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良い事をしようとして、世界に悲劇を招来する事が解っていない人達。 ●米、戦争犯罪捜査で制裁 国際刑事裁は反発

トランプ米大統領は11日、国際刑事裁判所(ICC)がアフガニスタン戦争に従事した米兵らへの戦争犯罪捜査を承認したことへの対抗措置として、米国民への捜査や訴追に関与したICC当局者への制裁を可能にする大統領令に署名した。

 大統領令で「ICCの行動は米国の主権を侵害する恐れがあり、米国と同盟国の安全保障や外交政策を妨害し脅かす」と強調した。米国はICCに加盟していない。

 ICCは11日「こうした攻撃は法の支配を妨害する受け入れられない試みだ」と批判する声明を発表した。

●ICCを「脅迫」と67カ国声明 米の大統領令に、日本加わらず 6/24(水) 9:55配信【ブリュッセル共同 抜粋】
ICC締約国の過半数の67カ国・地域が23日、ICCを支持する声明を承認した。日本や韓国などは加わらなかった。  
声明はスイスとコスタリカが起草し、米国の措置をICCへの「脅迫」と指摘した。  
日本はICCへの最大の予算拠出国で、韓国は締約国会議の議長を出しているが、米国の反発を懸念したとみられる。独仏など欧州各国や中南米、オーストラリアなどは承認した。
【引用終わり】

戦争犯罪捜査というのは、極めて難しいと思う。殆ど不可能に近い。なぜならば、戦争というのは相手=敵を殺す事を奨励しているので、そもそもが平時で言えば為す事のすべてが犯罪だからです。

例えば昨年アフガニスタンで逝去された故中村哲医師が著した「天、共にあり・アフガニスタン30年の闘い・NHK出版」に次の記述があります。

【2003年11月に、我々PMSの用水路建設現場が機銃掃射を受けたとき、当局は「疑わしきは攻撃してから、確認する」と述べた。さらに、「戦死した戦友を想う気持ちを分かって欲しい」と付け加えた。当方は「空爆で肉親を失った人々の思いを解ってほしい」と言い返したかったが、報復をおそれて公言できなかった。

 米軍にとって最大の悩みは、敵と味方の見分けがつかないことである。「民主化」を叫び、法律を変え、タリバン勢力の駆逐を図っても、タリバンの生まれた文化的土壌までは抹殺できない。2003年、米軍の最大の協力者であった北部同盟がジャララバードの実権を握っていたが、他ならぬ反タリバン勢力が「新法律では治められない」としてタリバン時代の法律を復活させた。】

 つまりは、2003年に敵と間違えられて攻撃されたので抗議に言ったら、米軍当局から「(自分達には敵味方・無害の区別がつかないから、まずは無差別で)攻撃してから、確認する」と通告されたのです。

米軍が、味方確認ができないすべてを攻撃対象とした根拠は、「戦死した戦友を想う気持ち」=「戦友の復讐」+「自分は区別のできない敵の手にかかって死にたくない」だと思います。もし戦友の復讐心だけだったら、敵(タリバン等)だけに敵愾心が向くはずなので、よくわからない相手を攻撃する理由は自分が死にたくないだと思います。最も、アフガン人すべてに敵愾心を燃やしてしまった兵士もいるかもしれませんが…。

このように戦争状態になると、殺すことが正義という認識になります。その結果、巻き添えを食った人々は「空爆で肉親を失った人々の思いを解ってほしい」けれど、その時には復讐心を燃やして米軍を攻撃するのは、危険でしたので、ゲリラに身を投じた人もいれば、沈黙していた人もいました。

それを戦争が終結した後で「空爆で肉親を失った人々の思いを解ってほしいから、誤爆・巻き添えを戦争犯罪だ」と認定すると、これは正義なのかもしれないけれど・兵士になる人がいなくなる、またはアメリカは同盟国を守ってくれなくなるという結果をもたらすことになります。

良い事をしていると思っているでしょう。けれど、「ロシア軍や中国軍は、米軍以上に現地の民衆が巻き添えになっても構わない。疑わしきはどんどん殺せ」という認識だと思います。ですから、私は「ロシア軍や中国軍よりは米軍の方がはるかにましだ」と思います。またイスラム国の兵士たちのやり口と比較すれば、天と地の違いです。

どうも世界の人達は、米軍に対して不可能な事を要求しているような気がしてなりません。米軍に「神のごとき高潔な騎士道のもとで、命を捨てて民衆を守って欲しい」と、要求しているようにしか見えません。

そんな人達どこにもいません。少なくても、米軍はイスラム国の軍隊とは違って、自国の領土を戦いとって、地元の人間から搾取して女性を囲って贅沢しようという軍隊ではありません。

確かに米軍でも「海軍の一部の兵士の間では任期中、セックスワーカーを囲うことが当たり前とみなされてきた」そうです。しかし バーレーン海軍基地のグレッグ・スミス司令官は、かつて海軍兵士の間には、港ごとに女を囲うことがもてはやされる風潮があったと認めつつも、「いまその文化を変えようと努力している」と述べています。(追伸参照)
とはいえ「空爆で肉親を失った人々の思いを解ってほしい」という思いに異を唱えることは、私にはできません。しかし、9.11の後で米国がアフガンに攻め込む事を支持・容認した日本の国民である私は、米軍を断罪する事には反対します。

さてなぜ私がブログにこの記事を取り上げたかと言えば、私は「自分は善人だと思いたいから《人権》と騒ぎ立てる人達こそが、世界に悲劇を招来しているような気がしているからです。
即ち「世界に発生する好ましからざる状況を、米軍のせいにして断罪すれば状況がよくなる」という勘違いで、世界の治安をそれでも守っている米軍を弱体化させてしまえば、世界のあちこちで中国とロシアとイランとアルカイダをバックにする・イスラム国のような軍閥が大手をふって好き勝手をするようになります。すでにアフリカでは、軍閥支配があちらこちらではじまっています。
このように考えると「にぜ、今になって米軍のアフガニスタンでの戦争犯罪を捜査しようとするのか?」「なぜロシアの戦争犯罪は捜査しないのか?」「なぜ中東で続く紛争の戦争犯罪は捜査しないのか?」という疑問が湧き上がってきます。つまりこれは、中国とロシアが後ろにいるソフトの面での戦争なのでしょうか?

追伸●米海軍兵がタイ人少女たちを「性的人身売買」…性的暴行、虐待も 6/29(月) 19:00配信【COURRIER】

リトルジョン二等兵にセックスワーカーを斡旋していたレイウェストPhoto: Youtube Capture
2017年6月、中東のバーレーン米軍基地に従軍するジハード・リトルジョン二等兵は、懇意になったタイ人セックスワーカーのリン・レイウェストとワッツアップでチャットをしていた。
「君は本当にセクシーだ。君のおっぱいで眠りたいよ」 「あら、じゃあお金を払ってね」 そんな他愛のないやりとりを続けていると、レイウェストが「儲け話」を持ち掛けてきた。
私みたいなセックスワーカーをタイから何人か呼び寄せる予定だから、あなたも数人“買わない”? お仲間の海軍兵士相手に仕事をさせれば、いい稼ぎになると思う──。リトルジョンはすぐにその話に乗った。
平均年齢は16~19歳、相場は3万4000円
彼はセックスワーカーたちの“代金”として2650ドル(約28万4000円)をレイウェストに支払い、彼女たちを税金で管理されている基地外の自分の宿舎に住まわせた。そして逃げ出さないようにパスポートを取り上げると、売春させては上前をはねていたという。
海軍の調査文書や裁判記録をもとに、2020年6月にこのスキャンダルを報じた米軍事紙「ミリタリー・タイムズ」によれば、バーレーン基地に従軍する海軍兵士のうち、少なくとも9人が同様の性的人身売買事件に関与しており、うち5人は幹部クラスだったという。
事件を捜査したNCIS(海軍犯罪捜査局)によれば、性的人身売買はバーレーンの海軍兵士たちにとっては「楽に稼げる手段」で、およそ15%の兵士がセックスワーカーを宿舎に囲っていた。
これまでにおよそ10~15人のセックスワーカーと関係を持ったという軍高官は、「彼女たちはバーレーンまでの渡航費用としておよそ6600ドルの借金を人身売買業者に負っており、それを返済するために働いていた」と話す。また、彼女たちの多くはパスポートを没収され、逃亡できない状態にあったという。
また、レイウェストと思しき女性にやはりティンダー上で「タイからセックスワーカーを“買わないか”」と誘われた元海軍特殊部隊の男性(38)によれば、女性たちの年齢は16~19歳で、1回の相場は120バーレーンディナール(約3万4000円)だと言われたという。
美人局の被害にあった兵士もいる。基地の航空技術者だったデニス・ミュレン二等兵は、フィリピン人女性が主催したホームパーティーで「サイフォン」と名乗る女性と意気投合し、彼の宿舎で性行為に及んだ。 するとその直後にサイフォンの仲間だと名乗る男性から、「彼女はセックスワーカーだ。海軍に買春をばらされたくなければ、60ドルを支払え」と脅迫された。その男性は、海軍警察に属していたという。
髪をつかまれ、枕に顔を押し付けられ…
中東の海域を管轄する米第5艦隊はバーレーンの首都マナーマ郊外に本部を置き、そこで約7500人の海軍兵士が任務にあたる。本部の周辺にはバーやナイトクラブが濫立し、夜な夜な女性たちと遊び回る兵士の姿が目につく。
米海軍専門紙「ネイビー・タイムズ」が、バーレーンに出稼ぎに来て、性暴力被害にあったタイ人女性の声を取り上げている。 レイウェストの手引きでタイの農村からバーレーンに売られてきたメアリー(18)は、新天地で心優しい海軍の高官と結婚し、アメリカで新生活を送ることを夢見ていた。
ところが、彼女のそんな願いは無残に打ち砕かれる。 2017年9月、メアリーは歓楽街にあるバーで出会った海軍兵士と145ドルで「ノーマルな行為」をすることに同意する。だが、宿舎に到着すると男は豹変。メアリーの承諾なしにアナル・セックスを強要し、逃げようとする彼女の髪をつかむと、叫ぶのをやめるまで枕に顔を押し付けたという。
NCISの調査の結果、犯人は軍の物流責任者カルバン・ハーフエーカー(42)と判明。彼がメアリーの他にも2人の女性をレイプした事実も明らかになった。 被害者の女性のひとりは「彼にレイプされた記憶が毎日頭に浮かびます。これは私の人生に一生影響するでしょう」と話している。
人身売買業者と米海軍の癒着
一連のスキャンダルが発覚したきっかけは、レイウェストによる密告だった。
2017年7月、冒頭のリトルジョン二等兵が囲っていたセックスワーカーたちが逃亡する事件が起きる。すると、リトルジョンはレイウェストを責め、支払った金を返すように迫った。 この脅迫を受けて、レイウェストはワッツアップ上のやり取りを証拠にNCISにことの顛末を報告。リトルジョンは性的人身売買の罪などで起訴されたが、レイウェストが証言台に立つことをNCISが認めなかったため、証拠不充分で無罪となった。
だが、この事件が引き金となり、他の性的人身売買事件にも捜査の手が及ぶことになる。 「ミリタリー・タイムズ」によれば、実はレイウェストは売春斡旋業と並行してNCISに情報提供もしていたという。同紙はレイウェストが関与した事件は他にもあるとして、彼女が米第5艦隊の幹部と深くつながっていた可能性を示唆している。
他の性的人身売買事件で告発されている兵士の弁護士を務めるブライアン・プリテラによれば、NCISはレイウェストの関わった任務や彼女に支払った報酬といった情報の開示を拒んだ。プリテラは「レイウェストと軍上層部の間には、我々がつかんでいない秘密がまだまだ隠されている」と睨んでいる。
ハーフエーカーの弁護士、フィリップ・ケイブもレイウェストは売春業を邪魔されずに続けるため、NCISやバーレーン当局とコネを作ろうとしていたと主張する。
事情聴取で軍高官の関与を証言する容疑者もいるが、米海軍は彼らの名前や身元情報を公にしていない。プリテラ同様、起訴された兵士の弁護士を務めるステファン・カーンズは、上層部は軍内部の構造的な問題を無視し続けていると話す。
買春が当たり前の文化
バーレーンで米海軍兵士による性的人身売買が相次いだ原因として、「ミリタリー・タイムズ」は同国の環境をあげている。
イスラム教が多数派を占めるバーレーンには、イタリアや日本など他の駐留地と違い、家族を帯同せずに赴任する兵士が多い。地元の女性と知り合う機会も極端に少ないため、米兵をターゲットにした売春ビジネスが花開いているのだ。
また、同紙は「海軍の一部の兵士の間では任期中、セックスワーカーを囲うことが当たり前とみなされてきた」と指摘する。バーレーン海軍基地のグレッグ・スミス司令官も、かつて海軍兵士の間には、港ごとに女を囲うことがもてはやされる風潮があったと認めつつも、「いまその文化を変えようと努力している」と述べている。
米海軍は現在、人身売買や性犯罪を防止するためのトレーニングをおこなうなど、兵士の意識改革に努めている。また、性的人身売買の問題は厳しく取り締まられており、2018年末からは事件が起きたという報告はないと主張している。 だが一方で、スミス司令官は「毎晩、兵士全員を監視することはできない」と、問題解決の難しさも認めている。
Courrier Japon

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