見出し画像

妊娠23週4日、推定体重500g「産まれます」からはじまった、私と双子の10週間と5週間の戦い①

夢にまで見た妊婦生活。双子でハイリスクだとはわかっていたが、毎日が幸せだった。初期から大量出血で切迫流産といわれ自宅安静だったが、出血も落ち着いてきていた。お腹が重くなることが多いのが気がかりだなと思いつつもゆったりと過ごしていた。


22週4日(妊娠6カ月)検診での異常

22週から切迫流産→切迫早産にかわり、救命してもらえることに喜びを感じていた。
しかし22週4日、検診で地獄に落とされた。
この日、エコーの後に診察になかなか呼ばれず、なんで遅いんだろ、お腹減ったなーと考えながら待っていた。やっと呼ばれたと思ったらいつもは1人しかいない先生が2人。


「子宮頸管が19mmしかありません。」
「これ以上短くなったらうちの病院では28週以降しか見れないので搬送します」


突然のことで頭は真っ白になった。この時期なら短くても30mmは必要なはずが約2センチ…赤ちゃんたちは大丈夫なの?今産まれたらどうなるの??ネットで調べると安心できることも怖いことも書いてあった。2人の母になるのだから、負けられない。そんな気持ちで1週間、風呂にも入らず、食事も寝ながら食べる生活を送った。


23週2日深夜 突然の出血

しばらく出血は止まっていたのだが、まとまった出血がある。お腹の張りもあった。もうダメかもしれない。そんな気持ちで病院に電話し夫の車で向かった。緊急でみてくれたが赤ちゃんは元気。子宮頸管は変わらず19ミリ程度、このまま安静でと返された。

ひとまず安心だねと少し笑いながら帰った。


23週4日 運命の日

朝一番の診察予約。今日もお腹の張りが多い。申し訳ないけど待合室のベンチで横になりながら待った。診察に呼ばれ、まずは子宮頸管を測る内診へ。いつもならゆっくりみてくれるの一瞬で終わり、先生から一言。


「子宮口が開いています」


…え?

いろんな感情が込み上げて固まってしまった。
そしてすぐに診察室に呼ばれた。

「子宮口が開いている状態です」

「胎胞(赤ちゃんを包む袋)が出てきてしまっている。いつ破水してもおかしくない、陣痛のようなものがきているかもしれない」

「下にいる子(先に生まれてくる子)が逆子で、子宮口に足を突っ込んでいる」

「すぐに救急搬送します。一歩も歩かないでください。」

え、かなりやばいやん、なんで?なんでこうなったの?って気持ちと、私は大丈夫と思いたい気持ちでなんとか耐えた。

受け入れ先を探しながら、張り止めの点滴などの処置をされる。
その時双子は推定体重500〜600g。ペットボトル1本のサイズ。

産みたくない、私のせいで、ごめんね
絶対守る。何があっても守る。とお腹に声をかけた。


そして搬送先へ

そして救急車が到着。ストレッチャーに乗せられて、空飛ぶ絨毯みたいじゃん、なんで呑気に考えてた。
が、同乗してくれた医師の「破水したらすぐに言ってください」の一言で一気に現実に引き戻される。

はじめていく病院。距離もわからず救急車に乗っていた。思った以上に揺れる。道を開けてくれたみなさん。ありがとう。

到着してすぐにMFICUに入院することが決まった。まじでやばい患者用。診察が始まった。


搬送先での診察

初めての先生に緊張しながら診察室まで車椅子で入った。
手早く、丁寧にみてもらう。ここでは軽い説明だけだった。

そして医師たちの話し合いが終わったのか、病室まで説明に先生が来てくれた。結果は

赤ちゃんの袋はかなりみえてしまっている。
近いうちに出産になってしまう。
お腹の張りが強い。
下の子が逆子のため、破水すると臍帯脱出(臍の緒が先に出る)してしまい、子の命が難しい。

そして、推定体重は450gと600g…

できるだけ妊娠延長を図るための手術を勧められた。

出産に備えて赤ちゃんの肺が少しでも強くなる注射をし、強い副作用の張り止めを流した。

副作用で寝ているのもつらい。心拍数は100を超える状態が続く(ちなみに出産まで続いた)。
めまいもひどい。スマホを見ることなんて到底できない。

翌日、張りが治まっていること、羊水が減っていないこと、子が元気であることが確認され、子宮の入口を結ぶ手術が決まった。

下半身麻酔をし、出てきてしまった赤ちゃんの袋を押し込むために逆さ吊りのような状態での手術。

手術が刺激となってお産につながる可能性もあったが、少しでも可能性にかけたくて踏み切った。

手術は成功した。


が、規則的なお腹の張りが始まった。


陣痛だ。


陣痛がきてしまった

お腹はいつも以上にカチカチになるけど、これがなんなのかわからない。モニターをつけてもらうと波形はかなり強い数値を示していた。

点滴の流量を最大量にし、種類も増やした。副作用で歩くこともままならない。看護師さんのバタバタとした様子に焦る。
術後なので足は圧力をかける機械で固定され、副作用も苦しく何も考えられない。

寝たのか寝てないのかよくわからないまま朝を迎えた。

お腹の張りはかなり減っていた。


陣痛ではなかったのか、はりがおさまった。
手術してよかった。


そして翌日、24週0日になった。出産に備えて新生児科からのお話を聞くことになった。


②へつづく


妊娠中ってつわりもきついし、お腹が大きくなってくると一歩歩くのすら辛い。でもお腹の中で命を育めることは本当に幸せなことだと思う。願ってもお腹で育てられず早く出産した人もいる。母子ともに健康なんてあたりまえじゃない。だから、冗談でも早く産んでしまいたいなんて言わないでほしい。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?