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国際通貨基金(IMF)も世界銀行も、中国の意向で動くよう内部から浸食されていたようです。多分中国の要求がセコイので「この位だったら…」という受容が積み重なって、ジワジワ中国に入り込まれたのです。【引用開始】●IMF当局者「恒大リスクは食い止められている」中国経済への影響で


国際通貨基金(IMF)の中国責任者、ヘルゲ・バーガー氏はブルームバーグTVとのインタビューで、「(恒大集団)リスクを封じ込める手段が中国政府にあると理解されている」と発言。不動産セクターのリスクは、現時点で同セクターに限定する形で抑え込まれているが、事態悪化に備えて当局は状況を引き続き注視すべきだとした。…
IMFは19日、新型コロナウイルスのデルタ変異株感染拡大とワクチン接種の遅れを理由に挙げ、今年の中国およびアジア太平洋地域の成長率見通しを下方修正した。中国については、新型コロナのクラスター発生が続いていることや財政政策の引き締め、不動産セクターの問題を反映させ、従来の8.4%から8%に引き下げた。
…アジア太平洋の成長率6.5%に下方修正。
●IMF、中国優遇疑惑のゲオルギエワ専務理事続投
(2021/10/12 17:10 産経新聞 塩原永久 抜粋)

世界銀行の報告書で中国の順位が不正に引き上げられた問題をめぐり、国際通貨基金(IMF)の理事会は11日、元世銀幹部で、不正関与が指摘されたゲオルギエワIMF専務理事の続投支持を決めたと発表した。…

世銀が米法律事務所に委託し、不正問題を明らかにした内部調査を9月中旬に公表して以降、ゲオルギエワ氏や、この法律事務所から聴取して調べていた。

問題があったのは、ゲオルギエワ氏が世銀最高幹部だった2017年10月に公表された報告書「ビジネス環境の現状」。中国高官と接触し、働きかけを受けた同氏や側近が担当部門に圧力をかけ、中国の順位が本来の85位から78位に不正に引き上げられたという。

ゲオルギエワ氏は世銀の調査結果を否定していた。

同氏はブルガリア出身で2019年10月にIMFトップに就任した。

英紙フィナンシャル・タイムズによると、理事会の協議ではフランスやドイツなどの欧州各国が、中国やロシアとともにゲオルギエワ氏の擁護に回った。

米国と日本は「徹底した調査が必要だ」などとして、同氏の続投承認は時期尚早だと主張していたという。

【引用終わり】

国際通貨基金(IMF)のバーガー氏は「(恒大集団)リスクを封じ込める手段が中国政府にあると理解されている」と発言して、恒大集団が海外の金融市場でドルの借り入れに対して利払いをしない状況でも、『海外の投資家が、中国から一目散に逃げ出すのを止めようとしている』ように、私は感じます。

バーガー氏の発言か、『世界の金融市場の安定』を願っての発言か、はたまた『中国を助けたい』と願っての発言かは、私には解りません。

ただ、IMFが「デルタ変異株感染拡大とワクチン接種の遅れを理由」に「中国およびアジア太平洋地域の成長率見通しを下方修正した」のは、明らかに中国の成長の鈍化が中国経済のもつ構造的な問題によるのではなく、新型コロナという一過性の災難によっていると勘違いさせる印象操作です。

なぜならば、確かに東南アジア諸国は、デルタ株の拡大とワクチン接種の遅れで、ロックダウンの措置を取った為に経済を人為的に悪化させました。

しかし中国は、2回ワクチン接種率が72.56%で、スペイン・カナダに続く世界第3位(10月20日現在)で感染を抑え込んでいると宣伝しています。ですから、中国は新型コロナのせいで経済が落ち込んでいるのではないのです。しかし、IMFは東南アジアと一緒くたにして、中国の経済の追い込みは一過性と勘違いしやすいように、印象操作をしています。

最も、中国一国に対しては「新型コロナのクラスター発生が続いていることや財政政策の引き締め、不動産セクターの問題を反映させ」と言い換えもしています。流石に、中国の経済の落ち込みを新型コロナだけのせいにするのは、余りにも嘘くさいので、誰も信じないからでありましょう。

しかし、IMFの発表の仕方は、中国を東南アジアと一緒くたにしてみたり、クラスター発生が続いていると指摘してみたりと、『中国でGDPの3割を占める不動産投資が爆発したら、中国経済が炎上する』という事実に煙幕を張っている事がみて取れます。

ただ、その方法は、真っ赤な嘘ではなく、印象操作です。

つまり、今現在のIMFが中国の完全な腰巾着だったら『コロナによる東南アジア経済の落ち込みによって、中国経済も回復が遅れている』というように、『中国自身には何の責任もないから、すくにまた中国は力強く発展する』と真っ赤な嘘をつくでしょう。

しかし、今現在のIMFでは、それは出来ないようです。多分IMF職員の全員が中国に篭絡されている訳ではないので、あまりにオカシイ嘘はつけないのだと推測します。

だから、印象操作をするのです。

IMFと同じような事は、世界銀行でも発生しているようです。世界銀行では、2017年の「ビジネス環境の現状」報告書で、「中国の順位が本来の85位から78位に不正に引き上げられた」そうです。

どうもセコイ感じがします。今の中国の戦狼外交の勢いだったら85位を8位と主張しても不思議ではありません。しかし、やはりそれでは、一発でオカシイと解ってしまいます。その為に、素人には解らぬ範囲の78位にせざるを得なかったのだと思います。

ただ、これを毎年やっていけば、10年後には20~30位でも(皆の感覚がマヒして)おかしくなくなってしまいます。

いずれにしても、世界銀行でも職員の全員が中国に篭絡されている訳ではないので、あまりにオカシイ順位にはできなかったのだと推測します。

しかし、これはこれで危険な事です。中国が日本の尖閣諸島を奪う為に行っているという、「サラミ戦術」と同じだからです。

【サラミ戦術は、敵対する勢力群を、まるでサラミを薄くスライスしては食べる事で終には全部たいらげてしまうようにして、少しずつ滅ぼしていく戦術・戦法である。
また外交手法の一種で、議題や措置を出来るだけ細かく少しずつ出して交渉相手から対価獲得や時間稼ぎを行う手法も指す。(ウィキペギアより)】
ですから、国際通貨基金(IMF)・世界銀行・世界保健機関(WTO)などの国際機関に対して「オカシイ事はオカシイ」と指摘して声をあげる事は、とても良い事です。

そうすれば、国際機関の中の中国に篭絡されていない職員が、自信をもって「オカシイ要請を拒絶できる」ようになるからです。そして部下に疑念を持たれて抵抗される(もしくはマスコミに暴露される)と思えば、中国と仲よくしている幹部も「オカシイ要請をしづらくなる」のです。

ですから中国には、決してあきらめずに公明正大な主張を続けて、根気よく公正な行動をし続ける事が、適切な対処法なのだと思います。

ソ連との冷戦は40年以上続きました。ですから、これから中国のデカップリング(切り離し)が始まるとして、50年以上の長期戦を覚悟した方がよいです。

過去を振り返れば、中国大陸の王朝は飢餓・疫病などで揺らぎ始めてからでも50年~100年位は持ちます。ですから、今年間20万件以上ともいわれる暴動が起こっていても、普通の国なら崩壊が近いのかもしれませんが、中国ではまだ先は長いのです。

この意味で、中国ウォッチャーの中には「中国崩壊近し論」を唱える人が少なくありませんが、私は「中国は下り坂に入った」という見方をしています。

例えば、現代ビニネス(10/20(水) 16:32配信)の【習近平が“自爆”へ…中国「不動産バブル」潰しで、中国国民たちの「怒りと反乱」が始まる!】という見出しをみれば、中国共産党の崩壊が5~10年位で起こりそうな気がします。
しかし中身をみると、まだ先は長いと解ります。
例えば、恒大集団に書かれた部分を一部引用します。
【恒大集団問題は、サブプライムショックの再来との話もあるが、かつてのリーマンブラザーズなど大手金融機関が手掛けたサブプライムローンの総額は200兆円弱で、小口証券化されて様々な金融商品を含めると数百兆円の規模といわれていた。  
恒大集団の負債は30兆円ほどで、そのうち外債は2兆円ほどで、理財商品(年利10‐25%)の残高は7000億円ほどのため、仮にデフォルトという結末となっても、世界の金融機関に対しては、アルケゴス・キャピタル・マネジメントの破綻インパクト(世界の金融機関は合計で1兆円ほど損失)レベルか、それ以下と推測される】
成程、恒大集団がデフォルトしても、国際的な金融崩壊を起す事はないようです。だから中国当局は、中国国内だけで元建ての利払いをさせて、海外のドル建ての利払いをせずに海外分のドル建てだけデフォルトさせるのかもしれません。
「中国国内での暴動を抑えればよい」という考え方だと、これが最もよい方法です。
 しかし、ドルを中国に投資する外国人に損をさせると、中国にドルで投資する人が減りますので、経済をまわすという面からするとマイナスになります。
 中国は、今年1~3月に海外市場で1200億ドル以上の債権を発行して、世界中からドルをかき集めています。まるで中国国家が、恒大集団と同じように自転車操業しているように、私の目には映ります。
 ですから、中国が石炭不足で転電している。今年の冬には暖房用の石炭も足りない。などというニュースに触れると、『ドルが足りなくて、買い控えしているのではないか』と勘繰ってしまいます。
 こういう推測を立てると、「中国共産党の先は長くない」と感じたくなりますが、中国では大躍進政策の時には4000万人が餓死しても国が保ちました。文化大革命で、一億人以上が迫害されても国が保ちました。
 ですから、私は、これから中国でドル不足による大不況が発生して失業者が街に満ち溢れても、中国共産党支配はそう簡単には揺るがないと思います。
デモが暴徒化しても、城監という治安警察が実力で鎮圧して、共産党に逆らう人を逮捕し拷問し殺害して共産党政権は続いてゆくと思います。
今、北朝鮮では、国際常識に反して国が保っていますので、私は、中国共産党政権も、同じ中華文明の国として、しぶとく権力を保持し続けると思います。地方地方の人民解放軍が、共産党中央を見限って独立し、互いに争い始める、その時までは…。
そして、多分習近平主席は、中国経済がうまく回らなくなり失業者が街に満ち溢れたら、「これは、アメリカのせいだ。日本のせいだ」と民衆を煽ると思います。
その時に、国連・IMF・世界銀行などが、「中国の経済的苦境はアメリカのせいだ」などと中国に組したら、中国の貧しい6億人の敵意が戦争を引き起こしてしまうかもしれません。
ですから、サラミ戦術で国際機関を中国の宣伝機関に変えようとする中国の思惑に適切に対処して、国際機関が中立な立場で発言するような体制を再構築する事は、対中冷戦を有利にするだけでなく、中国との熱い戦争の防止にも有益だと、私は考えます。
ただ、WHOのテドロス事務局長といい、IMFのゲオルギエワ専務理事といい、「なんで辞職に追い込まれないのか?」私には解りません。人を笑わせようとした発言が別と取られて、森元総理はオリンピック委員会の会長からの辞職に追い込まれたのに…。
世の中って、理不尽なものですね。でも、理不尽だと絶望していても何も変わらないので、ブログを書いています。

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