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外交的不利益を被っても、元政府高官の性的スキャンダルを握りつぶそうとする中国の不思議? この中国の不思議でスポーツビニネス迄に危機が波及しています。【引用開始】●ATPは中国で大会中止のWTAに追従せず! ATP会長「進展を見守っていきたい」【テニス】(12/3(金) 8:03配信 Tennis Classic 抜粋)ATP会長「対応はこれまでのところ不十分」とするも、中国での大会中止はせず


12月2日、男子テニスを統括するATP(男子テニス協会)は、安否不明となっていた女子テニス選手で、元ダブルス世界ランク1位のペン・シューアイ(中国)に関する2度目の声明を発表。
「この問題の進展を見守っていきたい」と、香港を含む中国での大会中止を決断したWTA(女子テニス協会)とは異なる立場を示した。…
11月15日には、「…WTAプレーヤーのペン・シューアイの安否が不明であることに深い疑念を抱いている」とし、公正かつ透明性のある調査を求めていたATPだが、今回はWTAに続かなかった。
ATPのアンドレア・ガウデンツィ会長は、「ペン・シューアイの…懸念への(中国の) 対応は、これまでのところ不十分だ」と、これまでの姿勢は変えず、中国側の対応を非難。 …あくまで透明性のある調査、そして直接連絡を取り合うことを求めた。
続けて、「我々は、スポーツが社会にポジティブな影響を与えられることを知っているし、一般的にグローバルな存在であることが、機会を創出し、影響を与えるための最良のチャンスになると信じている。今後も会員と協議を重ね、この問題の進展を見守っていきたいと思う」と、中国でのビジネスから撤退を決めたWTAに追従しなかった。
…2019年シーズンにおけるATPツアーは、63大会のうち4大会が中国で開催。55大会のうち9大会行われたWTAツアーと比較すると少ないが、…グランドスラムに次ぐグレードのATPマスターズ1000も行われており、世界のトップ選手が出場している。
その一人である世界ランク1位のノバク・ジョコビッチ(セルビア)は、中国での大会中止を決断したWTAに対し、「全面的に支持する。どの団体に所属しているか、あるいは個人的なスタンスにかかわらず、テニスコミュニティ全体で、何が起こっているのかをもう少し明確にしていく必要があると思う」と、男女関係なくテニス界全体でペンの問題に取り組むべきだとした。
●IOCがテニス選手と2度目テレビ電話 詳細公表されず
( 2021/12/03 テレ朝news)
 所在不明となっている中国の女子テニス選手とIOC(国際オリンピック委員会)が2度目のテレビ電話をしたことを明らかにしました。
 今回は文字だけです。前回のような写真もありません。
 こうしたやり方をIOCは「静かな外交」と呼び、有効性をアピールしています。
 IOCの声明(2日付):「この『静かな外交』が、こうした人道的問題を効果的に前進させるのに最も有望な方策です」
 しかし、ニューヨーク・タイムズは…。
 ニューヨーク・タイムズ(2日付):「何が話されたのか、誰がその電話に出たのか、詳細は公表されていない」
 詳細を公表しないことで、誰の利益になるのか。彼女に自由な発言を許せば、誰が困るのか。
 2カ月後に迫る北京オリンピック。
 まさに今月3日、CNNがその話題を報じていた時のことです。
 中国国内で繰り返されているCNN放送の遮断。
 CNNの放送は実際の放送より少し遅らせて、そしてその間にチェックをして、問題がある場合は遮断するというシステムになっています。
 当局がどんなニュースに目をつけているのか、それが分かる瞬間がありました。2日のことです。
 カラーバーになる直前、一瞬見えてしまった字幕には「女子テニス協会 中国で大会中止」の文字。
 遮断が2秒ほど遅れたのは、むしろ異例のことで、そのことがかえって、中国の情報統制の厳格さを浮き彫りにしています。
 その中国でオリンピックを開催するIOC。静かな外交で、選手の人権は守られるのでしょうか。
【引用終わり】
ATP(男子テニス協会) ATPのアンドレア・ガウデンツィ会長は、中国での男子テニスツアーを中止しない理由として、「我々は、スポーツが社会にポジティブな影響を与えられることを知っているし、一般的にグローバルな存在であることが、機会を創出し、影響を与えるための最良のチャンスになると信じている」と、宣っておられます。
高級そうな発言です。
会長の発言を解りやすい日本語に置き換えれば「スポーツは社会に良い影響を与える。中国を締め出すのではなく仲間に入れておけば、中国に良い影響を与えられる。(だから、中国ツアー中止しない)」になります。
しかし、ATPは(IOCと同じ)スポーツイベント業者なので、日本で米国で中国で 世界各国でテニスの試合興行を行う事で、利益を得て、団体として生存しています。
ですから、中国でツアーを行う目的はビジネスであって、中国国民への啓蒙ではありません。
IOCも北京冬季五輪が中止になってビニネスが消滅する事態を避けようとして、「静かな外交」などという人聞きの良い言葉を発明して北京冬季五輪ビニネスを必死になって守ろうとしている訳です。
このように、ATPやIOCが「自分達は崇高な理念をもって、金儲けの機会には飛びつきます」と主張するのには、ちょっとばかり違和感がありますが、実を言えば私は、このATPやIOCに態度には、反対ではありません。
ペン・シューアイ選手のことは確かに心配です。しかし、この一点で、中国でのツアーを目指しているテニス選手や、北京五輪に出場する選手達のすべての夢が吹き飛んでしまう事も、また理不尽だと思うからです。
ペン・シューアイ選手もまたテニス(スポーツ)選手だったのですから、「自分がMETOO投稿をした結果、仲間のスポーツ選手の夢の舞台を消してしまう」ことになったら、却って「シューアイ選手が悲しい思いをする」のではないだろうか? とも、私は思います、
 ですから今回は、「ATPやIOCが中国でのスポーツ興行する」同時に、「ペン・シューアイ選手の解放を目指す」という、「二兎を追う」のが正解なのだと思います。
 さて、正解だと思うのに、なぜこの記事を取り上げたのかと言えば、ATP・IOCの対応ではなくて、中国の方があまりにも不思議な対応をしているからです。
ペン・シューアイ選手事件の元々は、中国の張高麗前副首相から性的関係を迫られたという投稿です。つまり、性的スキャンダルです。性的スキャンダルなら、世界中にいくらでもあります。クリントン元米国大統領の不適切な関係は、世界中に知れ渡りました。
かといって、大抵の国では性的スキャンダルが外交問題に発展する事はありません。中国だって、告発のお相手は(前) 副首相なのですから、中国外務省が「現在の政府と無関係」と突っぱねて、ペン・シューアイ選手を海外渡航も含めて自由にして、外国メディアの前でペラペラ自由にしゃべらせれば、何の問題にもならなかったのです。
 それなのに、一体なぜ中国は(前) 副首相に対する告発さえも許さないのか? 大きな外交的不利益を被っても、元政府高官の性的スキャンダルを握りつぶそうとする中国は、やはり不思議な国だと実感します。
と、同時に、現在中国での外交の舵取り役の皆さんには、欧米の空気に配慮して、名を捨てて実を取りながらうまく嵐を乗り切ろうという意思はないようです。
ですから現在の中国政府は、ペン・シューアイ選手事件を案外軽く考えているのかもしれませんが、人々は目に見えない数万人の苦難・虐殺よりも、目に見えて解りやすい一人の苦難に反応する事も少なくありません。
例えば、ギリシャへ向かうゴムボートが難破して、一人の少年が死んでしまったという1枚の写真が、ヨーロッパで大反響を得て、メルケル前ドイツ首相の「難民歓迎」の発言になった事もありました。
中国と欧米リベラルの亀裂は、いよいよ深くなりそうです。ニューヨークタイムズやワシントンポスト・CNNといった米国のリベラル系マスコミ、そしてハリウッドが、中国マネーを歓迎していたのも、今は昔となったのかもしれません。
日本ものんびりしていない方がよいと思います。

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