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世界の多くの場所で、革命・叛乱が起こる理由。 ●イスラム諸国ラマダン入り 新型コロナで様変わり

 【ドバイ、カイロ共同】
© KYODONEWS イラクの首都バグダッドでラマダンの準備のため買い物をする人々=23日(ゲッティ=共同)
サウジアラビアやエジプトなど多くのイスラム諸国で24日、1年で最も神聖な月ラマダン(断食月)が始まった。日中は飲食せず、日没後に親族や友人らと集まって食事し、モスク(礼拝所)で集団礼拝するのが伝統的な過ごし方。今年は新型コロナウイルスの影響で様子が一変しそうだ。
 中東では各地のモスクが閉鎖され、多くの国が外出禁止令を出している。二大聖地があるサウジの宗教権威は自宅での礼拝を呼び掛けた。イランの最高指導者ハメネイ師も、新型コロナ感染者は断食しなくても良いとのファトワ(宗教見解)を出した。
●「中国に帰国するな」発言 中国大使に批判殺到
4/25(土) 6:29配信【テレ朝ニュース】
ロシアから中国に「帰国するな」と呼び掛ける大使の口調に批判が殺到しました。駐ロシア中国大使・張漢暉氏は:「感染が収束するまではすべての国境検問所で特例なく入国を許さない」
ロシアにいる中国人に「帰国するな」と警告しているのは現地に駐在する中国の大使です。中国の北東部では国境を接するロシアから帰国した中国人らに新型コロナウイルスの感染者が見つかるケースが相次いでいて、当局はロシアとの国境を封鎖するなど警戒を強めています。
一方で、大使の発言に対してSNSでは「国民を敵のように扱うな」などの批判や「何でこんなに偉そうなんだ」といった反発が殺到しています。
【引用おわり】
全く関係なさそうな二つの国の二つの広報を並べてあげてみたのは、根源的な所で「自分が感染したくない時には、建前が吹っ飛ぶ」という所が同じで興味深いと思ったからです。
➀イランの最高指導者ハメネイ師も、新型コロナ感染者は断食しなくても良い
宗教国家イランで最高指導者が「戒律を守らなくて良い」と見解を出すのは、ある意味で危険な事です。なぜなら、イラン人がハメネイ師に従わなくてはならない論拠は、「イスラムだけが正しい。→イランイスラムの最高指導者だから、ハメネイ師に従わなくてはいけない」だからです。
勿論イラン人もその多くはイスラム原理主義者ではありません。ですから感染者は断食しなくてよいという常識的な見解は、多数派の人たちには受け入れられます。しかし、原理主義者の怒りを買う危険はあります。
多数派の人達が「ハメネイ氏を崇める過激な原理主義者の実力行使に、逆らわずにいる」ので、現在のイランでは「ハメネイ師は、大統領を臣下扱いできる」のです。
つまりハメネイ師の支配は、イスラム原理主義者の人達が「ハメネイ師の言葉に従う事が正しいイスラムであり、逆らう人間は同胞イラン人でも殲滅しなくてはならない」と信じて実行していることで成り立っています。
それなのに、コロナという理由があっても「イスラム法に従わなくても良い」という見解を示すことは、狂信的なイスラム原理主義者に対する「裏切り」になります。この為に、少数の自分を支えている人達からは不満を持たれるかもしれない見解なので、ある意味で危険なのです。
しかし、ハメネイ師の周辺の人達もコロナに感染しました。今も側近が感染しているかもしれません。最悪自分も感染するかもしれません。だから「自分と側近の命とイスラム法の順守を秤にかけた結果、イスラム法を破っても良い」という見解になったのです。「命あっての物種」ですからね。
他人には「イスラムの為に、自分の命を捨てろ」とジハードを呼びかけて、自分達の命がかかると「イスラム法を守らなくてよい」ではなんか変のような気もしますが、普通の独裁者はこんなものです。
そして、ロシアにいる中国大使が同胞中国人に「帰国するな」と呼び掛けたのも、同じ理由です。
普通の国ならば「ロシアにいる方が危険だから、早く帰国しろ」です。そして、感染しているかもしれないので、経過観察したり隔離したりします。中国武漢が危険だという時には、多くの国が自国民を迎えに行きました。今でも大抵の国は、外国人の入国は許さなくても自国民の帰国は受け入れます。
中国でもベトナムで反中デモが荒れ狂った時などには、すばやく中国人の帰国便を飛ばして、自国民を守る姿勢を国内でアピールしていました。ところが感染しているかもしれないから「帰国するな」とはどういう事でしようか?
嘘か真か、中国で感染爆発していた頃には「ロシアは中国人をまとめてシベリアの某所に収容していた」という話も漏れてきました。つまりロシアで発症すると、きちんと治療してもらえるか解りませんので、「帰国するな」は「最悪、ロシアで死ね」になります。
「ロシアにいる中国人を守る」はずの駐在ロシア中国大使の口からは、絶対に出てはこないはずの言葉です。つまり中国政府の「自国民を守る姿勢は単なる芝居で、今は本当の危機なので見捨てます」と言っている訳です。
独裁国家の本当の姿はこうなんだろうなと思いました。
駐日アメリカ大使館は「東京で感染爆発が起こりそうだ」と騒がれていた頃、在日アメリカ人に帰国準備を呼びかけていました。すでに感染爆発が起こって医療崩壊している祖国へ(それでも)帰国しろと呼び掛けていました。日本人の私から見ると、「アメリカの方がかえって危険なのでは」と思いましたが、やはり「最後に守ってくれるのは祖国だけだ」というのか国際常識なのですね。
とすると「今は、本当の危機なので見捨てます」と言われる人たちは、本当に困った時には叛乱を起すしかなくなるという事になります。だから「世界の多くの場所で、革命とか反乱が起こるのだ」と納得できました。

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