見出し画像

若者ワクチン抽選制の都の説明「今回は来てふらっと受けるというのが事業の趣旨。…抽選にした」。はて? 午前に1度出かけて抽選、午後再度接種にいくのが「来てふらっと受ける」なのか?また、2度も出かけたら、人流増えちゃうよ。【引用開始】●東京・渋谷のワクチン接種「なぜ打てないのか」打ち切りに1万件超える電話 28日から抽選に


「渋谷区立勤労福祉会館」前で整理券の配布を待つ人たち
 新型コロナウイルスのワクチンが行き渡っていない若年層が予約なしで受けられる東京・渋谷の接種センターが27日開設され、早朝から多くの人が訪れて予約が打ち切られる中、東京都のワクチン接種のコールセンターや担当部署には午前だけで1万件を超える苦情や問い合わせの電話が寄せられた。こうした事態を受け、都は28日から先着順の整理券の配布から抽選方式に変更すると発表した。
 都によると、電話は「並んだのになぜ受けられないのか」「見通しが甘い」といった苦情のほか、「予約制にしてはどうか」との意見や今後の見通しを尋ねる内容だった。
今回の問題を受けて、都は28日から午前9時から10時半の間に会場となる渋谷区立勤労福祉会館に来た人全員に抽選券を配布し、11時半にラインやツイッターで抽選結果や接種時間を通知するという。接種は1日約300人を予定している。都内の在住者と通勤、通学で訪れる16歳から39歳が対象。接種券と身分証があれば受けられる。米ファイザー製を使用し、10月8日まで、月曜日を除く原則毎日行う。
 抽選方式を取ることに、ネットなどでは「密」を生むのでは、との指摘も出ているが、担当者は「今回は来てふらっと受けるというのが事業の趣旨。ネットを使えば予約になってしまうので、抽選にした」と説明している。
 また新たに若者らへの予約枠を拡大するため、乃木坂接種会場、都庁南展望室、都庁北展望室の両接種接種センターでのワクチン接種の対象を16-39歳の都内在住、在学、在勤者に広げ、8月30日午前10時から予約を受け付ける。
【引用終わり】
小池東京都知事が、トンチンカンなのか? 
それとも都の担当者が、トンチンカンなのか?
私には解りませんが、東京都が「事態を把握して (人心と状況を把握して)、適切な対応を選択して実施する事が出来ない」ということだけは解りました。
今回東京都は「来てふらっと (ワクチン接種を) 受ける」という場所を作りたかったようですが、これは2つの理由で不可能でした。
理由その一 積極的接種希望者にワクチンがいきわたってからでないと、「来てふらっと受ける」は成り立たない。
今はまだ「ワクチンを早く打ちたいから、その為に努力する」という人が、巷に沢山います。だから、予約なしで接種できると聞けば、「何時間でも並ぶ努力をしよう」という人が早朝からやってくるのは当然であり、この努力を惜しまぬ積極的接種希望者にワクチンを独占されてしまうので、通りかかった若者に「来てふらっと受ける」ワクチンは残されない。
理由その二 ワクチンが1日万単位で用意できなければ、「来てふらっと受ける」は成り立たない。
一日に十万人以上が行き来する渋谷で、ワクチン接種の為に努力する積極的接種希望者の数をこえて、「来てふらっと受ける」ワクチン接種会場を運用しようと思ったら、ワクチンが一日万単位で無尽蔵に供給されないと無理であるのに、一日2百人~300人分のワクチンしか用意していなければ、パンクするのは当然である。
とこのように、一日に200~300のワクチンで「来てふらっと受ける」ワクチン会場を運用しようとしてもできないのです。
常識で考えれば「来てふらっと受ける」ワクチン会場は、努力を惜しまぬ積極的接種希望者がワクチン接種を終えた後で、作るべき接種会場です。
日本でも「(今のアメリカのように) ワクチンはあるのに接種しない人がいるから、接種率が頭打ちになる」時がやってきたら、その時には若者の街渋谷で「来てふらっと受ける」ワクチン会場が、主旨のとおりに機能すると思いますので、渋谷予約不要若者接種会場は、11月頃作るべき会場です。
例えば、「ワクチン接種をしようかな? しないにしようかな?」迷っている人は、ふと通りかかって皆が接種しているのをみれば「じゃあ、自分も接種しよう」と思ったりするでしょう。
また、「わざわざ予約時間に接種会場に足を運ぶのが、面倒くさい」人は、通りかかりで接種できれば、今接種しようという気になりやすいでしょう。
ですから、ワクチン接種率が頭打ちになった時に、接種率を積み増すためには、「来てふらっと受けるワクチン会場」が必要になります。
それなのに、東京都は《今》つくってしまった訳です。
だから私は、トンチンカンだと申します。
そして、やってみたら「うまく運用できない」と発覚した後の対応も最低です。
担当者は「今回は来てふらっと受けるというのが事業の趣旨。ネットを使えば予約になってしまうので、抽選にした」そうですが、私には、午前9時から10時半に1度出かけて抽選券を貰って、午後再度接種にいくという抽選方式でも、充分に「来てふらっと受ける」という主旨から外れているとしか思えません。
 また実際の人の動きを想像すると。この抽選方式は感染の危険を高めると思います。
例えば、渋谷の近所に住んでいる人は、抽選券を貰いに行って自宅に戻って抽選に受かったら、もう一度その時間に来るという事もできますが、遠くから来た人は自宅に戻れませんので、抽選の結果が出るまでは渋谷のどこかで待機する事になります。そして、抽選に受かっていれば、午後の接種時間まで渋谷のどこかのお店で昼食をとる事になるでしょう。
そして、ワクチン接種に意欲を燃やし、時間がある人は、抽選に受かって接種できるまで、2回でも3回でも渋谷に通い詰める事になります。
これって、「ワクチン接種をしたい人は、渋谷でたむろしていて下さい」と言っているも同然です。つまり、この抽選方式とは渋谷の人流を増やす事ではないですか?
ですから私は、少なくても「ステイホーム」だとか、「人流を減らしてくれ」だとか騒いでいる人達の、やるべき事ではないと思うのであります。
開始2日目土曜日の28日には、若年層向け接種会場では、抽選券求め渋谷から原宿まで1キロの列ができました。せめて、ネット抽選にして、渋谷に1回来ればワクチン接種が受けられるようにすべきです。
最も、《今》はまだ、東京都が渋谷で若者接種会場を作る時期ではありません。
今は、東京23区の中には、人口100万の世田谷区を始めとして、接種率が低い区が沢山あります。東京都はこうした区に、都が確保したワクチンを提供するとか、都の接種会場を作るとかして東京都全体の接種率をあけることが、今、東京都がなすべき事であります。
今は、若者を集めて、渋谷から原宿迄並ぶ列を作らせる事をすべき時ではありません。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?