見出し画像

感染があるままに規制緩和をすれば、再び感染が広がるのは当然のような気がします。規制緩和には「油断大敵・創意工夫の精神が必要だ」と思います。 ●ドイツ、各地でクラスター確認 規制緩和に苦慮 新型コロナ

8日、新型コロナウイルスのクラスターが確認されたドイツ西部ノルトライン・ウェストファーレン州コースフェルトの食肉処理工場(EPA時事)
メルケル首相が6日、新型コロナウイルスに絡む規制の大幅緩和を打ち出したドイツ各地で、クラスター(感染者集団)発生が確認されている。
 どこまで規制を緩和するかは14州と2特別市ごとに決めるが、難しい地域も生まれそうだ。  
西部ノルトライン・ウェストファーレン州は8日、食肉処理工場でクラスターを確認した。11日から飲食店などの再開が予定されているが、工場のある郡については1週間延期された。  
北部シュレスウィヒ・ホルスタイン州でも食肉処理工場で同様のクラスターが見つかり、当局が対応を協議中。中部テューリンゲン州では、高齢者施設の入居者や職員にクラスターが確認された。現場となったグライツ郡は、二つの小さな町に限られているとして「郡全体を規制下に置くつもりはない」と主張、対応に苦慮している。 
●ドイツで新型コロナ感染が再拡大、再生産数1.1に上昇
5/11(月) 10:01配信[ベルリン 10日 ロイター]
- 新型コロナウイルス感染拡大抑制に向けた外出制限措置が緩和されたドイツで、感染が再拡大する様相を見せている。
政府の公衆衛生研究機関ロベルト・コッホ研究所は10日、1人の感染者が何人に感染を広げるかを示す「再生産数」が1.1に上昇したと発表した。
1を上回ると感染が拡大していることを示す。 メルケル首相は6日、ロックダウン(都市封鎖)を段階的に緩和していくと発表。商業施設や学校の再開を許可した。ただ同時に、感染が拡大した場合には再び制限を可能にする「緊急ブレーキ」措置も導入した。
疫学の教授でもある社会民主党のカール・ローターバッハ議員は、週末の人出が極めて多かったことを指摘、政府の緩和判断は拙速に過ぎたとして、新型ウイルスの感染が再び拡大する可能性を警告した。
ロベルト・コッホ研究所の10日の発表によると、国内の新たな新型ウイルス感染者は667人増加し、累計感染者数は16万9218人になった。死者数は26人増加し、計7395人となった。 (※原文記事など関連情報は画面右側にある「関連コンテンツ」メニューからご覧ください)
【引用終わり】
 ドイツも数百人の感染者がいたけれど、再生産数が1以下なので段々ら減っていくという予想で、緩和しました。すると、クラスターが発生して再び再生産数は1.1になり、感染者数は減少傾向から増加傾向に転じた訳です。
このドイツの状況をみると、イタリアやイギリスが一日の新規感染者が2千人~3千人に減少したので、外出制限の緩和に踏み出しましたというのは、(感染者数を減らす事が至上命題とすると) 常軌を逸しているとしか言いようがありません。
日本の5月11日の感染者は45人(内東京15人)ですが、それでも未だに緊急事態宣言が継続しています。そして、新規感染者が1週間も2週間も0人の県にだけ、14日に緊急事態宣言の解除が検討されているのは、日本の目指す処は「感染が0という処」なのかもしれないと思います。
そして欧米が目指すのは、「医療崩壊を起さない程度に感染を抑えて、集団免疫をつくっていくという処」なのかもしれません。
このような目標の違いがあるので、日本は先に進んだ外国を真似すればよいわけではないような気がします。例えば大阪府の吉村知事の発表した休業要請解除の判断基準の「大阪モデル」に対して、兵庫県の井戸敏三知事は11日の記者会見で、「兵庫では既にクリアしており、使い物にならない」と述べ、大阪府よりも厳しい基準を設ける意向を明らかにしました。
これは吉村知事が、「少数の感染を容認する」姿勢なのに対して、井戸知事は「感染は0にする」姿勢なのかもしれません。
私は「感染0・又は少数の県にまで、緊急事態宣言を拡大したのはやりすぎだ=吉村派」という意見ですが、それでも「ここまで我慢したのだから、感染0まで我慢しよう=井戸派」という人の方が多いとは感じています。
つまり、今になって「私がこうした方がよい」という意見では、多くの日本人が望む現実を創れないので、日本社会では採用されないのだと気が付きました。周囲を見回せば、感染0が続く街に住んでいながら、実直に対策を続ける人達が沢山います。そして、この人達に囲まれているので、自然私も自粛モードにはなっています。(まるで、集団免疫のようです)
また、私でもやはり感性が日本人なのか「食肉処理工場でクラスター発生」と聞くと、「その食肉工場から供給されたお肉を食べた人がいるかもしれない」と思うとぞっとします。そして多くの日本人は、私以上にぞっとするのでありましょう。真面目に実直に「新しい生活習慣」を身に着けて、日本は不可能に挑戦して「感染が0という処」を目指し続けるような気がします。
しかしそれならば、感染がほぼ終息した後で、クラスターが発生した韓国の例もあります。規制緩和は「油断大敵」とにかくクラスターが発生しそうな場所は、緩和後も細心の注意を払って営業することになるのかな。大変だなと思います。
例えば 席の間隔を1m以上あける、対面を避ける、換気をするという条件ですと、一般の食堂はテーブルの間隔をあけて椅子を片側だけにおくなどをすれば、料理を店で食べる事になります。だから、家族や仲間内で楽しんで味わうという事は、難しくなります。夏場はバーべキュウがはやるのでしょうか?
そして、風通しの良い場所で1m以上離れて座ってお客を接待するとしたら、ナイトクラブは大変です。夜の営業ですから、これからは外気と一緒に蚊も入ってきてしまうことになるでしようし…。
いずれにせよ「新しい生活習慣」を実行するのは、かなりの相違工夫が必要になります。パチンコがしたい時には、お医者さんの真似をして、ビニールのカッパをきてマスク手袋・フェイスシールドをつけるという手もあります。なければマスクをして手袋をして、大きめのゴミ袋をかぶればよいかもしれません。
「自分が感染しない・感染させない」皆で知恵を絞れば、確かに「新しい生活習慣」を身に着けて感染を抑止して日常生活を送れるかもしれないとは思いますが、再発のドイツや韓国は見習わないようにしないと、目指す処が違うので日本は大やけどをしてしまうと思います。
 不合理なまでに完璧を目指す職人気質は、時に人智を超えた芸術作品を生み出します。しかし、現実社会の中で人智の及ばない所で発生するウィルス感染に対して、「感染0を目指す潔癖な職人気質で挑むと、経済損失が大きくなりすぎる」と私は思うのですが、結局はなるようにしかなりません。無数の日本人の知恵と勇気が結集して、少しでも経済の傷か小さくなる事を祈ります。
最後に韓国の文大統領は就任3年の演説で コロナ対策で「世界をリードする国になった」と実績を強調していましたので、反面教師としてよく参考にさせて頂いた方がよいと思い再発状況を伝える記事を付記します。
●韓国集団感染、クラブ客3千人超と連絡取れず…ネット上には偏見や嫌悪の声も 5/12(火) 7:31配信【読売新聞】
 【ソウル=建石剛】ソウル市の複数のナイトクラブなどで発生した新型コロナウイルスの集団感染は、11日もさらに32人増え、客や家族など計86人の感染者が確認された。当局は追跡調査しているが、感染が広まった期間の利用客3000人超と連絡が取れておらず、さらに感染が広がる可能性がある。
13日から全国で再開する予定だった高校3年生の登校は、1週間延期された。  市内の繁華街・梨泰院(イテウォン)のクラブや居酒屋5か所では、先月末から今月初めに訪れた客に集団感染が起きている。いずれも、最初に感染が確認された29歳の男性が利用した店などだ。
感染者86人のうち23人は、利用客の家族や知人、同僚などの二次感染だった。利用客の大半は20~30歳代の若者で、無症状のまま感染を広げた可能性が高い。  
これまでの集団感染と異なり、今回は韓国の感染抑止の武器となった携帯電話の位置情報などによる追跡調査が難航している。  複数の韓国メディアは、公表された情報を基に、今回のクラブは「性的少数者向けのクラブ」だと報じている。性的指向を知られたくない人も多いとみられ、店が作成した4月30日~5月5日の客ら計5517人分の名簿の中に、電話番号の虚偽記載もあった。
このため、当局は3112人と連絡が取れていない。朴元淳(パクウォンスン)ソウル市長は11日、「自発的に検査を受けることを望むが、強制的な措置も取らざるを得ない」と述べ、検査を受けない利用客に罰金を科す可能性に触れた。  
韓国メディアによると、インターネット上ではすでに性的少数者に対する偏見や嫌悪の声が上がっており、感染者とみられる男性を特定したとして写真などが公開される事態も起きた。こうした状況が続けば、ますます利用客が名乗り出にくくなる可能性がある。
韓国内ではこれまでも、追跡調査のための情報公開によって感染者が不倫を疑われたり、特定の宗教の信仰が判明したりするケースが出ていた。今回の集団感染のケースは、情報公開によって感染を防ぐ措置が裏目に出た模様だ。  政府も危機感を募らせ、丁世均(チョンセギュン)首相は10日の対策会議で性的少数者を念頭に「接触者は特定のコミュニティーに限定されるわけではない」と強調した。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?