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パフェレポ 菓子工房圭「山形県産 ラフランス×スパイス×赤ワイン×カカオ」2023年11月

上層は様々なかたちのラフランスを味や食感のグラデーションを、下層ではカカオや赤ワイン、スパイスにレモンの香りを楽しむパフェ。ラフランスのきらきら輝く白銀に下層のグリューワインで、気分はホワイトクリスマス。


アイスにのってるシャンティがぼうしみたいでかわいい

まずトップの蜜柑シャンティを一口。甘さ控えめやクリームに爽やかな蜜柑の香りがふわっと広がる。クリームのまったり感に負けない強い蜜柑の香りに驚く。生クリームを一晩蜜柑の皮に浸けておく事によって香り付けをしているそう。1パーツに対する手間のかかりようにさらに驚く。

この下からはラフランスのゾーン。様々な形でラフランスを楽しめる。まずはラフランスのアイスから。完熟したラフランスのピューレで作られたこのアイス、比較的さっぱりとしているが、しっかりラフランスの風味は感じられる。そしてフレッシュなラフランス。たっぷりのせてあり、とても贅沢。これがとても甘くてジューシー!曰く、本当はアイスの味を当初別にしようと思ったそうだが、ラフランスがあまりにも美味しいので、アイスまでラフランスにしたとの事。香りが強くて味が濃い。確かにこんなに美味しいラフランスは食べた事が無かったかもしれない…!ラフランスの実の隙間を埋めるようにあるのはラフランスのジュレ。キラキラしていて上層が白いパフェ全体が華やかに見える。皮や芯の部分までレモンと一緒に煮詰められたジュレは、ラフランスの甘さや風味が凝縮されている。

アイス・カットされたフレッシュな実・ジュレと同じラフランスの風味のパーツが連続しているが、少しずつ風味やその強弱が異なっており、その対比が楽しい。ラフランス自体の美味しさに依った構成だが、ディルの葉で酸味やハーブの香りによって気持ちを新たに向き合うことができる。さらにその下には、先ほどの蜜柑シャンティやマスカルポーネクリームがあり、程良いまったり感が挿入されることによりさっぱり目な味のまとまりが乳脂肪のまったり感に程良く振れるので、味のバランスが非常に丁度良くなる。甘過ぎないので、ラフランス自体の風味の良さは壊されることがない。ラフランスをメインに据えて、クリームやディルの葉等の名脇役によってその良さをさらに引き出しているような上層の構成だった。

丸いカカオサブレが蓋のようになっており、これを割ると後半の構成が始まる。サクサクのサブレは、甘さ控えめではあるがしっかりカカオの香りを感じられる。まず番茶クリーム、番茶を煮出して作られたカスタードクリームだそうなのだが、クリームのまったり感から後味に感じられる番茶のほろ苦さがアクセントになっており、心なしか和の雰囲気を感じさせられる。

その下は赤ワインの葛ジュレとラフランスの赤ワインコンポート。葛ジュレは葛独特の風味が和の雰囲気を感じさせるが、赤ワインには、アニス・クローブが煮出されており、まさにこの時期らしいグリューワインに。スパイスを感じさせる風味がとても好み!和と洋が同居した構成がこちらのお店らしい。先程のラフランスがカットされてコンポートになっており、赤ワインの風味に負けないラフランスの香り高さが華を添えている。

食べ進めると、レモンの強い香りの酸味が鼻に抜ける瞬間が現れてはっとさせられる。レモンの果汁と皮を煮詰めたレモンピールは下へ行けば行くほど顔を覗かせ、曲の転調のような、強い酸味に視界がぱっと開けるような気持ちになる。レモンの酸味と風味が最大限になった所で〆。

こちらのお店は想像が付かないような取り合わせに驚かされる構成が多いが、上層に関してはラフランスの美味しさを直球に感じられる構成なのが逆に新鮮だった。しかし、下層は番茶の風味や葛ジュレでこのお店の特徴である和の雰囲気も覗かせ、グリューワインという変化球で季節感のある構成にこちらのお店らしさも感じさせられる構成だった。

お冷やじゃなくてお茶が提供されるのも好き

最後ということでマカロンは薔薇をチョイス。薔薇の香りと白あんの上品なお味が調和していて一番好きな味。

ダージリンも香り高く、非常に美味しかった。紅茶を普段から飲み付けない身からすると、ダージリンってこんな風味だったのかと思わされた。最初に提供された暖かい玄米茶もほっとする味で大好き。

今回が菓子工房圭の都内での定期営業のラストパフェ。毎回食材の取り合わせにあっと驚かされる凝った構成で、パフェが変わる度に欠かさずに伺っていた大好きなお店でした。今後は京都でパフェやアシェットデセールの提供を予定しているとのことですが、都内でもスポットでパフェの提供をするとの事。全く無くなるということではなくて本当に良かった…!これからもまだまだ通い続けたいパフェです。
機会があれば、京都でアシェットデセールも頂きたいところ(同行者とこちらに伺うのがメインで京都に行くのもいいですねと話をしていた)。

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