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大発生が予測できても 対策をとらない 発生国と国際機関。 ●コロナに続くもう一つの危機――アフリカからのバッタ巨大群襲来

東アフリカで大発生したバッタの大群が、海を越えて中東、さらに中国やインドに迫っている。国連の食糧農業機関はその大発生の規模を「70年に一度」のものとも表現している。これによって懸念される食糧不足は人道危機であるばかりか、新型コロナの影響を受ける日本のサプライチェーンをさらに揺さぶりかねない
 新型コロナに揺れるアジア諸国にもう一つの危機が迫っている。アフリカから飛来し、各地で農産物を食い荒らしてきたバッタの大群が、中国西部にまで接近しているのだ。

コロナ蔓延に続くバッタ来襲
 中国政府は3月1日、地方政府にバッタの来襲に備えるよう通達した。それに先立って、2月末から西隣のパキスタンにも、バッタの大群による農作物などへの蝗害(こうがい)を防ぐための専門家チームを派遣している。

 いうまでもなく中国政府は新型コロナ対応に追われている。その中国を突き動かすバッタの大群とは、どのようなものか。
 一口にいえば、このバッタの大群は東アフリカで大発生し、アジアにまで飛んできたものだ。

 このバッタは乾燥地帯に暮らすサバクトビバッタで、基本的に日本にはいない種類のものだ。より詳しくは昆虫学者に譲るが、生息環境の変化などに応じてサバクトビバッタの外見や行動パターンには変化が生まれ、集団で行動するようになると、風に乗って1日に100〜200キロも移動しながら、行く先々で穀物や果物を食い荒らす。

 1平方キロメートルに集まるサイズの比較的小さな群でも、1日あたりで人間3万5000人とほぼ同じ量を食べるといわれる。

70年に一度の危機
 その大発生は、新型コロナとほぼ時を同じくして始まった。

 新型コロナが問題になり始めていた2月2日、東アフリカのソマリア政府はバッタの大量発生で食糧危機が発生しつつあると緊急事態を宣言。これと前後して、バッタの被害は東アフリカ一帯に広がり、国連の食糧農業機関(FAO)はソマリアでは25年、隣国ケニアでは70年に一度の危機として緊急事態を宣言した。
 その後、バッタの大群は紅海を越えてアラビア半島に至り、さらにペルシア湾を超えてアジアにまで飛来するようになった。

 3月6日段階で、FAOは東アフリカ8カ国、中東5カ国、南アジア2カ国(アフガニスタン、パキスタン)で新たな群を確認している。

 このうち、パキスタンの北東には中国の新疆ウイグル自治区がある。つまり、バッタの大群は西からの風に乗って中国にも押し寄せる可能性がある。先述の中国のパキスタンに対する支援は、単に外交的な関係に基づくものではなく、いわば自己防衛のための水際対策でもあるのだ。

スーパーコンピューターを用いた駆除
 サバクトビバッタはこれまでにもしばしば大発生してきたが、今回の場合、昨年末に東アフリカ一帯で雨量が多かったことが原因とみられている。

 サバクトビバッタは雨量が多いと大量に発生しやすい。
 ところで、東アフリカではサバクトビバッタの産卵シーズンだった昨年10月から11月にかけて、降雨量が例年の約3倍に達したといわれる。これが地球温暖化の影響によるものかは、いまも科学者が研究中だ。

 ともあれ、この大雨がサバクトビバッタの大発生を促したとみられるのだが、これに対して各国も無策というわけではない。イギリスの支援で設立されたアフリカ天候気象情報センターではスーパーコンピューターを用いてバッタの行動範囲などを計算し、この情報に基づいて、時に軍隊まで動員しながら、アフリカ各国は効率的な駆除を試みている。

新型コロナに手を貸されるバッタ
 しかし、それでもバッタの大群は各地に飛散し続けており、それは大きな被害をもたらし得る。

 2003年から2005年にかけても、アフリカや中東の20カ国以上でサバクトビバッタによる蝗害が広がった。この時のFAOの報告書によると、対策のためにかかった経費は総額4億ドルを上回り、西アフリカ6カ国だけで838万人が食糧不足などの影響を受けた。

 今回、FAOは各国に約1億3800万ドルの資金協力を呼びかけている。少なくとも現状で金額だけ比べると、15年前より規模は小さい。
 しかし、今回の場合、タイミングが悪すぎる。ただでさえアフリカの問題は各国の関心を集めにくいが、新型コロナで各国の景気は冷え込んでいる。そのため、寄せられた支援は3月3日段階で5200万ドルにとどまる。

 つまり、前回より各国の手が回らない状況は、バッタの大群にとって勢力を広げやすくする要因になる。いわば新型コロナがバッタに手を貸しているともいえる。

 対応が間に合わなければ、その影響は各方面におよぶ。アフリカから中東にかけてはテロが横行し、紛争の火の手が各地であがっているが、食糧不足による社会の混乱はこれに拍車をかけかねない。

アジアに迫る影
 そのうえ、今回はアジアも無縁ではない。

 2003〜2005年の場合、最終的にはサウジアラビアなどアラビア半島でもサバクトビバッタの来襲は確認されたが、それまでに1年以上の月日を費やした。発生したのが西アフリカで、中東に達するまで距離と時間がかかったからだ。

 しかし、今回は東アフリカが発生源のため、15年前より早くアラビア半島を通過し、すでにアジアにその影をみせ始めている。

 アフリカと比べても人口過密なアジアでバッタが農作物を奪えば、食糧危機が発生するリスクはさらに高い。そのため、例えばパキスタンと隣接するインドでは、政府がドローンや殺虫剤などの調達を強化している。また、インドはもともとパキスタンとの間でカシミール地方の領有を巡って緊張が高まっていたが、バッタの来襲を受け、協力に向けた協議を進めている。
 気候などの問題から、サバクトビバッタが日本にまで飛来してくる可能性は限りなく低いかもしれない。

 しかし、今回の大発生は人道危機であるだけでなく、日本にも直接かかわり得る。アジアは中東やアフリカと比べて日本経済により緊密に結びついており、この地域で生産が滞れば、ただでさえ新型コロナでダメージを受けている日本のサプライチェーンは今よりさらに停滞しかねない。

 旧約聖書には、神の怒りに触れた古代エジプトで、病気の蔓延やバッタの大発生といった災禍が相次いだという記述がある(出エジプト記)。これを踏まえて、欧米メディアのなかには「世界の終わり」といったセンセーショナルな見出しを煽るものさえある。

 筆者はそこまで信心深くはない。しかし、バッタの来襲で食糧事情が悪化すれば、新型コロナですでに高まっていた国家間の緊張がさらに高まることは想像に難くない。少なくとも、バッタが日本にまで来なければ無関係、といえないことは確かなのである

【引用終わり】

サバクトビバッタの事は、前野ウルド浩太郎博士の「バッタを倒しにアフリカへ」という書籍で初めて知りました。前野博士が研究にゆかれたのは、西アフリカのモーリタリアでしたが、今回の発生は東アフリカのようです。

バッタは偏西風に乗って飛び回ります。この為に今回はアラビア半島を超えて アジアにも被害が出そうだという事で国連の食糧農業機関(FAO)が 2月から騒いでいるのに、資金も集まらず 対策もされないので 実際にアジアにも飛来し始めたのでした。

このバッタは 発生時期がコロナに近いので記事の中では コロナと同時期なのがバッタ被害を増長させていると指摘されています。本当にそうでしょうか?

私は コロナ騒動で 「WHOは 口だけ番長だ」という事をしりました。はいえ「口だけ」でも まともな事を言っていれば その提案を受け入れる国もあるのでしょうが、WHO提案通りにしていたら状況を悪化させる事ばかり言っているので 誰も相手にしなくなっているような状況です。

そして バッタ騒動の概略をこの記事で読みますと 国連の食糧農業機関(FAO)も WHOと大差ないのかもしれないと思うようになりました。だからこそ 食糧農業機関(FAO)には バッタ退治を実現させることができないような気がします。
はっきり言えは 食糧農業機関(FAO)が自分は何もせずに「東アフリカに発生したサバクトビバッタの退治をしろ」と国連加盟国に命令していても 多くの国に無視されている理由は 食糧農業機関(FAO)が各国から信頼されていないからなのかもしれません。だから 約1億3800万ドルの資金協力を 1ケ月呼びかけても3月3日段階で5200万ドルしか集められないのかもしれません。
私は 国連機関の多くが 勘違いしていると思います。それは自分達が 雇われ経営者と同じ立場だという事です。実際には国連加盟国の方が資金をだしているのですから 国連加盟国は株主と同じです。

この構図の中で 雇われ経営者が 株主から敬意と協力を得るためには、「今年の利益は ○○だと言いなと思います」と言ってもダメです。「私の指導力で 去年は○○利益を出しました」と実際の数字をだして初めて 敬意と信頼がよせられ、協力が得られるのです。「口だけ番長」は相手にされません。

つまり 言葉だけではなくて 実績・実際の行動による成果です。よって 私は食糧農業機関(FAO)に以下の質問をしたいと思います。

①2003〜2005年に西アフリカから中東まで バクトビバッタが来襲した。その後は どのような予防策をとっていたのですか?

②サバクトビバッタは雨量が多いと大量に発生しやすい。ならば 昨年10月から11月にかけて、降雨量が例年の約3倍に達した後 如何なる対策をとったのですか? 調査しましたか?地面を這う幼虫の内に退治する方法を講じたのですか?
本来ならば①も②も 国家がなすべきことです。ですからソマリアとケニアが 大発生しているバッタの幼虫を幼虫の内に駆除するべきだったのです。
しかし その国家が頼りにならず 他国に迷惑をかけるだろうと予測できるときに 事前に乗り出し他国に迷惑をかける事態に陥らないようにすることが 《常設》の国際機関の役割の一つだと 私は思います?
しかし 今回食糧農業機関(FAO)は ①②の対策ができずに、ソマリアとケニアの不始末によって 他国にまでサバクトビバッタの被害を広げてしまった。
自国で発生し害虫が他国に迷惑をかける構図は、中国で発生した新型コロナで他国が迷惑をかけられている構図と 同じです。そして 大雨が降った事で予測出来ただけに、サバクトビバッタが多国間に被害をもたらす事になった責任は、より重大だと思います。
けれど そんな事を言われても 食糧農業機関(FAO)もソマリアとケニアも責任を取れません。とる気もありません。
すると 批判を免れる為にどうするのか?
私は 本来の責任者2ケ国と食糧農業機関(FAO)が 
降雨量多くなったのは 地球温暖化の影響だ
降雨量多くなったから バッタの被害がでた。
だから 地球温暖化をさせた先進国が バッタの被害をもたらした。という《お話》を 2ケ国と食糧農業機関(FAO)作り出すような 妄想が浮かぶのを止めることができません。
グレタさんが飛び出してきて、食糧不足に陥ったソマリアやケニアの子供たちを指さして、「これが 人類すべての未来だ。この悲劇は あなた達のせいだ」と熱弁をふるう姿が、自然に 瞼の裏に浮かんでくるのです。

 まあ いずれにせよ インドと中国のあたりまで飛んで行ったので、サバクトビバッタはインドと中国が本気で退治すると思います。

 この両国は 人権だとか環境だとかは殆ど気にしませんので バンバン殺虫剤を使って退治してくれると思います。 

そして アフリカに実際に飢餓が始まれば 米国の余剰農産物が買い上げられてアフリカに運ばれると思います。
今年は米国大統領選挙の年なので もしかしたらトランプ陣営は 《いつ》「余剰農産物を 根こそぎ買い上げる」と発表するのが トランプ氏への投票を促すのに最も効果的なのか、時期を見ているかもしれませんね。
私にも こんな未来が見えるので 食糧農業機関(FAO)が騒いでも 先進各国は動かないのは 当然なのかもしれません。
つまり「サバクトビバッタが大量発生したのは 元と言えば お前ら(=食糧農業機関FAO)が 口だけで やる事やらないからじゃないか。頼りにならんから こっちはこっちでかってにやる」そんな意思表示で 食糧農業機関(FAO)が求める援助金が集まらないような そんな気がします。

 しかし 日本にまではこないはずだと思っても サバクトビバッタの影響は注視しておく必要があります。

 なぜならば コロナ感染による死亡率は3.7%~0.7%だと色々と言われていますが、食料が無かったら死亡率は100%です。ですから 世界有数の食糧輸入国の日本は、細心の注意を払って食糧確保に早めに取り組み始めた方がよいと思います。

ケニアの牧場でバッタの大群を追い払おうとしている男性(2020.2.22)(写真:ロイター/アフロ)

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