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福沢諭吉が「脱亜入欧」を唱えた意味を解説します。中国に支配されてウィグルや香港になるのに比べたら、「G7のしっぽ」で「ちよっと居心地が悪い」状態は天国です。【引用開始】★ 寺島実郎氏「サンモニ」で「日本はG7のしっぽ」発言 対中包囲網参加に疑問 



 寺島実郎氏
評論家の寺島実郎氏が20日、TBS系「サンデーモーニング」に出演し、主要7カ国(G7)サミットでの日本の立ち位置に苦言を呈した。   
イギリスで開催されていたG7サミットが13日に閉幕したというニュース。首脳宣言ではワクチン外交を進める中国などに対抗して、G7諸国で途上国などに10億回分の新型コロナウイルスワクチンを提供することなどが表明された。また、中国に、新疆ウイグル自治区や香港で人権や基本的自由を尊重することを求めた。台湾海峡の平和と安定の重要性も強調された。  
寺島氏は、これに対して「G7は対中包囲網みたいな形で捉えがちなんですけども、日本の立ち位置をしっかり考えなきゃいけない」と方向性を疑問視した。「日本はアジアの国なんです。G7の一番しっぽにくっついてるんじゃなくて、アジアの国としてG7に参加してる」と欧米諸国とはスタンスが違うと解説した。  
今後、インドや東南アジアを含むアジアが、世界GDPの半分を占めるような時代が来る可能性を示唆し「日本はアジアをどうしたいと思っているのか」と呼びかけた。
続けて「『北朝鮮が危ない』とか『中国が危険だ』っていう側にまわって、一緒になってるんじゃなくてですね、『アジア全体を日本てどう考えてるんですか?』というまなざしが、ぼくのところには投げつけられて来ますね」と厳しい意見を紹介した。  
これに、ネット上では「ウイグルも香港も台湾もどうでもいいのか」「中国対抗姿勢が気に入らないの?」と疑問視する声もあった。
【引用終わり】
福沢諭吉が「脱亜入欧」を唱えた意味を解説します。
一言でいえば、「日本は欧米諸国とは共生できるが、中国・朝鮮とは付き合えない」という意味だと、私は読み解きます。
しかし、寺島氏は「日本はアジアの国だ」と、発言されています。寺島氏の言わんとする事は「戻亜離欧 (れいありおう)しろ」だと思います。
しかしですね、確かに日本列島はアジアに位置していて、日本人は人種的にモンゴロイドです。ただ、日本の先人達は、古代の時代に中華文明とは袂を分かつと決めて、世界的にも珍しい1国1言語1文明の日本文明を築いてきました。ですから、日本は元々中韓とは違うので、中韓と同じアジア代表としてG7に参加しているのではありません。
一方で、日本は欧米とも違う文明なので、キリスト教文明圏の欧米諸国の中に入ると、1国だけ毛色も思考方法も違うので「G7のしっぽ」には視えます。「ちよっと、居心地が悪い」感じもします。
しかし、それでも日本文明は『現代の』欧米キリスト教文明とは、共生が出来ますが、中華文明とは付き合うのが難しいのです。
その理由を説明します。
日本人と欧米人が、小さなトラブルだけで、昨今は長年取引を続けていられるのは (即ち、共生していられるのは)、仏教の「十善戒」とユダヤ・キリスト・イスラム教の共通戒律「モーゼの十戒」の中に、「殺すな・盗むな・男女関係を乱すな・嘘つくな・貪欲を慎め」という、同じような戒律があるからです。
人間関係においてトラブルの元になるのは、大抵この五項目のうちのどれかですので「五項目は悪い事だ」という共通の認識がある、日本文明社会とキリスト教文明社会は、色々と摩擦は生じても、話し合いをしながら共生する事が出来るのです。
ところが中国の社会基盤は儒学ですが、この五項目の基本戒律がありません。というか、儒学は学問なので、人間として守らなければならない「戒律がない」のです。儒学は、マルクスの共産主義と同じで、宗教ではなくて理論なのです。
どういう理論といえば「最高権力者に従え」という理論です。
中国共産党の国旗は、一つの大きな星に4つの小さな星ですが、4つの小さな星は頭を大きな星の方に向けて、大きな星に従うポーズを取っています。
これは、論語の為政第二の一の
孔子の言「徳をもって政治を行えば、中心に鎮座する北極星が他の星々を従えるようになる」から取っています。
つまり、基本的に中国は 「自分の上司に従う事が正しい」という社会です。その中で、自分の上司の上司の…上司は中華皇帝=共産党主席なので、「習近平主席には従わなくてはいけない」と中国人が自然に感じることで、中国の秩序が維持されています。
その上で論語には、家庭生活での面で道徳には、子路第十三の十八があります。
楚の地方長官である葉公が、孔子先生に言った。 
「私の領内に正直で有名な者がいます。その父親が羊をかすめたのですが、子どもの彼は、その盗みの事実を証言したのでする」
孔子の言。「私どもの正直者はそれと違います。父は子のために隠し、子は父のために隠しますそれがあるべき正直であり、自然な人情ではないでしょうか」
即ち、孔子は「自分の情愛・願望に正直になってよい」と言っているのです。
結果として、中華文明では、為政第二の一と子路第十三の十八が合わさって 「自分の上司に従ってさえいれば、(自分の情愛・願望のまま正直に)、殺しても・盗んでも・男女関係を乱しても・嘘をついても・貪欲に貪ってもいい」という社会になったのであります。
ですから、韓国人の自称慰安婦女性が《事実と違う証言》をしたとしても、彼らにとって、それは《嘘ではない》のです。「事実と違う事をいって、日本から賠償金を貰えたらいいな」という自分の願望に《正直な発言》なのです。
そして、「自称慰安婦女性が事実と違う事をいうために、日本に謝罪させて金を引き出せればいいな」というのが、多くの韓国人の正直な願望なので、多くの韓国人にとっては《嘘ではない》のです。
また、第二次大戦中に撃沈されて軍人の遺体を乗せたまま海に沈んでいる英国の軍艦を引き上げて、くず鉄として売って儲ける中国人も、自分の願望に正直なだけです。
何しろ中華文明は「自分の上司に従えば、自分の情愛・願望の命じるままに何をしてもよい」という自由奔放な社会なので、彼らは他人の生き死に対して余分な感傷をもたず、他文明の人達が「ぎょっとする事」も平気で出来るのです。だからこそ、中華文明社会の人達は嘘をついて恥じることが無いばかりか、嘘で儲けられれば頭がよいと評価するわけです。
この為に、日本は、歴史上ほとんどの時間を鎖国状態で過ごしてきました。隣国である中国や朝鮮半島とは、とても付き合えなかったからです。
日本が鎖国状態を通していたのは、日本人がとりわけ内向的な民族であるからではありません。
その証拠として、古代の時代に度々遭難する危険の中でも遣唐使を送り続けました。また、十六世紀から十七世紀に欧州・東南アジアの国と交易をおこなっていた時には、とても外交的でした。遠くヨーロッパ大陸まで使節を送り出したり、東南アジアの各地に日本人街ができるなど、積極的に海外に出て行っていたのです。
本来の日本人は、とても好奇心が旺盛で、外国のモノでも「いいな」と思ったものは何でも取り入れて、外国とお友達になれれば「仲良くしたい」という気持ちをもっています。
なのに、現実には、日本は 朝鮮半島とは白村江の戦いから明治時代まで約千二百年間、中国大陸とは、遣唐使の廃止から約九百五十年間、天皇陛下の後勅使を派遣する正式な国交を持たずに時を過ごしてきました。
それは、中華文明諸国とはとても付き合えなかったからです。
しかし、どうも (寺島氏のような) 日本と欧米のインテリの皆さんは「殺すな・盗むな…」という5戒律は人類に共通で、中華文明はその上に論語が載っていると勘違いして、センチメンタルな憧れを抱いてしまうようです。 
ですから「論語にはどこにも『殺すな・盗むな…』の5戒律は書いてありません。それどころか『お父さんの為には嘘つけよ』と書いてあります」と、私は言いたいのであります。
確かに日本は、キリスト教文明社会とも気心が知れた付き合いはできません。
キリスト教徒は『神が天地を創造した。その中で人間は創造神から地上の支配権を与えられた』と信じています。ですから、紙から与えられた権限で、なんでも自分たちの好みで決めていいと思っています。例えば、捕鯨をするか鯨を保護するかは、自分たちの好みで決めてよいと思っています。だから、付き合うのには気骨が折れます。
しかし、それでもまだ、欧米キリスト教文明圏の人達とは《事実》に基づいて話し合う事は出来ますし、互いに何かを約束する事もできます。
だから日本は『脱特亜入欧』で生きていった方がよいのであります。

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