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「世界は一家、人類は兄弟」は綺麗ごと。「国家は一家、国民は兄弟。世界は町内会、町内会費を集めるだけ…」が実際。 ●新型コロナワクチン、米国に優先供給? サノフィCEO発言に仏政府反発

2020年3月16日、米ワシントン州シアトルで始まった臨床試験で、新型コロナウイルスのワクチンの接種を受ける人(AP)
フランス製薬大手サノフィの最高経営責任者(CEO)がこのほど、新型コロナウイルスワクチンの開発に成功した場合、米国が真っ先に受け取る権利があるとも取れる発言をし、波紋を広げている。これに反発したフランス政府は、19日にCEOと協議する方針を明らかにした。
サノフィのポール・ハドソンCEOは13日、米ブルームバーグ通信とのインタビューで、「米国がリスクを取って投資したのだから、最大の事前発注を行う権利は米国にある」と発言。米国は「自国がリスクを冒して製造を支援した場合には、自国が真っ先にワクチンを入手する」ことを期待しているとも述べた。
これに対し、フランスのマクロン大統領は声明で、新型コロナワクチンは「世界の公共財として扱われる必要があり、市場の法則に服するべきではない」と反発した。
パニエルナシェ副財務相も14日の声明で、「もしサノフィが財務上の理由で新型コロナワクチンを特定の国向けに優先的に確保するなら、それは受け入れがたい」としている。
一方、サノフィの広報は15日の声明で、ハドソンCEOの発言は誤解されたと説明。米政府に付与する優先権は米国で製造するワクチンのみに関わるものであり、サノフィは全ての場所で可能な限り早くワクチンを製造することを目指していると述べた。
そのうえで「迅速かつ大量のワクチン製造は資本集約型の事業であり、国家の財政支援によってのみ資金調達が可能になる。これこそ米国で起きたことだ」とした。
サノフィは米生物医学先端研究開発局(BARDA)との間で数億ドル規模の資金調達契約を締結し、うち3000万ドルが既に支払われたという。
サノフィは新型コロナワクチンの開発を進める企業の中で最大規模で、フランスなど32カ国で製造施設を運営している。
●新型コロナワクチン「まず米国人」 米、無料接種の方針
6/17(水) 9:39配信【朝日新聞デジタル】
新型コロナウイルスの感染拡大をめぐり、米政府高官は16日、米政府が確保を目指しているワクチンが利用可能になった場合、自国民を優先して自己負担なしで接種させる方針を明らかにした。有望なワクチン候補を絞り込んで投資し、来年1月までに3億回分のワクチンの提供を目指す。  
米政府は、100億ドルかけてワクチン開発の加速を目指す「ワープ・スピード作戦」と名付けた計画を実施。すでに米製薬大手ジョンソン・エンド・ジョンソンや米バイオ企業モデルナといったワクチンを開発する複数の企業に約5億ドルの支援を表明している。  
英オックスフォード大と英製薬大手アストラゼネカが開発するワクチン候補には最大12億ドルを支援し、ワクチン3億回分を確保したとしている。ワクチンを入れる注射器や小瓶などの調達も進める。  
政府高官によると、こうして確保したワクチンを優先順位をつけて段階的に提供する方針だ。「我々の優先順位は明らかだ。まずは米国人を助け、余剰が出れば世界に回す。もちろん他国が(独自の契約で)確保することを妨げることはできない」としている。
【引用終わり】
仏のマクロン大統領は、新型コロナワクチンは「世界の公共財として扱われる必要があり、市場の法則に服するべきではない」と綺麗な言葉を使って、「仏の製薬会社が、フランスより先に米国にワクチンを提供するのは許せない」と発言しました。多分本音は「フランスの製薬会社なのだから、フランス政府が資金を出さなくても、資金を出した米国の後になるのは嫌だ」という事だと思いますが、それを言っては面子が無くなるので、綺麗ごとで牽制したのだと思います。
ただご本人も「世界の共通材だ」などとは全く考えておられないと思います。本当に世界の共通材であるとしたら、先進国も開発途上国も公平に、ワクチンのできた端から人口割で世界に配布する事になります。しかし、マクロン大統領はそんなことは全く想定していないと思います。
また仏パニエルナシェ副財務相も「もしサノフィが財務上の理由で新型コロナワクチンを特定の国向けに優先的に確保するなら、それは受け入れがたい」とおっしゃっておいでですが、私には空々しく聞こえます。民間会社が財務上の理由つまり高いお金を払って購入してくれる国を優先させるのがいけないとしたら、「世界ワクチン基金を作って、お金のある国が資金を出して、お金のない国に無料でワクチンを公平に分配しよう」とでも提案しない、その会社につぶれろと言っているのも同じです。
この点で、米国政府高官の「(資金を提供しているのだから)我々の優先順位は明らかだ。まずは米国人を助け、余剰が出れば世界に回す。もちろん他国が(独自の契約で)確保することを妨げることはできない」という発言の方が、理屈が通っていると思います。
即ち、機会は均等だ。その中で米国は開発資金をどの国よりも一番早く・一番多く出した。他国が米国よりも早く欲しいのならば、米国よりも先に沢山資金わ出せばよかったじゃないか…。さらに、他国が製薬会社と米国同様に資金を出すなど独自の契約をして、確保することを妨げることはできないと言っているのですから…。
そういう訳で結局ワクチンは、それぞれの国がそれぞれの手段で手に入れることになると思います。米国は世界中の会社に一番早く一番資金を出したことで一番先に、次のグループは色々です。日本は米国に媚びを売ったり資金を出したりで、第二グループに入ります。フランスは口八丁手八丁で、ワクチン代しか支払わなくても、第二グループで手に入れます。英国やドイツは自国の会社にワクチン開発を急がせます。だから第一グループになるのか第二グループになるのかはまだ解りません。多分どちらかでしょう。
中国は、できたら米国より先にと思って頑張っていると思いますが、遅くても米国がワクチン接種を始めたらすぐワクチン接種を始めます。中国で効果のあるワクチンがつくれているかは、マスクと同様に、外国に輸出されてからでないと解りません。取り合えず国内だけで有れば、いざとなれば《どんな名前のワクチン》でもつくれますから、米国にさほどの遅れを取る事はないと思います。
いずれにしても、やはり「世界は助けあいだ。国際協調だ」というのは、まず自立した後の話です。
この意味で
「国家は一家、国民は兄弟。
世界は町内会、町内会費を集めるだけ…。」というのが、現状のようだと思います。
ご近所づきあいでもおすそ分けをすれば、何かの折に返してくれる人もいますが、貰いっぱなしの人もいます。この点で、中国韓国は貰いっぱなしのご近所さんです。返す返すも、中国に送ったマスクと防護服(東京都・33万着余り)を米国に贈っておけばよかったのにと思います。

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