見出し画像

「アジア人差別」という表現そのものに、「欧米キリスト教文明圏」対「その他大勢」という、欧米キリスト教文明圏に特有の「一元論の二項対立的分類思考」を感じます。これだと、中国の望む「白人 対 有色人種」に一直線ですよ。●「アジア人として生まれないことを」 米ハーバード大学が人種差別


米国のハーバード大学が「アジア人を狙った人種差別に反対する」としながらも、大学のウェブサイトには不適切な文言を使用していたことが分かった。ハーバード大学はある在学生の指摘を受けてその内容を修正し、謝罪した。
 ハーバード大学の校内新聞「ハーバード・クリムゾン」の学生記者マテオ・ウォン氏が31日、ツイッターで同大学のカウンセリングとメンタルヘルス・サービス・サイトにある「反アジア人種差別」のページに「あなたはアジア人として生まれないことを願ったでしょうが、あなたの祖先たちははるかに悪い事件を経験してきたことを記憶しなさい」と記載されていることを問題視した。
このツイートには「いいね」が4万7000件以上あり、8200回以上リツイートされていた。  
ウォン氏は「メンタルヘルスのサイトに誰がこのような書き込みを行ったのか教えてほしい」「この書き込みが人種差別を追い払うのにプラスになる理由は何か」と指摘した。ウォン氏はさらに「(私の祖先たちが私よりも悪質な人種差別を受けたという事実が)私の人種について何かの誇りを持たせるのか、いや一体どのような誇りを持てということか」と批判した。  
ウォン氏がツイッターにこの批判を掲載してからおよそ5時間後、大学側は指摘を受けた文言を削除し謝罪文を掲載した。  
ハーバード大学健康サービス(HUHS)理事を務めるNguyen Van GIang教授は謝罪文で「最近ウェブサイトに掲示された一部の内容がわれわれの使命にそぐわず苦痛を与えたことを深く謝罪する」「これらの文言は無感覚で不適切な内容だった」との考えを示した。  
さらに「このようなことが再発しないよう努力し、包容的で偏見がないよう最善を尽くしたい」ともコメントした。
【引用終わり】
 私は、近頃欧米で増えてきた「アジア人ヘイト」というものは、マスコミが「アジア人ヘイト」と騒ぐから余計増えてきていると考えます。
 と申しますのは、最初は「チャイナヘイト」だったからです。新型コロナウィルスの発症国である中国に対してのヘイトでした。
 ですから、当初被害を受けていたのは、もっぱら中国人と (欧米人には、中国人と見分けがつかない) 日本人や韓国人でした。
 ところが、なぜか世界のマスコミが「チャイナヘイト」と呼ばずに「アジアンヘイト」と報道している内に、近頃ではどう見ても中国人には見えない東南アジアや遠くは中東の人たちまで、罵声を浴びせられたり暴力を振るわれたりするようになりました。
 何でこんなことになったのだろう?
 私は、世界のマスコミが「チャイナヘイト」と呼ばずに「アジアンヘイト」と宣伝するので、「どうにも気分が悪いので、誰かに憂さ晴らししたい」と感じる人達が、「そうか、皆やってるのか。それなら自分も、アジア人を憂さ晴らしの対象にしよう」とアジア人ヘイトを実行しているような気がします。
 私は (妄想的に)、当初の「チャイナヘイト」の頃に、巻き添えで日本人や韓国人が被害にあっていたので、これ幸いと、中国の方から「チャイナヘイトではない。アジアヘイトだ」という働きかけがあったのかもしれないと思います。
 なぜならば、中国の巻き添えで暴力被害にあったという事になりますと、日韓でも反中意識が高まります。しかし、「中国の巻き添えではなくて、欧米人からアジア全体が嫌われて被害を受けているのだ」という図式になれば、日韓でも反中意識ではなく、反欧米意識が醸成されるからです。
 ですから欧米のマスコミと政府が、「チャイナヘイト」と呼ばずに「アジアンヘイト」と宣伝することは、「アジア人全体で、反欧米になってください」と宣伝するようなモノなのですが、欧米人は全く気が付かないようです。
 不思議といえば、不思議な人たちです。
ただ「あなたはアジア人として生まれないことを願ったでしょうが、あなたの祖先たちははるかに悪い事件を経験してきたことを記憶しなさい」というツイートに「いいね」が4万7000件以上あり、8200回以上リツイートされていたという事なので、「そうか。欧米キリスト教文明圏では、口では多様化とか言っていても、未だに『一元論の二項対立的分類思考』が基本にあるのだな」と感じました。
と申しますのは、「アジア人って誰だ?」と問えば、現実にはそんな人はいないからです。
日本人と中国人はまだ人種的には似ていますが、ここに東南アジア・インド・中東がはいってくると、人種的にはモンゴロイドと褐色のコーカソイドとその混血です。宗教では、仏教・キリスト教・イスラム教です。アジアに住む人たちは、多種多様で、現実の中ではとても一つのまとまりで捉えることはできません。
けれど欧米キリスト教文明圏の価値観によれば、アジア人というカテゴリーがてきるのです。
なぜ、できるのか?
それは、欧米キリスト教文明圏の基本は『一元論』だからです。「善なるものだけ存在が許されて、後は全部だめ」という思考だからです。
お花を、例にして説明します。
バラが善と決まれば、後は桜も牡丹もナツメヤシも雑草も、全ての植物が悪なのが、一元論です。
ですから、欧米キリスト教文明圏の人達は、当然ながら「自分達は善で正しい」と認識しますので、「(自分達と違うという一点で) アジアは善ではなくて、正しくない」と、一緒くたにまとめてしまう訳です。
即ち、『二元論』であれば、善と悪・正と邪が存在していると認識しますので、その対象が「善なのか、悪なのか」と考えてから、善悪を決定します。
ところが、『一元論』では、善で正しいモノは最初から決まっていて、善でないモノはすべて悪と判断します。つまり、善悪のレッテルを貼り付けます。そして、その対象が実際に善行をしているとか悪業を行っているかよりも、張り付けられたレッテルによって、その人物の人格を判断する傾向があります。
ここで問題のツイートに戻ります。
まず「あなたはアジア人として生まれないことを願ったでしょうが…」です。
前述のとおり、アジア人というカテゴリーは欧米キリスト教文明圏の人達が中国人にのせられて作ってしまったカテゴリーであって、現実のものではありません。
ですから、まず「自分は、アジア人だ」認識している人はまずいません。アジアに住む人たちは、「自分は日本人だ」とか、「イスラム教徒のインドネシア人だ」とか、「バリ島に住むヒンズー教徒のインドネシア人だ」とか、自分自身を認識しています。
つまり、「(自分はアジア人だと思っている人がいないので) アジア人として生まれない事を願う人は、いない」のです。
それなのに、何でこんなことを思いついたのか?そして「いいね」が47000もついたのか?
それは、このツイートをした人が、「自分は欧米キリスト教文明圏の一員だ」という認識を持っているからだと、推測します。欧米キリスト教文明圏にも、英仏独のような大国からマルタのような小国もあれば、カトリックの信徒もプロテスタント信徒も各国の正教会の信徒もいます。それでも彼らはアジアやアフリカの他地域の人達に対して「自分は欧米キリスト教文明圏の一員だ」という認識をもって、一体化しようとします。
だから、アジアに住む人たちも「自分達はアジア人だ」と認識しているに違いないと勘違いして、と同時に「自分はアジア人に生まれなくてよかった」と感じているので、「あなたはアジア人として生まれないことを願ったでしょうが…」という文が生まれたのだと思います。
しかしですね、自分と違う人間だとレッテルをはったからアジア人と表現している訳です。ですから、「アジア人は自分と違う」でも、「(自分と同じに) アジア人に生まれなくてよかったと思うはずだ」という主張は、…、何とも言葉がありません。
おまけに「あなたの祖先たちははるかに悪い事件を経験してきたことを記憶しなさい」と命令しているのですから、やはり欧米には、今も「マニフェストデスティニー=アメリカには遅れた文明圏の人達を(植民地化して統治して)文明人に教化する明白な使命がある」を信じている人がいるのだなと、(薄々気が付いていましたが) 感慨も新たになります。

つまり「アジア人差別」という表現が生まれた理由は、「欧米キリスト教文明圏」対「その他大勢」という、欧米キリスト教文明圏に特有の「一元論の二項対立的分類思考」が、土台になっています。
これに、中国の「チャイナヘイト」の巻き添えだと、アジアの他の国の人たから中国が恨まれますが、「アジアンヘイト」なら「アジアの有色人種全体がアメリか・欧米で嫌われていますよ」と宣伝できるので、アジアの他の国の人も巻き込んだ「白人 対 アジアの有色人種」の図式を作り出せることになるという、中国の希望がプラスされて「アジアンヘイト」という言葉が踊っているのだと、私は考えます。
即ち、欧米のマスコミも政治家も、「アジアンヘイトが発生しています」「アジアンヘイトを止めましょう」と声を上げる事で、自分達で良い事をしているつもりで、自分達を嫌う人・恨む人を増やすという事をしている訳です。
「一元論の二項対立的分類思考」が元ですから、自業自得ではあるのですが、それにしてもこの「アメリカは、人種差別の国です」と大声で宣伝すると、却って双方に憎悪を煽り立てるような気がします。
なぜならば、アメリカには実際に「アジアンヘイトを止めさせよう」と、止める人もいるような気がするからです。
4/2のWOW!Koreaの記事ですが、アメリカで韓国人のユーチューバーが、米国での「アジア系嫌悪」検証をしようとして、アジア系を罵倒する役の人と、罵倒される役の人とでドッキリ決行した結果、道行く米国人の多くが憎悪発言を制止したそうです。
このようなドッキリは、余り趣味がよいとは言えませんが、しかし制止する人がいるのですから、実際のヘイトの現場でも、ヘイト行動を制止する人もいるはずです。
ところが、ヘイト被害にあったと訴える被害者の多くが、報道では「周りのアメリカ人は、誰も止めてくれなかった。白い目で見ていた」というような発言をしています。
実際、2021年4月1日の佐々木伸 (星槎大学大学院教授)のブログには、次の報道記事が載っています。
「コロナ禍に終息の兆しが見えず、世界各地でアジア系住民人に対するヘイトクライムが急増している中、ニューヨークのマンハッタンの中心部で3月29日、フィリピン系米市民が黒人の男に酷い暴行を受ける事件が発生した。
…米社会がショックを受けたのは暴行自体もさることながら、現場の前の豪華なマンションの入り口ホールにいた3人の男たちが暴行を止めようとしたり、女性を助けようとするなどの行動を一切起こさなかったことだ。

そればかりか、女性が倒れて苦しんでいるのを尻目に、マンション入り口のドアを閉め、知らぬふりを決め込んだことだ。関わりを避けたと見られている」。

とすると、韓国人のドッキリは、制止する人も役としてやっていた《嘘》ドッキリだったという訳でしょうか?
どうも、よく解りません。
ただ、3億人余利が暮らすアメリカで、「2021年1月にアジア系アメリカ人に対するヘイトクライム(憎悪犯罪)の件数が、この1年で3700件を超えた」そうですから、事件化していないヘイトも加えれば、膨大な数のヘイトが発生していることになります。
殺人事件が1万7284件(2017年)発生している国ですから、一万件とか2万件かもしれません。言葉だけなら10万件などという事もあるかもしれません。
ただ、そんなにたくさんあれば、アメリカ人がアジアンヘイトを止めさせた事例の1件や10件や100件ぐらいはありそうなものだと、私は思います。
ですから、私はアジアンヘイトをアメリカが止めたという事案や、アメリカ人が救助したという事例も、報道した方がよいと思います。
なぜならば、そのような報道をすることで、「アメリカの白人 対 アジアの有色人種」という構図から、「アメリカのアジア差別主義者 対 差別に反対するアメリカ人とアジアの有色人種連合」という構図に持ち込めるからです。
今現在は、バイデン大統領とマスコミ識者が「アジア差別派やめよう」と呼び掛けているという報道と、前述のような警備員が被害者を助けもしなかったという衝撃的な報道ばかりです。
すると、これを見ている人達は、バイデン大統領とマスコミ識者の呼びかけが、アメリカ人には受け入れられてはいないという印象をもたざるを得なくなります。
ですから、多少子供っぽい報道に気なりますが、アジアンヘイトをアメリカが止めたという事案や、アメリカ人が救助したという事例も、報道した方がよいと思うのであります。
人類にとって、最も悲惨な未来になりうるのは、人種対立・人種間戦争だと思います。ですから、「アメリカの白人 対 アジアの有色人種」という対立構造を人為的に作って、人種対立感情を育てるのはとても危険なので、やめた方がよいと思います。
簡単に言えば、バイデン大統領は、記者会見で「アジアンヘイトが増えている。困った事だ」というだけでなく、「アジアンヘイトはこの1年で3700件。つまり、アメリカ人の十万人に一人ぐらいはアジアンに憎悪を持ってしまった人がいる、悲しい事だ」と、いった方がよいと思う訳です。
すると、アメリカから遠く離れた所に住んでいるアジアの住人には、99.999%のアメリカ人はアジアンヘイトを行わなかったと認識するようになるからです。
ところが「警備員は、倒れたフィリピン女性を助けようともせず、ドアを閉めた」という今の報道の仕方はでは、アメリカ人の大勢がアジアンヘイト感情を持っているように感じてしまいます。
だから、「とても危険だ」と思うのであります。
ちなみに、日本は『多元論』なので、桜もバラも牡丹もナツメヤシも雑草も、それぞれの咲き方で、自由に咲いている。「それが自然で、良いも悪いもない」。つまり、多元論では、カテゴリーに対して善悪のレッテルを貼りません。
一方で、中国は『正邪二元論』です。基本的には人を君子と小人の2つに分けて、君子が正しく小人は時に邪になるので、君子に従うべきという立場です。現在では、君子が共産党で、小人が一般庶民です。中でも共産党のトップ習近平主席の絶対に正しいので、絶対服従しなくてはならないというのが、中国の掟です。
ですから中国では、習近平主席が、「牡丹が正しくて、桜は悪いので伐採しろ」と中国から桜が消えます。その後で習近平主席の発言が「桜は良い花で、バラが悪い」に変われば、再び桜が植えられて、バラが中国から消えます。
このように、中国では正邪が習主席の気分次第でコロコロ変わるので、今日は握手出来ても明日は殴られる事もあります。ですから、「仲間には絶対になれないけれど、共生はできる」ようになったアメリカの方が、同盟国としては安定感があります。「彼らは彼ら、こちらはこちら」と思い定めていれば、別に腹も立ちませんし…。
(追伸)
●日本育ちの韓国人ユーチューバー、米国で「アジア系嫌悪」検証のドッキリ決行…多くの米国人が憎悪発言を制止


4/2(金) 10:43配信【WOW!Korea】

日本育ちの韓国人ユーチューバー、米国で「アジア系嫌悪」検証のドッキリ決行…多くの米国人が憎悪発言を制止(画像提供:wowkorea)
米国をはじめ欧州などで「アジア系嫌悪」の動きが強まり、暴行事件が相次いで発生している中、現地に留学中の学生がアジア系差別を検証するドッキリを決行。YouTube(ユーチューブ)に検証動画を投稿し、注目を集めている。  
日本育ちの韓国人ユーチューバーは「米国で通りすがりの人に道を聞くふりをし、途中で”レイシスト(人種差別主義者)”が暴言を吐いて近づいて来たら、人はどのような反応をするか」を検証。差別発言をする人物はレイシストではなく、あくまで演者であると説明した。  
何組かの通行人に同検証を実行したが、動画に映っている通行人らはそろって差別発言を制止した。  
ある男性は「良くないぞ」と差別主義者(役)の男性をアジア系学生のそばから引き離そうとする。また、ある女性は「申し訳ない気持ちだ。ハグさせてほしい」と言って涙を流しながらアジア系学生を抱きしめた。  
また、他の男性は「向こうで話そう」と暴言を浴びせる差別者を説得しようとし、近くにいた女性は「(自分が話す相手は)自分で決める」と言ってアジア系学生を最後まで守ろうと対抗。ある男性は「あんなやつの言うことなんて聞くなよ、俺は君がいてくれて嬉しいんだ」と肘タッチを求めた。  この検証動画を自身のYouTubeチャンネルに投稿した。 
MICK(ミック)さんは「被害者役になるのも簡単な事じゃないし、加害者役になるのも簡単じゃない。互いの勇気を振り絞って生まれた100本目の1stプロジェクトです。この動画で少しでも多くの人に、勇気と機会を与えられたら幸せです」と明かした。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?