して、準備万端にしておきたい必要性が感じる場面がいまだにあります。

2度以上聞かれたことのある質問は、捕鯨、アニメ、武道、禅、金継ぎ、侘び寂びに関してとか。

知り合いには刀剣コレクターが、室町時代制作の剣先の鑑定書を訳してくれとか。
一時帰国の際にエバンゲリオンのフィギュアを買ってきてくれないかとか。
ある友人は尺八を習っていて、わたしでも読めない、縦書きの伝統的な日本の楽譜らしいものを見せられて、こんなの日本でも見たことないわ、みたいな。彼は、BBCのドラマのBGMで尺八の演奏依頼をされることもあるような人。彼の夢は、お遍路さん、とか。

あぁ、まだ本題に入ってないのにまた話が脱線してしまいました。
閑話休題。

隣の席の女の子(二十歳前後くらい)がやたらとこちらをチラ見してくる

ある日、エルサレムかテルアビブ(どっちだか忘れた)行きのバスに乗り、見晴らしのいい後部座席に座りました。次の停留所でティーネイジャーっぽい女の子が乗ってきて、私らの隣に座りました。

しばらくすると、なぜか視線を感じます。どうも隣の女の子らしい。
こちらが目を向けると、慌てて目を逸らす・・・を何回かされると余計に気になる、というか、イライラしてきました。そんなに東洋系が珍しいのかな?って。

なので、ついに思い切って聞いてみました。「何か私の顔についてますか?」って。
すると彼女は、「はあぁっ」とため息だか頷きだか分からない音をたてて両手で顔を押さえていいました。ここから私と彼女の問答模様。

女の子:「すみません!どうしても気になって・・・」
わたし:「どうかしましたか?何が気になったの?」
女の子:「あ、あの・・・、あなたは日本人ですか?」
わたし:「・・・え。えぇ、そうですよ」
女の子:「わあぁっ❤️。ということは、日本語を話されるんですか?」
わたし:「も、もちろん・・・」
女の子:「凄いっ💕。私、本物の日本人に初めて逢いました!感動ですっ」
わたし:「そ、それは光栄です。ありがとう・・・」
なんでやねん?と・・・もう、返す言葉なし。
女の子:「わたし、日本に憧れていて、いつか必ず行ってみたい国なんですっ!」

それから延々と、なぜ彼女が日本が好きなのかとか語り始めて、わたしは目が点。
よくわからないけど、歴史がどうのこうの。


日本語での数の数え方のバリエーション

そこで、なぜか日本語での数の数え方を聞いてきました。

わたし:「え?いち、にぃ、さん、し、・・・」
女の子:「他にも数え方ありますか?」
わたし:・・・何言ってんだこの子?と思いながら
 「えぇ、他にも何通りかありますがなんで?」
女の子:「すみません。どうしてもお聞きしたくて」
わたし:「うぅん・・・言っても訳わからないと思うけど・・・ひとつ、ふたつ、みっつ、よっつ、いつつ、むっつ、ななつ・・・とか、他にも古い言い方で、ひぃ、ふぅ、みぃ、よぉ、いぃ、むぅ、なぁ・・・なんてのもあるけど、なんでこんなに別の言い方があるかなんて聞かないでね。わたし知らないから」

女の子:「ああぁっ、やっぱり・・・。いえ、すみませんっ。どうもありがとうございますっ」

それ以降は、彼女は突っ込んでくることもなくなったので、わたしは一緒に来た友達とのお喋りに加われましたが、なんで数の数え方なんかを聞いてくるんだろう?との疑問が頭の片隅に鎮座するようになりました。


ウサギの穴🐰

インターネットもない時代、疑問点は本屋や図書館で調べなければいけなかったので、このモヤモヤした疑問は帰国するまで続きました。が、もしかして、あれのことかな?と。

それは、わたしの出発前に日本でベストセラーになって、あちこちの本屋で平積みにされていた、ラビ(ユダヤ教の聖職者)が書いた日ユ同祖論の本。

古代イスラエルの12部族が別れ別れになって、行方が分からなくなっている10部族がたどり着いたのは日本ではないかという節、失われた10部族の行方を裏付けるまたはこじつける説のこと。

そこで、日本古来の数の数え方古代ヘブライ語のある文章と合致する点があるという説は、バスで会った🚌女の子が聞いてきた内容を彷彿させるものがありました。

日本の伝統習慣と、古代イスラエルの伝統習慣や生活様式や言葉までも、無視しがたいくらいの共通点が多いという点を掘り下げています。

このネタは掘り下げると、それはそれは深いウサギの穴🐰(不思議の国のアリス)に迷い込むかのようにハマりやすいです。わたしは専門家ではないので解説はできませんが、このブログを読み進めてくださっている方には、好奇心のアンテナに引っかかるかもしれません。

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