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Yukikoさんとのクリエイション

現代音楽作曲家のYukikoWatanabeさんと創作を始めたのでその記録を残していく。
Yukiko Watanabe note:https://note.com/yukikocomposer

興味は音と身体。声、行為、物質、空間、時間など。
それから物語の不在、遊び、など。
遊び続ける、考えない方法を模索したい。
というところがお互いの出発点。

ユキコさんとはあがたの森で知り合った。
それぞれにあがたの森を舞台として表現活動を展開していることがあり、そのフィーリングとそれぞれの創作への興味から形態や上演の日程は決めないまでも今回の稽古をしていくことになった。

方向性から探していくクリエイション。

なんとなくお互いの興味を探りながら、
まず、わたしはオブジェクトとしてティッシュを操り続けるワークを、
ユキコさんはそれに音をつけていく行為を行ってみた。

ティッシュのワークは昨年のスズキユキオ氏のWSで扱われていたもので、わたしもそのとき初めて経験した。
シンプルにティッシュをティッシュとして扱ったり、全然違う使い方をして、ユキオさんのWSではそれのティッシュを扱う人とティッシュの真似をする人とに別れて身体のワークとして行われていた。
私は個人的に、このワークで特にティッシュを扱う方に求心されており、それはある意味人形劇的でもあるんですが、“ティッシュと永遠に遊んでいられる”という体感が得られるのでその感覚を掘り下げたいと思っていた。

この感じを役者としてはあまり感じたことがない。
なにかを立ち上げる、というより、常に何かが発生し続けている(立ち上げる必要がない)感じ。

ただ、1回目のセッションをやってみてその感覚に音の存在を介入させることは難しかった。
純粋に、ティッシュとの遊びに熱中しているので音を聞いている余白がない。
それでは音との関係性は作りづらい。

今回のクリエイションでは音との関係を捉えることをしたい。

その後ひとつひとつ、微妙に行為の要点を変えながら、それぞれの表出とその実感を試してみる。
微妙に変わるだけでも感じ方も大きく変わるし、時間の経過によっても変わってくるからおもしろい。

最終的に、ユキコさんの音に対して、わたしは音としての声、ときに言葉、それらがときにつながる文章を、即興で表出させるとお互いに腑に落ちた感じがした。それぞれが認知できる感じ。

創作の出発点として、声を音として、今回はピアノの音とある種同等に扱えたことが面白かった。
連なれば言葉になるし、物語にもなる。
そうさせない方法を考えるという意味では良い出発点。

上演を成立させるための要素が、今回のクリエイションではものすごく多く感じる。
まだまだ足せるものはもちろんあるけれども、できるだけ慎重に足していきたい。
成立すること、説明すること、物語ることに対して慎重でありたい。
それから、個人的には身体=行為とオブジェクトの関係、そして空間との関係について考えを進めたい。もちろん音とも。
即興で何かすることになったのは良い副産物。
これまでそんなに取り組んだことがないことなのでトライしたい。

1日目のセッションが終わった後、2人ともそれぞれアウトラップを思い出していた。
https://vimeo.com/ondemand/cheloutrap

確かにこの作品も、身体と音、言葉、そしてものと空間との関係づくりだ。
自分で実感しながら創作を進めていきたい。

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